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「ヤマト」続編製作決定 [アニメーション]

最後の出勤を翌日に控えた28日の夜、ネットを見ていたら
どうやら「ヤマト続編製作」が決定したらしい。
(ネットの噂ではけっこう前から言われてましたけどね)
「ヤマト2202」の劇場公開こそ終わりましたが、
TVでの最終話放映を前にしての発表でしたね。
いささかフライング気味ではないですかねぇ・・・

思い起こせば、「2202」の製作発表のときは
「嬉しい」という気持ちは
全くといっていいほど湧いてきませんでしたねぇ。
あれはもう3年くらい前のことでしたか・・・
なんと言っても私にとっては ”曰く付き” の、
あるいは ”鬼門” だった「さらば」のリメイクでしたから・・・

  結果的には「2202」を作ってもらって良かったですけどね・・・

今回の発表でもやっぱり「嬉しい」という気持ちは
ほとんど湧いてきませんでしたねぇ。

「2202」を以て、私の中のヤマトの物語は ”区切り” がついた、
そんな思いを抱いていましたから。

 もっとも、かみさんは喜ぶかな。
 また山ちゃんのデスラーに逢えるので(笑)。

そのうち続報が入ってくるでしょうから
またそのときに考えましょうかね。

願わくば、「ヤマト22XX(仮)」も
「作ってもらって良かった」ってなればいいのですが。


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退職の挨拶 [日々の生活と雑感]


さて、かねてよりこのブログでも触れてきましたが
貯まりに貯まっていた残務整理も27日には無事に全て終えました。

昨日(28日)は私用でちょいと遠出して参りましたが
本日(29日)、最後の出勤にいってきました。

思い起こせば38年前、大学を卒業してこの仕事に就いてより
不祥事を起こすこともなく、クビになることもなく(笑)
なんとか勤め上げることができました。

その間、支えてくれた家族と同僚たちには感謝の言葉しかありません。
ありがとうございました。

上司は・・・まあ、当たり外れはあったかな(笑)。
それでも、若い頃にへまをして落ち込んだときに
温かく励ましてくれた方もいましたし
大きなトラブルが発生した時に協力して頂いて
うまく乗り切ることができたこともありましたし、
やはり感謝しなければいけませんね。
ありがとうございました。

そして、このブログを開設してからの12年ほどの間、
閲覧に来て頂いた方、コメントを寄せて下さった方、そのすべてが
私にとってとても大きな励みとなりました。
ありがとうございました。


さて、最後の出勤日はあちこちに一言ずつ挨拶して
早々に帰ってきてしまおうと思ってたのですが
いざ顔を出すといろいろ細かい用件が出てきてなかなか・・・

それでも昼過ぎには家に帰りました。とは言っても
ヒマになったわけではなく、午後は引っ越しの手伝いです。
実は家人の一人が4月から一人暮らしをすることになり
家財道具を運ぶための運転手をやってました。

行った先での片付けやら生活の準備やらもけっこうな手間で
家に帰ってきたのは午後9時近く。
やっと食事を終えていまPCに向かってます。


というわけで最後の出勤の日を終えたのですが、
先日もらった辞令では退職の日付が3/31になってるので
それまで今の職場に籍はあるんでしょうねぇ。ということは、
今度の土日で何か問題を起こしたら大変なことになるのでしょうか・・・
この2日間、おとなしく過ごしましょう(笑)。


さて、4月からは新しい職場になるわけですが
心機一転、がんばりますのでよろしくお願いいたします。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星編」を観てきました その3 [アニメーション]


※本編のネタバレはありません。

以前の記事にも書きましたが、私は今月末を以て今の職場を離れます。

それに伴い、残務処理やら身辺整理やらが降りかかってきているのですが
同時並行的に通常の仕事もしてます。

さらには、私のような輩に対して送別会とかも開いて頂いたりして
記念品やら花束なんぞもいくつかもらいました。

それに関してはホントにありがたい限りなのですが
なかなか自分の済ませるべきことに集中できません。

本来なら今日も出勤して、片付けに目処をつけたかったのですが
午前はニトリに、昼にはヤマダ電機にと買い物三昧。
さらには夕方から「ヤマト2202 第七章」を観に行ってしまいました。

ちなみに明日(日曜)は出張が入っているし、
月曜と木曜には別の用事が入ってしまっています。

いったいこんなことで大丈夫なのでしょうか・・・

下手をすると30日や31日になっても
職場で七転八倒している羽目になったりして(おいおい)。
・・・そうならないようにがんばります(神妙)。


さて、「ヤマト」です。
本体なら上記のように、観に行ける状況ではなかったのですが
かみさんが「どうしても映画館で観たい」とのたまうので
お付き合いすることに。
まあ私も息抜きをしなければ身が持ちませんので・・・
というのは言い訳ですね(笑)。
自分としても、できればもう一度映画館で観ておきたかったので
思い切って行ってしまいました。


場所はMOVIXさいたま。
さすがに4週目とあって、上映は17:00からの1日1回のみ。

でも、上映開始の50分ほど前に到着した時、
チケット売り場の掲示板では「残りわずか」ってなってましたし
実際に入ってみると、117席の小さなハコながら、
ほぼ満席だったように見受けました。

映画館では3度目、回数としては5回目の鑑賞です。
本編上映前の「あらすじ」のところから涙腺が緩んでしまうのは
前を同じなのですが、今回は山南艦長のくだりより前、
ズォーダーとサーベラーの会話あたりから・・・
トシのせいですかねえ・・・

終わった後、かみさんといろいろ話したのですが
ネタバレに関わることばかりなので割愛。

今回の戦果。4週目の入場特典。
20190323a.jpg
古代&雪、島、最終決戦仕様ヤマトの3点ですね。

残念ながら3週目の特典は入手し損ねました。

あと、クリアファイル七枚組。第一章~第七章までの名場面集ですね。
ちなみにかみさんが買ったものです。

20190323b.jpg
そのかみさん、

「28日の上映終了までにもう一回行きたいなあ」
なんぞと恐ろしいことを口にしております。

いやいやいや、そんなことしたら大変なことになるってば(戦慄)。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星編」感想・・・のようなもの その0 [アニメーション]


※致命的なネタバレはありませんが、
 ある意味この記事の文章自体がネタバレです(笑)。
 円盤の到着待ち、あるいはTV放映待ちの方はご注意ください。


ある男の話をさせてください。
どこにでもいる、ごく普通のヤマトファンです。

ヤマトを愛し、ヤマトが見せてくれた世界を愛し、
地球が滅亡の淵に立たされたときは、古代たちと一緒に
イスカンダルへの大航海をともに ”体験” した。

そして ”帰還” した後は、当時の皆さんがそうであったように、
学業に打ち込み、あるいは社会へ出て身を粉にして働いてきた。

”彼” が望んだのはただ一つ、
「ヤマト」という作品が、”彼” の心の中で
”青春時代の素晴らしき思い出” として輝きを保ち続けることです。

しかし、いわゆる「1974年のTV第1作」or「1977年の映画版第1作」が
大ヒットした後、「ヤマト」が置かれた状況は、それを許さなかった。

当然のように「続編」を望む声が出ました。
それに応えて制作陣が生み出した「さらば宇宙戦艦ヤマト」。
しかし、その結果は・・・・・・

1978年の夏、映画館で「さらば」を見た時の衝撃。

「第1作」のテーマをことごとく全否定したその内容に、
裏切られた・・・その思いは間違いなくあったでしょう。

しかし、いつかは「ヤマト」が、
往年の輝きを取り戻す日が来ることを信じて、
それ以降、切れ目無く作られ続けた ”続編群” からも
”彼” は目をそらすことなく、向き合ってきました。

結果的に、”彼” はすべてのヤマトとつきあうことになりました。
「ヤマト2」「新たなる旅立ち」「ヤマトよ永遠に」「ヤマトⅢ」
そして「完結編」、さらには「2520」「復活編」まで・・・

”ヤマトの復権” に貢献できるファンの一人でありたい、
という願いにかけて。

『これは私の観たいヤマトではない』と思いながらも
”ヤマトのために” と、”彼” は自分の心を裏切ってきた。

しかし、全ては裏目に出て・・・
結局 ”彼” は、「ヤマト」という作品から離れることになりました。

「宇宙戦艦ヤマト2199」という作品で「ヤマト」が再び
陽の目を見る地位に戻ってきたのは望外の喜びでしたが
それまでには実に38年という年月が必要でした。


”彼” は、私です。

”ヤマトの続編群” が見せる未来に裏切られ、
「ヤマト」から、大事な何かが失われるのを感じ続けていた。

「ヤマト」だ、という理由だけで映画館へ足を運び、
本当の「ヤマト」を願う自分を見失ってしまった。

プロデューサーN氏の打算が
”第1作&「さらば」の遺産” を食い潰してゆくのを予感しながら、
どこに向かうとも知れない「ヤマト」を追い続ける。

そんな過酷な時代を生きた無名の人間の一人だったのです。


そして、「さらば」から40年の時を超えて公開された「2202」。
『あらゆる予想を覆し、真実の ”ラスト” へ』と銘打たれた最終章。

その内容が、「私の観たかった彗星帝国編のラスト」だったか、
と問われれば、違うようにも思います。
私の期待していたものとは
必ずしも合致していなかったのは間違いないところでしょう。

しかし、最終章を映画館で観た時に私の頬を流れていた涙。
それが全てを語っています。
「私はこの結末を受け入れている」と。

そしてこうも思いました。
「受け入れることのできた結末を見せてくれてありがとう」と。


私は「2202」を評価することに引け目は感じません。

最終話における古代と雪を救うことで、私もまた救われたと思えました。
この(考えようによっては)愚かしい選択の先に、
もう一度、本当の「ヤマト」を取り戻せると信じられましたから。

このラストを酷評する人、全否定する人もいるでしょう。
でも、私は自分の心に従ってこの結末に一票を投じます。

私にとって、私の心の中にある「ヤマト」の ”復権” は
ここにあると思えたから。

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総閲覧数150万に到達 & 近況 [このブログについて]


忙しさにかまけてぼーっとしていたら
去る3月11日に、このブログの総閲覧数が150万を超えてました。
チコちゃんに怒られてしまいますね(笑)。

20190311.png

毎回書いておりますが、また書かせて頂きます。
(どれくらいいるのか分かりませんが)
ご常連の方、毎度のご訪問ありがとうございます m(_ _)m ぺこり。

そして、(もしいるなら)たまたま今日が初めてのご訪問の方へ。
1800件近い駄文の山でございますが
よろしかったら、これからどうぞご贔屓に(笑)。

どちら様も、よろしくお願いします m(_ _)m ぺこり。


前回(2018年12月14日)の「140万突破」の記事では
「医者にかからないといけない」なんて書きましたが
ちゃんと病院へ行って治療を受けて参りました。

いちおう書いておきますが、
命に関わるような病気ではありませんので(笑)。
現在は仕事にも無事に復帰しております。


さて、私は今月末を以て現在の職場を定年退職いたします。
かといって4月からプー太郎になるわけでもなく
また新しい職場で働くことになるのですが
そのあたりのことはまた記事を改めて書こうと思います。

いまよりは暇な時間が増えるかと思いますので
ブログの方も、もうちょっと注力できるといいなあ・・・
って思ってるんですが(笑)。

というわけで(どんなわけだ)、いつまで続けられるか分かりませんが
なるべく長く、皆さんとお付き合いしていきたいと思ってます。

これからもよろしくお願いします。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星編」を観てきました その2 [アニメーション]


※本編のネタバレはありません。

10日(日)、再び新宿ピカデリーへ。
最終章、2度目の映画館での鑑賞です。もちろんかみさんと二人で。

実は前日の夜、昔の職場の元同僚だった人たちと飲み会があって
早起きができるかちょっと心配だったんですが・・・
なんのことはない。ちゃんと目覚ましが鳴る前に目が覚めました。
現金なものですねぇ。

まずは11:00の回へ。
通算で3回目の鑑賞ですが・・・
「第六章までのあらすじ」での山南艦長のくだりから
もう涙腺が崩壊してしまって、結局のところ
前の2回よりも多くの涙が流れてしまったようです。

そして昼食を済ませた後は14:30の回へ。
いくらなんでも、もうそんなに泣くことはなかろうとも思ったのですが
やっぱりダメでしたねえ・・・

そして、つくづく思いました。
桑島法子さん、ありがとう。
あなたの演じてくれた森雪さんは最高です。

さて、来週の土日はもうきっちり予定がつまっているので
映画館へ来るのはもう無理かなあ・・・


本日の戦果。山本玲、キーマン、「さらば」での古代と島。

IMG_0982a.jpg


そして限定BD。じつは9日(土)のうちに家に届いていたのだけど
まだまだ映画館で見たかったので封も切ってません。

IMG_0983a.jpg

ひっくり返すと、この絵が。

IMG_0984a.jpg

実際に映画の中でこんなシーンがあるかないかは
観た人のみが知っている・・・(笑)


そして小説版の第4巻。これも実のところ先月のうちに通販で届いてた。

IMG_0985a.jpg

まだ未読なんだけど、目次から察すると
内容としては14話~16話あたりと思われる。
このペースだとあと3巻くらいかかりそうかな。
今回も440ページほどもある堂々たるボリューム。
こちらも楽しみですね。

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シェルター 終末の殺人 [読書・ミステリ]

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫
評価:★★☆

ホラー・ミステリ作家の ”私” (三津田信三)は、
資産家・火照(ひでり)陽之助の屋敷を訪れる。
彼が自宅の庭に建設したシェルターを取材するためである。

シェルターの見学に参加した他のメンバーとともに
庭を歩いているとき、突然、空に巨大な閃光が走り
「走れぇぇ!」という火照の絶叫が。
その声に追われるように一同は慌ててシェルターに逃げ込む。

シェルター内に鳴り響く警報を聞いて、
”私” は慌てて鋼鉄製の耐久扉を閉ざす。
この警報は人体に影響のある放射線量を記録すると鳴り出すのだという。
いったい、外の世界には何が起こったのか・・・?

シェルターに逃げ込んだメンバーは ”私” 以外に
学術書の編集者・仙道賢人(けんと)、
看護師の母堂育子、月刊誌編集者の面家(おもや)かなお、
そして編集プロダクションの社長で名刺記載の名前が "星影企画"。

 たぶん "企画" は社名だよねえ。人名とは思えないんだが、
 彼の下の名は最後まで明かされない。

最後は書籍装丁のデザイン事務所に勤める明日香(あすか)聖子。
どうやら火照は逃げ込めなかったらしい・・・

シェルター内には水も食料も当座の分は用意されており、
この6人による共同生活が始まる。

このシェルターは地下に設置され、滞在用に用意された5人分の個室、
図書室、ビデオ室、洗面所兼シャワー室、台所兼キッチン、
機械室、倉庫と合計11部屋。TVはあるが映らない。
パソコンもあるが外部のネットと通信ができない。

そんな、外の世界の状況が全く掴めない状況下で
次々にメンバーが密室の中で殺されていく・・・という話だ。


この手のクローズト・サークルの場合、犯行が続いて
人数が減っていくと当然ながら容疑者が減っていく。
すると、残った人間の中に犯人がいなければならないわけで
サスペンスは増すかも知れないが
犯人の意外性という面では不利なパターンだ。

古今の同様の作品の中で "名作" と呼ばれているものは
あの手この手を繰り出して読者の裏をかこうとする。
中には裏技どころか犯則技に近いものがあったりするのだが
(それについてはいちいち書かないけど)
この作品の登場人物たちも、出版関係者が多いせいか
その方面のミステリ的知識は持ち合わせていて
生き残った者たちはいろんな可能性を検討していく。
もちろん、思いつく限りの "穴" を潰すような "捜査" も行っていく。

さて、そういうふうに展開していくと
「あのパターンではない」「このパターンでもない」
ってなっていくわけで
「じゃあ、どんな絡繰りなんだろう(わくわく)」
ってなるよねえ・・・

そしてそして、最後に明かされる真相を読んでみると・・・

だいたい、本格ミステリを読み終わった感想は
「そうだったのか!」って膝を打つ人と
「これはないよぉ」ってがっかりする人のどちらかだろう。

私の場合は後者でした。
そして私が思うに、後者の感想を持つ人が多いんじゃないかなあ・・・
怒り出す人もいるかも知れない。

終わってみれば、ちゃんと伏線は張られてはいるんだけどね。
でも、多くのミステリファンが期待する内容ではない気がする。

途中は面白いんだよねぇ。
閉鎖空間に加え、少ない登場人物。単調になりがちな展開を補うように
密度の濃いマニアックな会話が続いて、
このあたりの蘊蓄はなかなか読みでがある。
”私” が明日香に抱くほのかな恋愛感情なんかも
いい味付けになってると思うし。

やっぱりこの作者の(私にとって)最良の作品群は
刀城言耶シリーズなんだなぁ。

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プロジェクト・シャーロック 年刊SF傑作選 [読書・SF]


プロジェクト:シャーロック (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

プロジェクト:シャーロック (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/06/29
  • メディア: 文庫
評価:★★★

東京創元社発行の年刊ベストSF短編アンソロジー。
本書は2017年版で、なんと第11集め。

発刊が始まった11年前、「日本SF冬の時代」とか言われてたが
現在は多くの雑誌(SF専門誌以外)への掲載や
書き下ろしアンソロジーなどが盛んですっかり勢いを取り戻したみたいだ。

ただ、それを読む私のアタマの方がだんだん老化してきて
理解できない、楽しめない作品が増えてるのは毎回感じる。

それでは例によって、収録された15編をグループ分けしてみよう。


○理解できたし、楽しめたもの

「プロジェクト・シャーロック」我孫子武丸
人工知能に事件の推理をさせようという
"名探偵のAI化" が進行するが・・・
犯罪もミステリもビッグテータになってしまうのか。

「山の同窓会」彩瀬まる
女性が卵を産む世界を舞台にしたホラー風味の作品。

「ホーリーアイアンメイデン」伴名練
ある "超能力" を持った姉に対して、妹から送られた
書簡の形で進行する、ちょっと怖い話。

「鉱区A-11」加藤元浩
人間が一人しかいない鉱山小惑星で、その人物が射殺される。
調査員の榊は、鉱区を管理するAIと会話するが。今どき珍しい、
アシモフのロボット三原則を真っ正面から掲げたSFミステリ。

「惑星Xの憂鬱」松崎有理
冥王星にちなんで "メイ" と名付けられた少年が
冥王星の独立を目指して国連に戦いを挑む話。
ちなみにメイくんの妹の名は "かろん"(笑)。
後半は永井豪の某マンガを思い出した。

「階段落ち人生」新井素子
やたら怪談から転げ落ちる "くせ" のあるヒロインの数奇な運命。
彼女の話は読みやすくて分かりやすいのがいいね。

「ディレイ・エフェクト」宮内悠介
2020年の東京と1944年の東京が重なり合ってしまった世界。
ラストはちょっとミステリタッチで、夫婦愛の話として着地するのがいい。


○理解はできたが、好みではないもの

「ルーシィ、月、星、太陽」上田早夕里
オーシャン・クロニクルシリーズの一編。
長編『華竜の宮』『深紅の碑文』を読んでないと意味が分からないかも。
それに、非人間が主役だと感情移入しにくいんだよねえ。

「Shadow.net」円城塔
いつもだと意味不明なんだけど、今回は
『攻殻機動隊』のトリビュート作品なので
とりあえず何が起こってるのかは分かった(笑)。

「東京タワーの潜水夫」横田順彌
「逃亡老人」眉村卓
このお二方は、日本SF界のレジェンドとして有名なのは分かります。
でも、この2作はわざわざこのアンソロジーに入れるほど
凄い作品とは思えないんだけどなぁ・・・。
もう長老と言っていい方々なので功労賞なのかな?
横田順彌さんは先日お亡くなりになったが
それを見越してたわけでじゃないよねぇ。

「髪禍」小田雅久仁
髪にまつわるホラーは数あれど、これはその極限かな。


○理解できなかったもの

「最後の不良」小川哲
文章は難しくないんだが、何が書いてあるんだか
人に説明するのは難しい(笑)。

「彗星狩り」酉島伝法
「漸然山脈」筒井康隆
「親水性について」山尾悠子
この3作はもうお手上げです。しかし筒井康隆はまだ元気なんだね。


○第9回創元SF短編賞受賞作

「天駆せよ法勝寺」八島游舷
地球から39光年彼方にある星へ向けて恒星間宇宙船が発進する・・・
しかしこの世界は物理学ならぬ "佛理学" がすべてを支配する世界。
物質ならぬ "佛質" をエネルギーとして法勝寺が飛翔する。
フランク・ハーバートがイスラム世界をモデルに
『砂の惑星』を書いたけど、それを遙かに上回る "佛教度"。
SF的な用語はすべて仏教用語に置き換えられ、
SF的な事象もすべて仏教的概念で説明される。
ここまで徹底するとたいしたもの。

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「OUT 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 特集号」&「ヤマト新聞4」 [アニメーション]


まずは「OUT」から。

OUT 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 特集号 (カドカワムック 775)

OUT 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 特集号 (カドカワムック 775)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: ムック
キャッチコピーは
『伝説のアニメ誌「月刊OUT」が
 「宇宙戦艦ヤマト2202」とともに1号限りの復刊!』
というわけなんだが、「月刊OUT」というのが
どういう雑誌か知らない人もいるだろう。

1977年3月に創刊されたサブカル雑誌だったんだけど、
創刊2号で『宇宙戦艦ヤマト』を特集したところ大当たり。
雑誌では珍しく増刷までしたらしく、これ以降アニメ雑誌となる。

要するに「アニメージュ」とかのアニメ専門雑誌の先駆けになったわけで
これもヤマトがアニメ業界にもたらした ”変革” の一つと言える。

ちなみにその「創刊2号」ってのがこれ(ネットで拾った画像です)。

OUT.jpg
私も店頭で見かけてもちろん買いましたよ。
隅から隅まで読み尽くしたものです。
実家の押し入れの中を探せば、どこかにまだあるはず。
母親に捨てられていなければ、だけど(笑)。

それ以降も、何回か買ってたなあ。

あと、やたら誤植が多かった記憶もある。

「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」が
「受の戦士たち」になってたり(これはウケたwww)。

「日本サンライズ」(アニメ制作会社「サンライズ」の前社名)が
「月本サンライズ」になってたり。

あげくにはロボットアニメ「無敵鋼人ダイターン3」の
主人公の名前「破嵐万丈」(はらん・ばんじょう)が
「破嵐万才」(ばんざい?)になってたり。
もうここまで来ると、わざとやってるとしか思えなかったが。

こんなふうに、冗談としか思えない編集ぶりが楽しい雑誌だった。


さて、もうひとつは「ヤマト新聞」。

宇宙戦艦ヤマト2202新聞 第4号 (サンケイスポーツ特別版)

宇宙戦艦ヤマト2202新聞 第4号 (サンケイスポーツ特別版)

  • 作者: サンケイスポーツ
  • 出版社/メーカー: サンケイスポーツ
  • 発売日: 2019/03/01
  • メディア: -
もう4号だったんだね。そしてこれで終刊だ(T_T)。

「第一章から第六章までのあらすじ」や
「旧作との対照表」とかは、まあ予想の範囲内の記事だが
「死亡フラグパラメーター」は悪ノリが過ぎるだろう。

「山寺宏一×小野大輔対談」「高垣彩陽インタビュー」もいいが
「羽原信義&福井晴敏インタビュー」は要注意。
”今だから話せること” がたくさん載ってるんだが
ついでに第七章のネタバレまであるので、未見の人は読まないこと(笑)。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星編」を観てきました [アニメーション]


※本編のネタバレはありません。

3月1日(金)。公用で抜けられませんでした。要するに働いていました。

3月2日(土)。私用で抜けられませんでした。まあホントに私事で。
午前中から昼にかけて、なんと新宿の某デパートにいました。
新宿ピカデリーの目と鼻の先にいながら・・・orz
その用事が済んだら、次の目的地である埼玉県西部の某市へ向かうべく
池袋から東武東上線に乗って・・・orz
それでこの日は終わりました。

そして3月3日の日曜日、午前9時。
私とかみさんは新宿ピカデリーのロビーにいました。
ヤマト待ちと推定される多くの方々とともに。

思い起こせばおよそ7年前。
あの日、営業前のMOVIX柏の葉の前に並んだ日からすべてが始まった。

2012年4月に始まったリメイクヤマトとの旅が
今、終わろうとしている。まさに LONG MARCH でした。

手に入れたチケットは9:20の回と14:15の回。
しかし最初は14:15の回は観る予定はありませんでした。
2202がどんな結末を迎えるのか・・・不安だったからです。

それくらい、1978年の夏の「さらば」は私にとって
精神的衝撃が大きかったと言えましょう。

もし、私の受け入れられない結末だったらどうしよう・・・
それが本日2回目の購入をためらわせたのです。

しかしかみさんに押し切られてしまいました(笑)。
「チケット買ったんでしょ?」
「9:20からの回をね」
「え? 一回だけ?」
「え・・・もう一回観るの?」
「当然でしょ!」
というわけで急遽、14:15からの回も購入させられました(おいおい)。

そんなことを思い起こしていたら開場のアナウンスが。
7年前は見事におっさんばかりだった行列。
今日は女性はもちろん若者の姿も。
熟年カップルもいれば、中学生くらいのお子さんを連れたお父さんも。

そしていよいよ上映開始。
ネタバレは書きませんが、予想の斜め上どころではない超展開でした。

何度か、涙が流れました。
40年前には、ついぞ流れなかった涙が。
そしてそれは、悲しみの涙ではありませんでした。

 いや、「悲しい」シーンはたくさんあったんですけどね、
 そういう意味での「悲しみ」ではないのです。


上映が終わったとき、ささやかですが拍手が起こりました。
横を見たら、かみさんも拍手してました。
私のほうを向いて「もう一回分、買っておいてよかったでしょ?」

そうでしたね。いつもあなたは私の背中を押してくれました。
苦しい時も辛い時も、二人で乗り切ってきました。
あなたがいなければ、今日の私はなかったでしょう。

人目がなければ、この場でかみさんを抱きしめていたかも知れません
・・・というのは半分冗談ですが(笑)、
そんな気持ちにさせる第七章、最終章でした。


映画館を出て、近くの伊勢丹の地下のカフェで昼食。
14:15までの時間を埋めるのは、そのために用意してきた
「ヤマト新聞」と「OUT」(笑)。
新聞は3/1に近所のコンビニで、
OUTはネット通販で事前にGETしてましたが
ネタバレしないために一切目を通していませんでした。
これで心置きなく隅から隅まで読めますね。
それぞれ表紙と裏表紙を掲げます。

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2202-7e.JPG2202-7f.JPG
そして、再び新宿ピカデリーへ。
二度目の鑑賞でも、涙が流れました。
それも、1回目とは異なるところで・・・

まだ全貌を理解したとは言えません。
もう何回か映画館で観るかBDを観るかしないと・・・
イベント上映中にもう1回くらい行けるかなぁ。

本日の戦果。

2202-7a.JPG

2202-7b.JPG

「さらば」で始まった物語が、「2202」の結末に至るまで40年。
40年間、待ってよかった。
40年間、生きてきてよかった。
そう思った日でした。

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