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宇宙軍士官学校 -前哨- 1~6 [読書・SF]


宇宙軍士官学校―【前哨/スカウト】― 1 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―【前哨/スカウト】― 1 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/07/24
  • メディア: 文庫
宇宙軍士官学校―前哨(スカウト)― 2(ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―前哨(スカウト)― 2(ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/11/22
  • メディア: 文庫
宇宙軍士官学校―前哨― 3 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―前哨― 3 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/04/24
  • メディア: 文庫
宇宙軍士官学校―前哨―4 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―前哨―4 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/11/22
  • メディア: 文庫
宇宙軍士官学校 -前哨-5 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校 -前哨-5 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 文庫
宇宙軍士官学校-前哨-6 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校-前哨-6 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/11/21
  • メディア: 文庫
2012年7月から始まった、大河スペースオペラ・シリーズ。
年に3~4冊のペースで現在も続巻が刊行中で
この文章を書いている段階で17巻まで出ている。

ストーリーが連続していることと、いつ終わるのか分からないことで
どの時点で読書録を書くべきか悩んでるんだけど、
とりあえず第1部(だと思われる部分)が12巻までなので
半分の6巻まで読んだところでいったん記事にしておこうと思った。

 だから次回は12巻まで読んだところで記事にして、
 その後は随時、って感じになりそう。


西暦2015年。この年、人類は異星人<アロイス>と
ファースト・コンタクトを果たした。
以来15年。人類は地球の統一を果たし、異星人がもたらした
オーバーテクノロジーで空前の繁栄の時を迎えていた。

そんな2030年に物語は始まる。
地球人へのオーバーテクノロジー提供の代償は、
優秀な若者/子どもたちを戦士として提供することだった。

主人公・有坂恵一は、地球各地から集められた若者たちの一人。
彼らは巨大ステーション<アルケミス>で、過酷な訓練の日々を迎える。

彼らは、近い将来に結成されるであろう ”地球軍” の
中核を占める指揮官として養成されていることが早々と明かされる。

やがて、<アロイス>を含む異星人たちの連合組織 ”銀河文明評議会” が
”粛正者” と呼ばれる謎の勢力と交戦中であることが明らかになる。

 ちなみに評議会のメンバーの異星人たちの多くは、
 ほぼ人類に近い生態/メンタリティをもつようで、
 太古に同一種の生命が宇宙に播種された可能性も仄めかされている。

一方、”粛正者” とは一切の交渉/対話が不可能で、
彼らの目的は徹底的な破壊と殺戮のようだ。

”粛正者” は、はじめ高度な文明を持つ星系を狙って侵攻していたが
当然ながらそんな星系は抵抗も激しく、侵攻失敗率も高い。そこで彼らは
200年ほど前より、未成熟な文明の星を主に狙うようになったという。

つまり地球は ”粛正者” からしたら格好の餌食なわけで、
太陽系を侵略者に対する橋頭堡にしようという ”銀河文明評議会” と
滅亡を回避したい人類との利害は一致するわけだ。

かくして恵一たちは、地球防衛の要となるべく訓練を受けている。
そんな訓練生たちの過酷な試練の日々が描かれていく。


まずは、主人公・有坂恵一の ”出世” の物語として読めるだろう。
候補生たちの中の一人だった彼が、訓練を通じて次第に頭角を現し
やがて訓練生のリーダーへになっていく。

さらに上位の訓練では、彼らを率いて訓練航海の艦長をこなし、
訓練生一人一人が各艦の艦長となった艦隊では、
その総指揮をふるうようになる。

訓練生同士の友情、ライバルとの反目などは学園もののノリだし
恋愛模様にはライトノベル的な雰囲気もあるだろう。
でも、私がいちばん感じたのは一種の ”懐かしさ” だった。

銀河レベルの異星人連合なんて50年代黄金期のスペースオペラだし
恵一が訓練戦艦のブリッジから指揮を飛ばすシーンや
圧倒的戦力で太陽系に迫る敵なんて設定には「ヤマトだなあ」と感じたり
巧みな戦術戦略で相手を打ち破るところに「銀英伝」の影響を見たり。
それ以外にも、私の気づかないところで
過去のSF小説やSFアニメなどを上手く取り込んでいるんだと思う。

寄せ集めと言ってしまえばそれまでなんだが、
よく言えば ”いいとこどり” をしていて、
かつバランスの取り方がうまいんだろうと感じる。

5巻では、ついに太陽系に ”粛正者” の探査機が現れ、
実戦投入された恵一たちは本格的な戦闘を経験する。

そして6巻では、人類は ”銀河文明評議会” へ地球防衛のための
増援を求めて、<アロイス>よりもさらに上位の種族のもとへ向かう。
そこで恵一たちは、さらなる運命の変転を迎える。

いまのところ、とても楽しく読ませてもらっている。
あとまだ未読の巻が10巻以上あるなんて嬉しいじゃないか。

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