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Mystery Seller [読書・ミステリ]

Mystery Seller (新潮文庫)

Mystery Seller (新潮文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/01/28
  • メディア: 文庫



評価:★★★

約600ページ弱の中に8編と、
比較的長めの作品を集めたミステリ・アンソロジー。


「進々堂世界一周 戻り橋と彼岸花」(島田荘司)
京都大学に通っていた頃の御手洗潔が登場する。
とは言っても彼の経歴が皆目わからないのでwikiを見てみたら
どうやら70年代後半あたりの話らしい。
御手洗が語り手である "ぼく" に、大学で聞いたという
太平洋戦争末期の "秘話" を語り出す。
朝鮮半島から連れてこられた姉弟が、秘密裏に関わった風船爆弾の製造。
それにまつわる、ある不思議なエピソード。
冒頭の導入が長くてなかなか本筋に入らないし、
メインのお話もあんまりミステリって感じではない。
でも終わってみれば確かに島田荘司のミステリ以外の
何物でも無いんだけど。


「四分間では短すぎる」(有栖川有栖)
有栖川版「九マイルは遠すぎる」(ハリィ・ケメルマン)。
有栖が使った駅の公衆電話で、横のブースにいた男が話した言葉。
「四分間しかないので急いで。靴も忘れずに。いや、Aから先です」
有栖が小耳に挟んだこの一言だけを手がかりに、
名探偵・江神二郎率いるミステリ・サークルのメンバーが
様々な推理を披露していく。
やがて、ある種の犯罪を示唆する意外な解釈が浮かび上がるが・・・
ここまでの展開も充分面白いんだけど、ラストにまたもう一捻り。
やっぱり有栖川有栖はすごいねえ。


「夏に消えた少女」(我孫子武丸)
幼い少女を襲うシリアルキラーの話・・・なんだけど
ラストの切れ味は抜群。
本書の中では短めなんだけど、これで充分。


「柘榴」(米澤穂信)
容姿に恵まれた娘・さおり。長じて結婚し、二人の娘をもうける。
長女の月子も次女の夕子も美しく成長していくが・・・
「古典部」や「小市民」とは打って変わって
暗めのサスペンスなストーリー。
ミステリとしての出来はともかく、この手の話は苦手だなあ。


「恐い映像」(竹本健治)
テレビに映ったある "風景" に、とてつもない恐怖を感じた主人公。
撮影場所へ行ってみると、そこはかつて
自分が小学生の一時期を過ごした場所であり、
そしてまた、ある "事件" が起こっていた場所でもあった・・・
うーん、良くできた話だと思うけど、ちょっと作りすぎのような気も。


「確かなつながり」(北川歩実)
この人の処女作「僕を殺した女」も、かな~りややこしかったが
これも負けてない。
女子高生が失踪し、父親である井波が探偵に捜査を依頼する。
かつて井波の恋人だった女性を妻にした男性・原山が
井波に対して怨恨を抱いていると見られたが・・・
ラスト近くで物語が二転三転。とくに最後のものはスゴイ。
スゴイんだけど、それと好きになれるかどうかは別なんだよなあ。


「杜の囚人」(長江俊和)
この人は映像作品の演出家が本業らしい。
内容も映像作家さんらしく。カメラを通じて
ある兄妹の様子を録画・記録し続けていくのだが、
その裏に仕組まれた "からくり" が次第に明らかになっていく・・・
これもラスト近くで背負い投げを食ってしまうのだが
こちらが床に倒れたあと、さらにトドメの一撃が待っている。


「失くした御守」(麻耶雄嵩)
平穏な生活に退屈しながらも、夢が持てない高校生の目を通して
彼が住む霧深い田舎町で起こった事件が語られていく。
最初はてっきり "駆け落ち" かと思われた恋人たちの失踪は、
二人の死体が発見されて "心中" へ、
そして二人の死因から "殺人" へと様相を変えていく。
ラスト数ページで真相が明らかになったあとの
主人公(と犯人)の行動が・・・ええ?
いや、これでこそ麻耶雄嵩なのかも知れない。


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天体の回転について [読書・SF]

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

  • 作者: 小林 泰三
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 文庫



評価:★★★

小林泰三ってホラー作家のイメージが強いんだけど
SFも書けるんだなあ・・・って思ったら
「あとがき」で「自分は本質的にはSF作家だと思ってる」
そうで、実際この短編集は立派な(?)SF作品集になってる。
些かホラーっぽいのも含んでるけどね。

「天体の回転について」
はるかな未来、科学技術が忘れ去られた世界で成長した青年が、
謎の美少女(表紙のイラストの子)に導かれて遙か天空へと旅立つ。
30年くらい前の古き良きジュブナイルの雰囲気を醸す作品。
こういうの、嫌いじゃない。

「灰色の車輪」
小惑星上で開発されたロボットが引き起こす災厄を描く。
進歩したロボットの恐ろしさと切なさを併せて描いている。
これ、○○○○○○のオマージュだね。
作中に出てくる対ロボット用の武器の名前で気づくべきだった。

「あの日」
遠い未来、地球外を生活の場にするのが当たり前の状態になったら、
地球上で暮らしていた頃を舞台にした小説は
「歴史小説」や「時代劇」になっちゃうんだろうか。
歴史考証以前に、この作品みたいな "勘違い" が
横行するようになってしまうんですかねぇ・・・

「性交体験者」
扇情的なタイトルだけど中身はけっこう真面目なSF。
自分が男なだけに、この設定はかなりショッキング。
でもまあ、男が幅をきかせているうちは世に争いは尽きないのかも。
こういう世の中になった方が世界は平和になるか?

「銀の船」
惑星探査機が撮影した地表に写っていたのは "人面岩" 。
ちょっと懐かしいネタから入るこの作品は、
"人面岩" に魅せられたヒロインの成長&冒険譚・・・
なんだが、ラストで見事に背負い投げ。

「三〇〇万」
これ、タイトルとモチーフは映画「300」から取ったのかな?
遙かな宇宙を超えて "蛮族" が地球に攻めてくる話。
大昔のスペースオペラ全盛の時代には、
こんな宇宙人はありふれてたんだろうなあ。

「盗まれた昨日」
人類が短期記憶を保てなくなった時代のお話。
人々は記憶をメモリーチップに収めて、必要に応じて検索する。
人の "アイデンティティ" とは肉体にあるのかメモリーにあるのか・・・
そのチップを巡って "自分" と対決するヒロインの物語。
主人公のその後がとても気になる。

「時空争奪」
これ、既読だった。「NOVA」だったかなあ・・・
いつの間にか歴史が何者かによって "書き換えられて" いく世界。
うーん、再読したんだけど、やっぱり途中で
よく分からなくなってしまいました。
"時間" と "河川" のアナロジーが私には理解不能。スミマセン。


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「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」鑑賞記 Part.2 [アニメーション]

※本編のネタバレはありません。

本日、「星巡る方舟」2回目の鑑賞。

午前中にちょいと用事が入って車で遠出。
映画の時間まで間に合うのかちょっと心配だったけど
何とか無事に帰還を果たし、かみさんを乗せていざ出発。

場所は某ショッピングモールのシネコン。
柏の葉以外では初めてかな。ヤマト見るのは。
さすが日曜日で館内は人でいっぱい。

物販スペースは狭い。かつ小さい。
でもヤマトグッズは思ったよりあったりする。
柏の葉で買えなかったクリアファイルを購入。

やがて開場のアナウンスがかかると、入り口に長蛇の列が。
これが全部ヤマトのお客さんだったら
続編製作が即決定するんだろうけど、なかなか世の中甘くない。

小っちゃい子を連れたお父さんのグループ。
これは「仮面ライダー」ですね。
高校生くらいの若者(カップルまでいるぞ)たちの集団は
「アオハライド」でしょうかね。
そんな中で目立ってしまう熟年層が、我らが同志でしょう。

しっかり SECRET FILE 02 もGET。

ヤマトのハコに吸い込まれていく人々の年齢層はやはり高め。
でも、我々のすぐ前を歩いているのは
若い女性(たぶん20代)のお一人様。
おそらく声優目当て(小野Dか諏訪部か)と思われる。

私たちの座った席の後ろには、年配の男性と小学生くらいの男の子が。
聞こえてくる会話から察すると祖父と孫。
そうだよねえ。そういう事もあるよねえ。
わたしと同世代だって孫がいる人はいるし、
結婚が早けりゃ、もう映画だって一緒に行けるくらいに
大きくなっててもおかしくないだろうし。

こうやって世代を超えて受け継がれていくのだろうか・・・

そんな感傷に浸っているうちに上映開始。


ああ、やっぱりヤマトはいいねえ。

最初の時には中盤のくだりが些か冗長かと思ったんだけど
二回目は全くそう感じなかったよ。
というか、終盤の展開につなげるには
やっぱりこれくらいの長さが必要だと改めて思った。

音楽の素晴らしさもよく分かった。
男声コーラスや女声コーラスの入ったBGMは
「ヤマトよ永遠に」を思い起こさせるよねぇ・・・

最終決戦は、もう燃える燃える。
そして、ああ、バーガー・・・お前は漢だねえ・・・

ラストのBGMは・・・ああ、こういうときにこそ
この曲は使われるべきだったよねぇ・・・


というわけで二回目の鑑賞が終了。


「うん、今回はよ~くわかった」
「何が?」
「最後の戦いの時、ヤマトが○○したのは、
 ○○○○を○○するためだったのね」
「えっ、一回目だと分からなかったの?」
「うん。なんでだろ~って思った」

既に観ている人は○○に入る言葉が何なのか見当がつくと思うが、
もし未見の人がいたら、ぜひ劇場へ足を運んでもらって
かみさんの台詞の○○に入る言葉を当てましょう。
景品は出ませんが。

営業しちゃったねえ。
何せスタッフロールの最後の方で
「協力 全国ヤマト応援団」
なんて出るもんだから。
私も応援団の端くれのつもりだし。


■我が家の「ヤマト2199」余話・番外編

家に帰ったら、腹が空いていた。
考えたら昼飯をろくに食べていなかったよ。

「昨日買ったパンがいくつか残ってるんで、それでよかったら」
「じゃ、これもらおう」
「あ、それはダメ」
「どうして?」
「そのパンは外側の皮がすんごく固いの。
 あなた歯が悪いんだから囓っちゃダメ。
 食べるなら中身だけにして」
「それはできない」
「? どうして?」
「私は一度食べ始めたら全部食べないと気が済まないからだ」
「・・・七色星団でのドメルが言った『それはできない』は
 すごーく重々しかったけど、あなたが言っても軽いだけよね~」
「・・・(ガクッ)」


■本日の戦果

「ガトランティスの戦艦ってカッコいい~」とはかみさんの弁。

20141214.jpg

年内にもう1回、できたら2回は行きたいなぁ・・・無理かなぁ・・・


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見えない殺人カード 本格短編ベストセレクション [読書・ミステリ]

見えない殺人カード 本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)

見えない殺人カード 本格短編ベスト・セレクション (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/01/17
  • メディア: 文庫



評価:★★★

発行年月日を見たら、何と3年近く "積ん読" の山に埋もれていた。
そういえばページの端が心持ち変色しているような・・・

おかげで、収録されている10編のうち、
3編はその作者の短編集で読んでしまっていたよ。

3割くらい損をしたような気分・・・


「はだしの親父」(黒田研二)
主人公は、ある事情により実家と音信不通だった次男坊。
父親の死を知り、葬儀のため6年ぶりに家に還ってきた。
その夜、兄と弟の3人で、幼少時の思い出を語り合ううちに、
父の死に隠された秘密に気づいていく・・・
いやあ、親というのはありがたいものだ。
ラストで明らかにされる父親の真意は感涙もの。
本書中、一番気に入った作品。

「ギリシャ羊の秘密」(法月綸太郎)
短編集で既読。
ホームレスの老人が殺された事件で
フリースが持ち去られていた理由が最後に明かされるんだけど
私にはあまりピンとこなかった。
だって○○○って言ったら、某有名○○○の○○○○の方を
連想する方が普通だと思うんだもの。
私は異端者なんだろうか・・・

「殺人現場では靴をお脱ぎ下さい」(東川篤哉)
これも短編集「謎解きはディナーの後で」で既読。
部屋の真ん中で靴を履いたまま殺されていた女性の謎に
超セレブお嬢様刑事と腹黒執事が挑む(笑)。
短編集の記事にも書いたけど、
本作よりも、同書に収録の「二股にはお気をつけ下さい」の方が
ミステリとしては良くできてるような気が私はするんだが・・・
あ、このアンソロジーを組んでる時機には
まだ発表されてなかったのかも・・・

「ウォール・ウィスパー」(柄刀一)
天才・天地龍之介を探偵役とする一編。
龍之介のライフワークである "学習プレイランド" の建設中に起こった
ある出来事から、40年前の犯罪が明らかにされる。
不可思議な現象が科学的にきっちり解明されるのは、この作者らしい。
でもまあ、これを言っちゃおしまいなんだけど
関係者の皆さんの記憶力の素晴らしさに脱帽。
私自身、ここ数年の物忘れのひどさに呆れかえってるだけに・・・

「霧の巨塔」(霞流一)
私立探偵・紅門福助が登場するシリーズの一編。
山奥の村まで映画ロケに来た一行。
主演俳優が近くの温泉までバイクで出かけたところ事故を起こし、
その現場で巨大な塔を目撃するが、村にそんな塔は存在しなかった。
そして、ロケメンバーの一人が殺される・・・
ラストの犯人指摘に至るロジックは良くできてると思ったけど
"塔" の正体はねぇ・・・いくらなんでもそれは無いんじゃない?

「奇偶論」(北森鴻)
民俗学者・蓮丈那智とその助手・内藤三国が登場する一編。
一般向けの民俗学市民講座を受け持つことになった三国くんだが
講座のメンバーを連れて町中を歩くうちに騒ぎが持ちあがる。
メンバー間の諍いに見えたその裏に潜む意外な真実を、
解き明かしてみせる蓮丈那智もいいけど、
三国くんのヘタレぶりも相変わらずで、とても他人に思えない。
この作者の新作が読めないとは残念でならない。
遺作となった、蓮丈那智シリーズのラスト長編「邪馬台」も
手元にあるんで近いうちに読もうと思っている。

「身内に不幸がありまして」(米澤穂信)
資産家の丹山(たんざん)家に拾われた少女・夕日(ゆうひ)の目を通して、
深窓の令嬢・吹子(ふきこ)との幸福な日々が綴られていくが、
吹子の兄で道楽息子の宗太が凶行に走り、
やがて丹山家に連なる親類も殺されていく・・・
フィニッシング・ストロークって言葉、初めて聞いたかな。
俗に言う「最後の一行」のことをこう言うらしいが。
昔聞いたけど忘れてしまってたのかも知れない。
私ってホントにミステリファンだったんだろうか?
やっぱここ数年の物忘れのひどさ(ry
狙い通り、ラストの切れ味は本書中でダントツ。
「よりによって、そこかよ!」ってツッコミもありそうだけど。

「四枚のカード」(乾くるみ)
この作者、デビュー作「Jの神話」を読んで
ぶっ飛んでしまったよ、悪い意味で。
(実際、ホントに本を投げ出しそうになったし。)
それ以来、スルーしてきた。
でも今回読んでみて、処女作のゲテモノぶりとは打って変わって
堂々と展開される論理のアクロバットにびっくり。
あんまり驚きすぎて途中でついて行けなくなってしまった。
やっぱ私はアタマが悪いです。スミマセン。

「見えないダイイング・メッセージ」(北山猛邦)
これも短編集で既読。引きこもり探偵・音野順シリーズの一編。
殺された被害者が最後に撮ったポラロイド写真に秘められた謎。
写真の秘密も意外なんだけど、もっと意外なのは
これを解き明かすのが順ではなく、兄貴の要(かなめ)ということ。
兄は弟と違って世界的な指揮者として活躍している。
"名探偵の兄は、弟よりも頭がいい" ってのは
ミステリ界ではデフォルトなんでしょうか。

本書のラストには、
評論「自生する知と自壊する謎-森博嗣論」(渡邉大輔)
が載ってるんだけど、森博嗣はここ数年興味が失せてしまった。
Vシリーズと四季シリーズあたりまではともかく、
GシリーズもXシリーズもなんだかよく分からなくて
面白いと思えなくなってきたんだよねえ。
というわけで読まずにパス。スミマセン。


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トラップ・ハウス [読書・ミステリ]

トラップ・ハウス (光文社文庫)

トラップ・ハウス (光文社文庫)

  • 作者: 石持 浅海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/11/12
  • メディア: 文庫



評価:★★★

大学卒業を前にして、同期生の男女9人が記念旅行を計画する。
場所は長瀞のキャンプ場。

しかし到着したものの、先に現地入りして準備を進めていたはずの
リーダー格の学生の姿が見えない。
訝しみながらも、8人の学生たちは宿舎となる
トレーラーハウスに向かう。

中に入った一行を待っていたのは、目覚まし時計のベルの音。。
時計を止めると、その下にメモ用紙が。
そこに書かれていた文面は
「君たちは、ここから出られないよ。一生ね」

気がつけば、すべての扉と窓のカギは壊されており、
内側から開けることは不可能。
透明部分はすべて特殊プラスチック製で素手では傷もつかない。
彼らは、完全に車内に閉じ込められていることを知る。

そして車内の至る所に仕掛けられた、人体を傷つけるための "罠"。
とてつもない悪意に捕らえられた中で、
ついに学生の一人が命を落とす。

この "トラップ・ハウス" を仕組んだのは誰か?
そして、何のために、そしてなぜ?

残された7人は脱出の道を探りながらも、
"敵" の正体を暴くべく推理を重ねるが・・・


作者は毎回凝った舞台装置と意表を突いた設定を用意して
"特殊状況下の事件" を演出してくる。

今回は宿泊機能を備えた大型トレーラーの中で事件が起こり、
全編のほぼ95%くらいがこの中で進行するという "密室劇" である。

舞台が変化しないので、展開が単調になりそうな気もしたのだが
次から次へとイベントが起こり、読んでいて飽きない。

さらに、登場人物たちの討論もなかなか論理的で読ませる。
手がかりもしっかり用意してあり、
ラストでは推理に基づいて "真犯人" が指摘されるという
"本格ミステリ" にもなってる。

石持浅海ってホントよくこんな設定考えつくよなあ。
まあ、それでこそプロなんだろうけど。


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「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」鑑賞記 [アニメーション]

※本編のネタバレはありません。


ついに来ました2014年12月6日。

朝6時に目覚ましをかけてたんだが、なんと5時前に目が覚めてしまった。
遠足前の子供もみたいだねえ・・・。

さて、「情報統制状態移行」の記事で「解除と同時に劇場へ突入」
なんて書いたんだけど、いろいろ状況が変わって
第1回目の上映には行けませんでした。

まず私に朝イチで用事が入ってしまったし(これは短時間で終わるのだが)
かみさんのほうにも別件で用事が入ってしまった。
これもまあ11時前には終わりそうなものだったので
午後の回に行こう、と相成った。

何せ今回はBDの販売はありませんからねえ。
がんばって朝イチから並ぶ必要は無いわけで。
あ、でも物販は、ものによっては売り切れちゃうかなぁ・・・
って心配も無くはなかったんだけどね。

場所はどこにしようかちょっと悩んだ。

今までの2199の上映はみんな柏の葉で見てきた。
柏の葉よりも近い上映館はいくつかあったんだけど
最後(かも知れない)の映画もやっぱり柏の葉で見るのが
首尾一貫していていいかなと思った。
かみさんにも異論は無かったので決まり。

というわけで、自家用車で出発。
BGMは恒例のヤマト2199のBGMやらテーマソングから
自分で選んでCDにしたもの。
(もったいないのでCD-RWに焼いてる。)

「ヤマト渦中へ」とか「ワンダバコスモタイガー」とか
「元祖ヤマトのテーマ」とか、ひととおり聞いてきて、
さらに「愛の星」「BLUE」と続く。

「いやあ、奈々様はいいねえ」
「ホント上手よねえ・・・」
このあたりは意見の一致を見る。

そして、今回の「星巡る方舟」の音楽へ。

「何これ?」
「葉加瀬太郎のバイオリン演奏版。
 今回のオープニングテーマらしいよ」
「えー、あたしはやっぱり大先生の歌がいいなあ」

「大先生」とはもちろん、ささきいさお大先生のことである。
私も、この時点ではちょっと違和感を感じていた。

「エンディングは平原綾香だって。」
「あたし平原綾香ってあんまり好きじゃないのよねぇ~」
「まあ好みはそれぞれだからねぇ・・・」

iTuneで購入して、初めてフルコーラスを聴いたとき
サビのところでちょっとウルっと来た、なーんて言えない雰囲気である。
私はけっこう気に入ったんだけどね・・・

そうこうしているうちに映画館へ到着。
まずは物販コーナーへ。
いくつか売り切れているものがありそう?
公式サイトにはメガネケースがあったはずだが、見当たらない。

「そもそもここには置いてないのかも」
「いやぁ、きっと売れちゃったのよ。
 ヤマトのファンはみんな眼鏡が必要でしょ」
たしかに、旧作からのファンだったら
老眼率は限りなく100%に近そうだ・・・

ここで買ったものは最後に紹介する。

食事をしてなかったので、館内で軽く昼食を済ませ、
コーヒーを飲んで待つことしばし。
周りを見渡すと、いつもの客層(おじさん)に加えて
なんだか今回は熟年のカップルが多い気がする。
(私らもそうなんだけど)
と思ったら開場のアナウンスが。

いよいよ入場。わくわく。
予告編に続いてついに本編の開始。


そうかあ、ここから始まるのかあ。
葉加瀬太郎のOPはこういう風になったんだね。
これはこれで悪くない。
ああ、どうして涙が出てくるんだろう・・・
おお、火焔直撃砲すげえじゃあん。

(中略)

ああ、古代が主人公してる!

(中略)

ああ、バーガーもいいじゃんよ!

(中略)

平原綾香のEDも大画面大音量で聞くと
すんごくいい!


というわけで終了。

終わって出口に行くと、小学生を連れたお父さんなどの
家族連れもけっこういる。大学生くらいの人もいて、
第1章公開の頃よりはかなり客層が若返った感じ。

映画館を出たら、かみさんが
「ねえ、売店であなたの後ろにいた人、気がついた?」
「え? 何?」
「あの人、今まで何回か見たわよ。常連さんじゃない?」
「うーん、でもそれは我々も一緒だよなぁ・・・」

思えば2年9ヶ月の間、何回かご一緒になった人も
決して少ない数ではないんだろうなあ・・・

またいつか、一緒にヤマトの映画を観る日が来るのでしょうか・・・
(それはこの映画の興行収入にかかってる?)


帰りの車中でもいろいろ話したんだけど、
ネタバレに引っかかりそうなので書けないことばかり。

でも、これくらいはいいかなあ。

「オープニング、思ったより良かったわぁ」
「葉加瀬太郎が良かった?」
「ううん、ドメルとフラーケンが出てたから」
「・・・」

「古代が主役を張っててよかったね」
「あたしにとっての主役は真田さんだから関係ないの」
「えぇ~?」

「最後まで無事に見られて良かったわぁ」
「今回は寝なかったからね(*)」
「失礼ね! 今朝ちょっとお腹の具合が
 よくなかったのでそれが心配だったの!」

*かみさんは、第6章/第20話(七色星団会戦)で寝てしまうという
 暴挙をしでかした過去がある。


家に帰ってから、YouTubeで「冒頭9分」を見てみたら、
葉加瀬太郎のOPがまるまる入っていた。
かみさんに教えたら喜んで見てたよ。


今日の戦果。


まず入場特典の SECRET FILE とプラモのカタログ。

20141207a.jpg
エンブレムとカレンダー。
大きい方のカレンダーは、かさばるのと飾る場所がないので割愛・・・

20141207b.jpg

パンフレットもしっかり買いました。
小野大輔さんと出渕総監督のインタビューはよかったけど
ちょっと広告が多いかなぁ。

20141207c.jpg

「星巡る方舟」面白かったです!
近いうちにまた見に行こう、ってかみさんと話してる。

詳しいことはまた日を改めて「感想・・・のようなもの」に書きます。
できればもう1~2回くらい見てからね。
アップは2週間後の20日あたりを目標にしてます。


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「ヤマト2199 星巡る方舟」 情報統制状態を解除 [アニメーション]

「星巡る方舟」見てきましたぁ!!!

まあ、またいろいろ言う人はいるとは思うけど
私は充分楽しんできましたよ!!

・・・というわけで、めでたく本ブログは
「ヤマト2199 星巡る方舟」関係の情報統制状態を
現時点をもって解除しました。

統制中はネットを見ることができないのでツラいかなあ~
なんて思ってたのですが、幸か不幸か(まあ幸なんでしょうけど)
今週は月曜から仕事が立て込んでいて、毎日家に帰るともうぐったり。
せいぜいメールのチェックをするくらいで
ネットサーフィンをする気力は残っていませんでした。
今週は通常の3倍くらい働いたぞ~。

仕事中、頭の中ではずっとヤマトの主題歌の2番が鳴り響いていました。
「誰か~がこれを~ やらね~ばならぬ~」
いやもうこれだけが心の支えです。ささきいさお様々でしたね。

さて。

今朝、新聞を広げてみたらビックリ!
なんと読売新聞の一面をぶち抜いて(文字通りですね)
「星巡る方舟」の公告が!

かみさんが早速、冷蔵庫の扉に貼り付けたので写真に撮りました。

20141206.jpg

前回の記事には「解除と同時に劇場へ突入」なんて書いたんですが
諸般の事情があって第1回目の上映には行けませんでした。
実はつい先ほど映画館から帰還したところだったりします。

何はともあれ無事に上映できたことを素直に喜びたいと思います。

 イベント上映では恒例だった、
 2分間のlong versionのPVも出てこないので
 ホントに完成するのか心配してました・・・
 第七章の時みたいに、公式サイトに「未完成のお詫び」が
 載るんじゃないかってヒヤヒヤしてましたから・・・

今日のことは後ほど「鑑賞記」にまとめて書きたいと思います。


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「ヤマト2199 星巡る方舟」 情報統制状態に移行 [アニメーション]

艦長より達する。

本ブログはこれより
「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」公開に向けての
情報統制状態に移行する。

移行中はコメントを読むこともできず、
掲示板を覗くことすら不可能だ。
ただ公式サイトのみが我々を導く灯火となるだろう。
しかし臆することはない!

諸君!

あの記念すべきTVシリーズ第1話の放送は、遥か40年前の彼方にある。
だが、そんなものはただの数字に過ぎない。
ヤマトの活躍に胸を熱くしたあの日々は我々のすぐ後ろにある。
後ろにあって我々の行く道を照らしている。
そしてこれからも照らし続けていってくれることだろう。

我々は間もなく、最終目的地である12月6日に到達する。
しかし、そこへ至る宙域は
"オンライン試写" という巨大要塞が行く手を阻み、
"ネタバレ" という宇宙機雷が浮遊する、
危険な "敵地" でもある。

だが、我々は映画館への道を選ぶ。
それは、そこに希望があるからだ。
そして、ヤマトが再び映画館の大スクリーンへその勇姿を現すのを
我々と志を同じくする人々が、ただひたすらに待っているからだ。

本ブログはこれより情報統制に入る。
公開日へ向けた最後の情報統制だ。

統制解除時刻は12月6日早朝、○六○○の予定である。
解除と同時に、第1種戦闘配置のまま最大戦速をもって劇場へ突入する!

総員、衝撃に備えよ!!


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