怪盗ニック全仕事4 [読書・ミステリ]
短編ミステリの名手である作者が残した
「怪盗ニック」シリーズは全87編。
「怪盗ニック」シリーズは全87編。
そのうちの何割かは邦訳され、日本独自編集の短編集も出ていたが
この「全仕事」は、87編すべてを発表順に全6巻にまとめるもの。
本書はその第4弾で、1983~89年にかけて発表された15編を収録。
話数で言うと第45話~第59話である。
この「全仕事」は、87編すべてを発表順に全6巻にまとめるもの。
本書はその第4弾で、1983~89年にかけて発表された15編を収録。
話数で言うと第45話~第59話である。
ニック・ヴェルヴェットは一風変わった泥棒。
彼が盗むのは、貴金属や宝石の類いではない。
"価値がないもの" や "誰も盗もうと思わないもの" に限るのだ。
本書でも、およそ価値がありそうもないものの依頼が続く。
彼が盗むのは、貴金属や宝石の類いではない。
"価値がないもの" や "誰も盗もうと思わないもの" に限るのだ。
本書でも、およそ価値がありそうもないものの依頼が続く。
「白の女王のメニューを盗め」
「売れない原稿を盗め」
「ハロウィーンのかぼちゃを盗め」
「図書館の本を盗め」
「枯れた鉢植えを盗め」
「使い古された撚り糸玉を盗め」
「紙細工の城を盗め」
「人気作家の消しゴムを盗め」
「臭腺をもつスカンクを盗め」
「消えた女のハイヒールを盗め」
「闘牛士のケープを盗め」
「社長のバースデー・ケーキを盗め」
「色褪せた国旗を盗め」
「医師の中華鍋を盗め」
「空っぽの鳥籠を盗め」
「売れない原稿を盗め」
「ハロウィーンのかぼちゃを盗め」
「図書館の本を盗め」
「枯れた鉢植えを盗め」
「使い古された撚り糸玉を盗め」
「紙細工の城を盗め」
「人気作家の消しゴムを盗め」
「臭腺をもつスカンクを盗め」
「消えた女のハイヒールを盗め」
「闘牛士のケープを盗め」
「社長のバースデー・ケーキを盗め」
「色褪せた国旗を盗め」
「医師の中華鍋を盗め」
「空っぽの鳥籠を盗め」
「白の女王-」で登場し、以後セミレギュラーとなるのが
女怪盗サンドラ・パリス。ニックネームはそのものズバリ、”白の女王”。
これはルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」に登場する
”白の女王” から来ていて、キャッチフレーズは「不可能を朝食前に」。
その通りに早朝までに盗みを完了して、現場には
自身の名刺を残していくという、
アルセーヌ・ルパンか怪人二十面相かというくらい
自己演出が大好きな様子。ちなみに、
ニックと異なり、依頼があれば価値のあるなしに関係なく何でも盗む。
”白の女王” から来ていて、キャッチフレーズは「不可能を朝食前に」。
その通りに早朝までに盗みを完了して、現場には
自身の名刺を残していくという、
アルセーヌ・ルパンか怪人二十面相かというくらい
自己演出が大好きな様子。ちなみに、
ニックと異なり、依頼があれば価値のあるなしに関係なく何でも盗む。
ニックとは最初のうちはライバル同士で、ニックが狙っていた獲物を
先にサンドラにさらわれてしまったりする。
もちろん彼女も、ニックの逆襲のおかげ警察に捕まったりするわけで。
先にサンドラにさらわれてしまったりする。
もちろん彼女も、ニックの逆襲のおかげ警察に捕まったりするわけで。
しかしそのうちに奇妙な ”同業者意識”(?)が芽生えてきたみたいで、
抜きつ抜かれつな関係から、時には助け合う関係に。
抜きつ抜かれつな関係から、時には助け合う関係に。
しかし、そんなサンドラとの関係を、
ニックのパートナーであるグロリアが喜ぶはずはない。
でもサンドラの ”実力” は認めているみたいで
警察に拘束されたニックの救出をサンドラに依頼したりと
この二人の女性の関係もまた変化していく。
ニックのパートナーであるグロリアが喜ぶはずはない。
でもサンドラの ”実力” は認めているみたいで
警察に拘束されたニックの救出をサンドラに依頼したりと
この二人の女性の関係もまた変化していく。
新レギュラーの登場は、シリーズのマンネリ化を
防ぐためのだったのだろうね。
ニックが価値のないものを盗んでいくだけのパターンだけだと
単調になりがちだし。
防ぐためのだったのだろうね。
ニックが価値のないものを盗んでいくだけのパターンだけだと
単調になりがちだし。
日本での短編集1~3では、1冊あたりにこのパターンの短編が
14~15編が収録されてるわけで、
こればかり続けて読むのはいささか辛いかな。
14~15編が収録されてるわけで、
こればかり続けて読むのはいささか辛いかな。
実際、「怪盗ニック全仕事2」に記事で、私はこんなことを書いてる。
「面白いんだけど、この手のものばかりだとやっぱり飽きるかなあ。
まあ、年に1冊というペースは正解だと思う」
「面白いんだけど、この手のものばかりだとやっぱり飽きるかなあ。
まあ、年に1冊というペースは正解だと思う」
作者もたぶんそのあたりは分かってて、
サンドラ初登場の「白の女王ー」が発表された1983年は、
シリーズ開始の1966年から数えると17年めで、話数でいうと45話め。
ここで新しいバリエーションを取り入れてきたということなんだろう。
サンドラ初登場の「白の女王ー」が発表された1983年は、
シリーズ開始の1966年から数えると17年めで、話数でいうと45話め。
ここで新しいバリエーションを取り入れてきたということなんだろう。