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君の名は。 [映画]

何だかモノスゴイ話題になっているこの映画。
先日、ひょっこり時間が取れたので観に行ってみた。


ざっくりとストーリーを紹介すると、

飛騨の山中にある町に暮らす女子高生・三葉(みつは)は、
自分が東京の男子高校生になった夢を見る。
一方、東京で暮らす男子高校生・瀧(たき)も、
山奥の町で自分が女子高生になっている夢を見るようになっていた。

夢にしてはあまりにもリアルすぎる。
二人は、お互いの心と体が入れ替わっていることに気づく。
そして入れ替わりは週に2~3回の頻度で起こるようになる。

二人は不思議な体験に戸惑いながらも事態を受け入れ、
お互いの生活を楽しむようになっていく。

しかしある日を境に、入れ替わりは途絶えてしまう。
三葉に惹かれるものを感じていた瀧は、
彼女に連絡をとろうとするがメールも通話も通じない。

三葉の身体に入っていたときの風景の記憶を辿り、
瀧は彼女の住んでいる町を探し始めるが・・・


男女の心が入れ替わる、なんて昔の大林宣彦の映画であったよなあ、
なーんて思いながら見ていた。
序盤は、そんな一風変わったboy meets girlの状況を
ユーモアたっぷりに描いていてなんとも微笑ましい。

ところが、瀧が三葉の町を突き止めるところから
ストーリーは急展開を見せる。

このへんから後はネタバレになるので詳しくは書けないけど
二人の入れ替わりには "ある秘密" があり、
そして二人の身に起こったことには "意味" がある。

物語の全貌が次第に明らかになるにつれて、
二人の高校生の出会いが
"王道" とも言えるSF・ラブ・ストーリーへと変貌していく。

しかもタイムリミット・サスペンスの要素も加わり、
終盤にかけては怒濤の展開でハラハラドキドキ、
その中を駆け抜ける主役カップルの一途さ、健気さ、切なさ、
そしてひたむきさに、ひたすら感動の嵐。

ああ、世俗の垢にまみれて心が荒んでしまったオジサンには
若い君らは眩しすぎるよ・・・
ただでさえゆるい涙腺が、君らのおかげで大崩壊だ・・・

すっかり心を洗われて映画館を出た私です。


主役二人は神木隆之介と上白石萌音。俳優と女優さんだが、
声優としても水準以上の力を発揮していて安心して観ていられる。

脇はプロの声優さんが固めていてこれもバッチリ。
市原悦子さんも出ていたのだけど、
「まんが日本昔ばなし」みたいな口調ではなく(当たり前だが)、
ヒロインの祖母をおだやかな声で演じている。
長澤まさみも、瀧のバイト先の先輩役で出演。
"大人の女性" の魅力たっぷりでとても達者に演じてるんだけど
声を聞くと顔が浮かんできてしまうのはなんとも。

画面の美しさも特筆もの。
飛騨の景色が素晴らしいのはもちろんだが
ストーリーに大きく関わる「ティアマト彗星」の華麗なこと。
これは映画館の大画面で観る価値がある。

あんまり書くとこれからこの映画を観る人の
興を削ぐことにもなりかねないのだが、
あとひとつだけ。

小道具の使い方も実に上手い。
ヒロインの三葉が、自分の長い髪を紐で束ねるシーンが
たびたび描かれるんだけど、これも伏線の一つ。
これから観る人は彼女の髪紐に注目だ!(笑)


新海誠さんって、ネット配信で『ほしのこえ』しか観たことなかった。
光年単位で離ればなれになっていく恋人たちを描いた
切ないラブストーリーだった。
ほとんど一人で作り上げたという自主製作だったというのも驚きだった。

マイナーな同人作家のイメージが強かったんだけど、
蓋を開けてみれば今作は堂々のメジャー大作。
これからネットで、過去の作品をまとめて観ようと思ってる。


今年はジブリ映画がなかったせいもあるのだろうが
「シン・ゴジラ」に並ぶくらい大ヒットしているらしい。

宮崎駿は引退してしまったけど、新しい才能というのは
次々と現れてくるものなのですねえ。次回作にも期待します。


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