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盗まれた視線 吉祥寺探偵物語 [読書・ミステリ]

吉祥寺探偵物語 : 4 盗まれた視線 (双葉文庫)

吉祥寺探偵物語 : 4 盗まれた視線 (双葉文庫)

  • 作者: 五十嵐貴久
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/03/27
  • メディア: 文庫
評価:★★★

元銀行員の川庄は現在バツイチ。
コンビニでバイトをしながら小学生の息子・健人を育てている。
その傍ら、いろんな伝手で持ち込まれる探偵依頼も引き受ける。
吉祥寺の街を舞台にしたパートタイム探偵のシリーズ、第4作。

ある日、川庄のもとに警視庁捜査一課の刑事・工藤がやってくる。
彼とは以前の事件で知り合った後、腐れ縁のような仲になっていた。

工藤は姪の芽衣(めい)を連れてきていた。彼女は大学3年生で
新潟から出てきてマンションを借りて住んでいるのだが、
ここ半年ほど、不審な感覚に悩まされていた。
マンションの自室に戻ると、物の配置に違和感があったり、
道を歩いていると誰かに見られているような気がしたり・・・

川庄は工藤の願いを聞き入れ、1か月だけという条件で
芽衣のボディガードを務めることになった。

電子機器にくわしい友人・西条に芽衣のマンションを捜索させたところ、
盗聴器を仕込んだコンセントが発見され、
何者かが芽衣を監視していることが確定する。

マンションの警備会社の防犯カメラから、
玄関付近に頻繁に現れる男がいることが判明する。

こいつがストーカーだと見当をつけた川庄は
マンション前で張り込み、現れたところを捕まえる。
男の名は三浦貞雄、28歳無職。
しかし、貞雄は確かに芽衣に懸想してつきまとってはいたが、
どうやらマンションに侵入していたのは彼ではないらしい。

さらなる探索を続ける川庄は、やがてこの騒ぎの裏に
意外な ”大事件” が潜んでいることに気づく・・・

文庫で約200ページとコンパクト。
短めの長編というか長めの中編というか、
内容も今までの3作ほど込み入ったものではない。

侵入者の正体は、気づく人も少なくないのではないかなぁ。
私でも分かったし(笑)。

それよりは、登場する個性的なキャラの言動を楽しんだり
川庄と工藤、川庄と貞雄との珍妙なやりとりに笑うのが正解か。

それにしても、真面目で純真な女の子ほど、
性格の悪いチャラ男に惹かれるものだ、とはよく聞くが
本書の芽衣ちゃんもそれを地で行ってるのは残念な限り(笑)。

彼女ならもっといい男がつかまえられるだろうに、なぁんて思うが
そうならないのが世の常なのか。


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