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リケジョ探偵の謎解きラボ [読書・ミステリ]


10日ほど前、運転免許証を紛失してしまった。
気がついたら、いつも持ち歩いている鞄の中に見当たらない。
心当たりの場所を探したんだが結局見つからず。

そんなわけで先週、免許証の再交付に行ってきた。
免許センターの再交付窓口には結構な人だかりで
結構なくす人は多いんだなあ・・・なんて思ったり。

ところが今日、その免許証が手元に帰ってきた。
いやあ、日本はまだまだ捨てたもんじゃないですねえ。
落とし物がきっちり帰ってくるんだから。
とは言っても再交付の手続きをしてしまったので、
見つかった古い方の免許証は効力を失っている

というわけで、警察署まで古い免許証を返納しに行った。
窓口に行ったら若い婦警さんが出てきて
要件を告げたらなんだかびっくりした顔をして。

再交付後に前の免許が見つかっても、きっとみんなそのままにしてて
わざわざ警察まで返しに行く人はきっと少ないんだろうなあと
そんなことを思った日でした。

閑話休題


リケジョ探偵の謎解きラボ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

リケジョ探偵の謎解きラボ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/05/09
  • メディア: 文庫
評価:★★★

語り手は「懇誠リサーチ」で働く保険調査員の江崎。
彼は、行きつけの定食屋で知り合った女性・友永久里子に
思いを寄せているのだが、彼女は国立T大学で助教を務める研究者。

江崎が担当する案件は、なぜか不審な死亡事件ばかり。
事故か自殺か、はたまた巧妙に仕組まれた殺人なのか。
悩める江崎が久里子に相談を持ちかけると、彼女が持ち前の
知識と推理を総動員、事件の裏に隠された ”真相” を暴き出す、
そんなエピソードを4編収録した連作短編集。


「Research 01 小さな殺し屋」
iPS細胞の研究者・鷹野教授の死体が自室で発見される。
部屋は内部から施錠され、状況は病死にしか見えないが・・・

「Research 02 亡霊に殺された女」
マンションのベランダから女性が転落死するが
周囲の状況から自殺と断定される。しかしそれでは保険金が支払われない。
死んだ女性の夫が江崎の会社に再調査を依頼してくるが・・・

「Research 03 海に棲む孔雀」
和歌山で31歳の男性の溺死体が発見されるが、事故死と判定される。
男性の妻が2000万円の保険金を受け取ることになっていたが、
保険会社に「保険金目当ての殺人だ」との密告電話が入って・・・

「Research 04 家族の形」
交通事故で男性が亡くなるが、彼は複数の保険に加入していた。
事故の原因が男性の過失(飲酒、薬物、自殺等)である場合、保険会社は
保険金の支払いを回避できる。江崎は事故原因の調査にあたるが・・・


久里子は生物学の研究者なので、彼女の持つ生物/化学系の知識が
事件の謎に解明の光を当てる。
作者は現役の薬学研究者なので、実にいろんなネタを引き出してくる。
とは言っても難しいことは全くなく、
素人でも十分面白く読ませる話になっていて
その辺の筆力はもう折り紙付きだろう。

もう一つの読みどころは江崎と久里子の関係の変化。
エピソードを重ねるうちに、江崎の久里子への思いは強まっていくのだが
なにせ彼女にとって「一番大事なものは研究」。
そこに江崎の入り込む余地は果たしてあるのか?

終盤になると、そんな彼女に海外留学の話が持ち上がる。
それを知った江崎は、ある決断をするのだが・・・


結婚と同時に仕事を辞めて家庭に入る、いわゆる「寿退社」なんてのは
昭和の頃は普通にあったが、今はそうでもなかろう。
仕事を生きがいにする女性も多くなっていることだろうし、
結婚・出産を経ても仕事を続けたいと思うことも。

ましてや今の時代、共働きしないと十分な収入がないなんてことも。

私のかみさんなんて、まさに仕事を生きがいにしていた人で
結婚が決まっても仕事を辞めようなんてさらさら思ってなかったが(笑)。


本書のラストにおいて、江崎と久里子は人生の ”選択” をするが
いやあ江崎くん、君はいい人だ。
なんだか他人に思えなかったよ(笑)。

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コメント 3

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-06-27 23:12) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-06-27 23:12) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-06-27 23:13) 

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