天冥の標VII 新世界ハーブC [読書・SF]
21世紀初頭に起こった、致死率95%に達する伝染病 ”冥王斑” の
パンデミックから生まれたのが《救世群》。
”冥王斑” から奇跡的に回復し、保菌者となった者たちが作り上げた
生活共同体で、”非感染者” から隔離された彼らは
やがて ”独立国” 的な扱いを受けるようになっていく。
パンデミックから生まれたのが《救世群》。
”冥王斑” から奇跡的に回復し、保菌者となった者たちが作り上げた
生活共同体で、”非感染者” から隔離された彼らは
やがて ”独立国” 的な扱いを受けるようになっていく。
彼らの活動を封じ込めたい ”非感染者” たちとの緊張関係は
世紀を超えて続き、パンデミックから500年後の世界を描いた
前巻・第6部「宿怨」でピークに達する。
世紀を超えて続き、パンデミックから500年後の世界を描いた
前巻・第6部「宿怨」でピークに達する。
《救世群》が手に入れた異星人のオーバーテクノロジーは
両者の均衡を崩し、ついには戦争状態へ突入する。
両者の均衡を崩し、ついには戦争状態へ突入する。
そのなかで、強硬派の《救世群》議長の娘ミヒルと
副議長ロサリオは、人類史上最凶最悪の作戦を発動する。
すなわち、致死率95%の冥王斑の原種ウイルスを
太陽系全域の人類居住地へバラ撒いたのだ。
副議長ロサリオは、人類史上最凶最悪の作戦を発動する。
すなわち、致死率95%の冥王斑の原種ウイルスを
太陽系全域の人類居住地へバラ撒いたのだ。
その結果、人類文明は崩壊し、生き残ったわずかな者たちも
食料/物資を求めて暴徒化してしまう。
食料/物資を求めて暴徒化してしまう。
性的奉仕ロボットである《恋人たち》とともに
辛くも《救世群》から脱出したアイネイアは、
太陽系を離れて他星系へ向かおうとする途中の
恒星間宇宙船ジニ号に接触、恋人のミゲラと再会する。
しかしその直後、太陽系全域を襲った大混乱に巻き込まれて
恒星船ジニ号は小惑星セレスに墜落してしまう。
辛くも《救世群》から脱出したアイネイアは、
太陽系を離れて他星系へ向かおうとする途中の
恒星間宇宙船ジニ号に接触、恋人のミゲラと再会する。
しかしその直後、太陽系全域を襲った大混乱に巻き込まれて
恒星船ジニ号は小惑星セレスに墜落してしまう。
ここまでが第6部で語られたこと。
第7部である本書は、この直後から始まる。
第7部である本書は、この直後から始まる。
ジニ号の墜落から辛うじて生き残ったアイネイアとミゲラは、
セレス・シティの地下に建設された<ブラックチェンバー>と呼ばれる
巨大シェルターに、感染から逃れた人々が収容されていることを知る。
セレス・シティの地下に建設された<ブラックチェンバー>と呼ばれる
巨大シェルターに、感染から逃れた人々が収容されていることを知る。
しかし、<ブラックチェンバー>にたどり着いた二人は愕然とする。
収容されていた生存者は総計で52244名。
内訳は男性24905名、女性27339名。
しかしその中に成人は1029名しかいなかったのだ。
収容されていた生存者は総計で52244名。
内訳は男性24905名、女性27339名。
しかしその中に成人は1029名しかいなかったのだ。
そのわずかな大人たちも、暴徒からシェルターを守る戦いのさなかで
ほとんどが命を落としてしまう。
ほとんどが命を落としてしまう。
やがて太陽系内の通信が途絶えたことから、
<ブラックチェンバー>内の5万人が
人類(非感染者)の生き残りのすべてと思われた。
<ブラックチェンバー>内の5万人が
人類(非感染者)の生き残りのすべてと思われた。
シェルターに残された子どもたちのうち、最高齢は17歳。
否応なく子どもたちのリーダーとなってしまったアイネイアたちは、
生き延びるための長い苦難の道を歩み始めることになる・・・
否応なく子どもたちのリーダーとなってしまったアイネイアたちは、
生き延びるための長い苦難の道を歩み始めることになる・・・
もちろん彼らの行く手は前途多難だ。限りがある食糧、
エネルギー供給も先細り、それらを巡る内紛も起こる。
そして、いまだに ”非感染者” の掃討を続ける《救世群》からも
身を隠さなければならない。
さらに、彼らが暮らす小惑星セレス自体にも、
謎の異変が起こり始める・・・
「エピローグ」まで読むと、パズルのピースがいろいろハマる。
そうかあ。
こうやって第1巻「メニー・メニー・シープ」につながるんだねぇ。
もう一度第1巻を読み返したら、いろいろ腑に落ちるんだろうなあ。
こうやって第1巻「メニー・メニー・シープ」につながるんだねぇ。
もう一度第1巻を読み返したら、いろいろ腑に落ちるんだろうなあ。
もっとも、残された謎もまだまだ多いのだけど、
それは次巻以降で明かされていくのだろう。
それは次巻以降で明かされていくのだろう。
次巻の第8部「ジャイアント・アーク」は、
裏表紙の惹句を読む限りでは第1巻の直後から始まるみたい。
やっとカドムとイサリの話の続きが読めるんだねえ。
ここまで来るのが長かったよ・・・
裏表紙の惹句を読む限りでは第1巻の直後から始まるみたい。
やっとカドムとイサリの話の続きが読めるんだねえ。
ここまで来るのが長かったよ・・・