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若桜鉄道うぐいす駅 [読書・ミステリ]

若桜鉄道うぐいす駅 (徳間文庫 か 46-1)

若桜鉄道うぐいす駅 (徳間文庫 か 46-1)

  • 作者: 門井慶喜
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2014/10/03
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

舞台は鳥取県の片田舎、鶯村。
この村を通るローカル線・若桜鉄道のうぐいす駅。
この古い駅舎を取り壊し、
跡地に病院を誘致しようという話が持ち上がる。

しかし、駅舎は世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトが
設計したものとされていて、その保存を求める
市民運動の盛り上がりによって誘致運動は難航していた。

歴史を専攻する大学院生・芹山涼太は、
村長である祖父・豪造に呼び出され、命令される。
「駅舎の歴史的価値を落とすように、歴史を捏造せよ」

一方、豪造の幼なじみで市民活動に肩入れする
京都大学名誉教授の重次郎は、涼太に対して
学問の世界での将来を "盾" にして圧力をかける。
「駅舎の歴史的価値を高めるように、歴史を捏造せよ」

板挟みになった涼太は、恋人の悠花とともに鶯村に帰省し、
とりあえず駅舎の調査を始めるが、その矢先に豪造が急死、
村長選挙に立候補させられてしまう・・・


文化財の保存か、生活の効率と利便性かを巡って
田舎の村で起こるドタバタ騒ぎを描いたコメディ、なんだが。

裏表紙の惹句の末尾には「傑作青春ミステリー」ってある。
「傑作」かどうかはおいといて、「青春」ではあるかな。
主人公は25歳で、恋愛もストーリーの大きな要素ではあるし。
でも、「ミステリー」っていう雰囲気は終盤まで感じられない。
ラスト40ページに至って「ああ、そこだったのか」ってわかるんだけど。


ここから先は、ネタバレではないけどそれに近いことを書く。
(勘のいい人なら分かってしまうかも知れない。)
また、この作品を批判するような内容でもあるので、
未読の人、これから読むつもりの人は、
以下の文章には目を通さないことを推奨する。


この作品の結末は、私は好きになれない。

このオチに持っていくなら、第八章の後半は何だったんだろう。
少なくとも○○○はまずいだろー、△△△じゃないと。
いや、○○○でもいいんだが、それなら涼太以外の○○○にしないと。

単なる田舎の村長選挙を巡るコメディです、っていうだけなら
こんなにへそを曲げるつもりはないんだけど・・・
仮にも惹句に "ミステリー" って銘打ってある以上は、
これはアンフェアだと思うよ。

 それとも、私の器が小さいのか・・・。

あと、これは人によるかと思うんだけど、
物語的にも、私はこの結末は好きになれない。

だってこれじゃあ、あまりに涼太が可哀想すぎないかい?
駅舎を巡るごたごたはこれでキレイに収まるし、
本人も納得しているんだろうけど・・・でもねえ。

私なら少なくともこういう結末を迎えたら
涼太みたいに前向きに生きていくことは
(少なくとも当分の間は)無理だ。断言してしまうが。

 まあこれも、私の器が小さいってことですかね・・・。

少なくとも、第八章まではかなり面白く
読ませてもらっていただけに・・・残念。

私は、このブログに滅多に文句は書かないんだけどね。
だって、文句はどう読んでも楽しい文章にはならないから・・・
スミマセンでした。

★2つにしようかと思ったんだけど、
第八章までは面白かったのは間違いないので、半個増量。


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mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-11-24 00:13) 

mojo

makimakiさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-11-24 00:14) 

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