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「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-」感想・・・のようなもの その4 [アニメーション]

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

■「デザリアム」とは?

「ヤマト2205 新たなる旅立ち」で登場する敵勢力「デザリアム」。
ネットではその正体についてあれこれ憶測が飛んでるみたいだけど、
ささやかながら私もそれに加わってみたい。

■旧作「新たなる旅立ち」における ”敵” は

旧作では「暗黒星団帝国」って自称されてた皆さん(笑)。
「新たなる旅立ち」と「ヤマトよ永遠に」の2作を通じて登場する。

首から下は機械のサイボーグという、ほとんどロボットのような体で、
「永遠に」でヤマトの前に姿を現した彼らの母星は、地球そっくり。
それもそのはず、「彼ら」は200年未来の地球だったのだ・・・

しかし「未来人」というのはヤマトを欺く欺瞞であり、
実は地球とは縁もゆかりのない異星人だった・・・
というのが「永遠に」の結末だったが。

■デザリアムは「未来の地球」なのか?

今回の「2205」では、今度こそ(笑) ”未来の地球” ではないか、
という説がネットを飛び交ってるみたいだ。
それは当然で、状況証拠はたくさんあるから。

デーダーがしばしば口にする「タイムライン」、「記録」、
そして「歴史」という言葉。
あたかも彼らがこの世界の辿る道を予め知っているかのような口ぶり。

グレート・プレアデス艦内に流れる地球のクラシック曲。
アナログレコードのことを知っているかのようなメルダーズの台詞。

 まあ、ちょっとあからさますぎるのが気にかかるけどね。

さらに言えば、「2202」終盤の展開の中にも。

時間断層から産み出される夥しい艦艇、AIによる戦闘指揮、
そして「銀河」のクルーが口にした、人体の機械化や人造兵士は
旧作の「暗黒」を彷彿させる。

「2205」は「2202」の途中から企画が始まっていたというから、
「2202」の終盤に次作の伏線を張っておくのは十分に可能だったろう。

 あれもこれも、観客をミスリードするための描写なのかも知れない。
 さんざん伏線を張っておいて、やっぱり旧作同様、
 「地球とは無関係でした」ってちゃぶ台を返す、って可能性もある。

とはいっても、今のところ「地球の未来」って可能性を
否定する根拠はないようだし、私もそちらのほうに一票を投じよう。

というわけで、以後はデザリアムが「未来の地球」と仮定してみて、
いろいろ考えたことを書いていってみる。

■疑問点

[1]どうやって過去へ来たのか?

これは二つの場合に分けられる。
 a:自らの意思で来た
 b:外的要因によって過去に飛ばされた

aならば、さらに次の疑問。
[1-a]過去へ来た理由は何か?

bならば、さらに次の可能性。
[b-1]人工的な要因(敵対勢力など)によって飛ばされた
[b-2]自然現象(時空の歪みに落ち込むなど)によって飛ばされた

[2]イスカンダルに固執するのはなぜか?

本編後に上映された「2205後章」の予告編では、
データーがこう言ってる。
「忌むべき星イスカンダル。その呪われし力は
 我らデザリアムによって管理されねばならぬ」

なんだかデザリアムは昔、イスカンダルに
ひどい目に遭わされたことがあるような口ぶり。

単にイスカンダルの持つ超科学全般とかが目的ではなく
何か特定の ”もの” を自分の管理下に置きたいようにもとれる。

[3]「デザリアム1000年の夢」とは何か?

そして個人的に一番気になるのが

[4]「2205世界」につながる未来なのか、そうでないのか。

まず、[4]について考えてみよう。
ここからいろいろ考察(妄想?)を広げていくと
[1]から[3]の答えも見つかるかも知れない。

■並行世界の未来

ネットの説には「時間断層を放棄しなかった地球の未来」
というものがある。
時間断層を潰すことが否決された並行世界から来た、というものだ。

 「2202」最終話で古代たちが見た ”世界樹” は
 あらゆる並行世界の可能性を示すもの。
 様々な可能性と時間軸をもった世界は無数に存在する。
 「なんでもありうる」ってテレサも言ってたし。

 「2202」25話でテレサが我々の三次元世界に出現したが、
 あれは無限の並行世界の中で、ヤマトを中心とした人の ”縁” が、
 最終局面でテレサの介入を可能とする状況をつくり出したから。
 彼女は ”世界樹” の中にその可能性を拓く世界を見出したからこそ、
 テレサはヤマトのクルーに呼びかけてきたのだろう。
 彼女はヤマトを選んだのではなく、世界を選んだのだ。

 ということは、テレサが出現することなく人型知的生命体が
 根絶されてしまった並行世界もまた存在したということだね。

■デザリアムの正体は

私も「デザリアムは並行世界から来た」という説を採りたい。

時間断層放棄を巡る国民投票の結果によって、「2202宇宙」は
可決された世界(これをY世界とする)と
否決された世界(これをD世界とする)に分岐した、と考えてる。

 古代たちが帰ってきて、時間断層を放棄した地球が
 再び軍拡の道を歩み出した、っての考えたくないなぁ。
 それは「2202」におけるヤマトの旅が
 結果的に何も実を結ばなかった、ってことだから。

並行世界説を採れば、Y世界の地球人が滅亡しても
D世界の地球には影響はないので、デザリアムの方々は
心置きなく(?)地球を攻撃できることになる。

■D世界と「1000年の夢」

古代たちが地球に帰ってこなかったD世界では
よりいっそうの軍拡が進み、ガトランティスへの恐怖から
それを超える武力を目指すようになる。

 「2202」で銀河の藤堂艦長が言ったように
 「恐怖を克服するには自らが恐怖なるしかない」

「2202」20話において、”ゼムリアの語り部” から
ガトランティスが滅びの方舟を目覚めさせたのは1000年前と判明する。
彼らはそこから1000年かけて強大な戦闘国家を創り上げ、
圧倒的な武力で地球圏へ侵攻してきた。

「1000年の夢」とは、ガトランティスの侵攻に脅えた地球が目指す姿。
すなわちガトランティスを越える武力を得ることではないのか?

■D世界の辿った歴史

ガミラスは星の寿命を迎え、居住できない星となる。
この世界ではデザリアムの侵攻はないので
爆発・消滅することはないだろうが
デスラーによる移民が進行すればガミラスは無人の星となる。

一方、地球はますます武力を増強、ガミラスとの力関係は逆転する。
そのうち、ボラー連邦に対抗できる武力も手にするだろう。
その力を持った地球は天の川銀河の征服に乗り出すかも知れない。

■イスカンダル(D世界の)の裁き?

並行するD世界からY世界へ、世界の壁・時間の壁さえも越えて
デザリアムを本星ごと ”追放” したのはイスカンダルではないのか?

かつて救いの手を伸ばした地球が、
武力による覇権国家へと変貌してしまったら・・・

「コスモリバースを与えたのは、こんな地球にするためではない!」
と ”お仕置き” をする。

とはいっても、いくら邪悪でも滅ぼすことはないだろうから
この宇宙に害を及ぼさないように、他の宇宙へ追い出したのではないか。

追放した先がたまたまY世界だった、てのはちょっと都合がよすぎるが
イスカンダルの方々が間違えたのかも知れないし
D世界と一番 ”近い位置” にあったのがY世界だったのかも知れない。
「悪い奴を送ったから後はよろしく」とばかりに
狙って放り込んだ、ってことはないと思いたいが・・・

デザリアムの ”追放” が何年後の未来なのかは分からない。
そのときのイスカンダル女王は次代、次々代のスターシャかも知れない。
まさか今上猊下だったりして・・・
でもイスカンダル人の寿命って不明だよね。
数百年単位で生きるのかも。

■デザリアムの目的

Y世界へとやってきたデザリアムの目的は、
まずはイスカンダルの持つ超科学力を我が物とすること。
もとのD世界へ帰るためか、それとも目標を変更して
このY世界で覇者となるためかは分からないが。

■デザリアムの本星=地球

この説を採ると、いろいろ都合がいい。

例えば、旧作「ヤマトよ永遠に」のように
デザリアムの母星に地球の遺跡があっても当たり前だし、
ヤマト一隻のために惑星一つでっち上げるという勤勉さ(笑)も必要ない。

その本星の内部に巨大要塞があっても、彼らの科学力で築いたのだろう。
もともと地球には地下都市が縦横無尽に建設されてたのだから
それを拡張・発展させていけばいい。

デザリアム・ハンマーを見れば、彼らには
マントルなどの惑星内部構造をいじれる技術がありそうだし。
おお、なんだか辻褄が合ってきたぞ(おいおい)。

■まとめ

最初に掲げた疑問への答えをまとめると、

[1]どうやって過去へ来たのか?
→外的要因(イスカンダル)によって過去に飛ばされた。

[2]イスカンダルに固執するのはなぜか?
→イスカンダルの超過学力を手に入れるため。
 そして (1)元の世界(D世界)に帰る or (2)Y世界で覇権を得る ため。

[3]「デザリアム1000年の夢」とは何か?
→1000年かけて超軍事国家へとなったガトランティスを目標に
 それを超える戦闘国家を目指すこと。

■古代の戦いは

デザリアムが、自分たちが帰ってこなかった世界(D世界)の
行く末だと知れば、古代はどう感じるだろう。

 地球が時間断層を放棄したのは、歴史的にも正しかったと知って
 自分たちの生還のために感じている責任は、
 少しは軽減されるのだろうか?
 まあ、そんな単純な思考にはならないとは思うが。

古代たちにとっては、なお一層のことデザリアムの存在は認められないし、
彼らとの戦いは負けられないものとなるだろう。

■ヤマト=滅びの方舟

旧作においては、地球に悪さを仕掛けた ”悪い異星人”(笑) は、
みなろくな末路を辿ってない。
ほとんどの星は滅亡してる(ガミラスも一度は滅亡してるし)。
指導者の死亡だけで済んでるのはボラーくらいか。

「2205」以降の物語でも、次々と現れる ”悪い異星人” が
”粛正” されていくのなら、ヤマトは結果として
”滅びの方舟” の役割を引き継いでしまったのではないか?
「悪しき進化を遂げた人型生命体を刈り取る」という役割を。

テレサには「2205」以後の未来の世界もまた見えていたはず。

「テレサに呼ばれた者は、あるべき未来のために、為すべきを為す」
テレサの導きは、いまだヤマトを捉えたままなのかも知れない・・・

■終わりに

・・・とまあいろいろ好き勝手なことを書いてきたけど
すべて憶測と妄想をこねくり回したものなので
当たってるとは限らない、というかたぶん外れてる。

「2205」を観れば、誰でも似たようなことは頭に浮かぶだろうから
当然ながら、制作陣はそんな素人の予想を超えた ”解” を
用意しているだろう。

とはいっても、ヤマトの新作についてあーだこーだと
妄想を膨らませることができるなんて、いい時代になったものだ。
願わくば、この幸せな時間が少しでも長く続くことを祈って。


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