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フッド:ザ・ビギニング [映画]


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中世イングランドの伝説的な英雄ロビン・フッドの物語を
レオナルド・ディカプリオによるプロデュースで映画化したもの。


若き領主ロビン・ロクスリーは何の苦労も知らず、
恋人マリアンと青春を謳歌していた。

しかしノッティンガム州長官より徴兵令状が届き、
十字軍へ参加して遠い異国へ赴くことになる。

ロビンは地獄のような戦いを生き延び、4年後に無事に生還するが
なぜか彼は2年前に戦死扱いとされていて、領地は没収、
マリアンも領民たちとともに鉱山送りになっていた。
これは州長官の奸計によるものであった。

すべてを失ったロビンは復讐の念を胸に
覆面の盗賊となって州長官の徴収した金品を襲う。
州長官の前に現れたロビンは、奪取した金を使って
彼の信用を得ていき、陰謀の黒幕を探ろうとするが・・・

このあたりの展開は復讐ものの定番、「モンテ・クリスト伯」である。

また、盗賊になるにあたってロビンは弓の訓練をするのだが
その ”トレーナー” になるのは、十字軍の遠征先で
ある因縁で出会った凄腕の戦士・ジョン。

負傷によって弓を引けなくなっていたジョンは
代わりにロビンを徹底的に仕込んでいく。

この一連の ”特訓” シーンは、まるで「ロッキー」みたいである。

ジョンの指導により、ロビンは
1秒間に2本の矢を射るという早撃ちと、
狙った的は百発百中という精度を身につけていく。
まあ、次元大介とゴルゴ13を合わせたような(笑)、
弓に関しては最強の戦士の誕生とあいなるわけだ。

この映画の一番の見せ場は、この弓を使った
超高速の銃撃戦ならぬ ”弓” 撃戦だ。

上にも書いたが、彼の ”射撃” が半端なく速い。
ロビンがジャンプしてから着地するまでに
周囲から押し寄せる州長官の兵たちを、
片っ端からすべて射貫いてしまうんだから。

鉱山街の中を馬で走り回ったり、馬車を追撃したりされたり。
このへんはもう西部劇みたいである。
もちろん、その最中も弓矢の応酬は怠りない。

このあたりのアクション・シーンは派手かつ外連味たっぷりで
作り込まれた中世の背景・セットと相まって圧巻の一言。


個人的な理由から州長官の陰謀に立ち向かっていたロビンだったが、
”覆面の義賊” は、次第に圧政に苦しむ領民たちの希望を集めていき、
終盤では彼らを糾合する革命のリーダーへと成長していく。

「ザ・ビギニング」らしく、”ロビン・フッドの誕生” を描いている。


細かいところを見れば、ツッコミどころも満載(笑)だ。

領地を没収されて一文無しのはずのロビンが大金を持っていることを
誰も怪しまないとか。
(「遠征先で一山当てた」とか吹いてたんだろうけど)

私は中世イングランドの歴史や風俗にはまったく知識がないんだが

マリアンがやたら胸の谷間を強調するような服を着てる(笑)こととか、
州長官がやたら現代風の服を着ているところとかは「?」って思ったし、
その州長官の屋敷(城?)では、
ものすごく派手な仮面舞踏会が開かれてたりとか
領民の中には、当時ヨーロッパにはあまり居なかった(と思うんだが)
黒人とかアジア人らしき人がたくさんいるのはどうなのかとか。

まあ、時代考証は二の次のようなので、
弓の超達人・ロビンが大活躍して、悪人どもをバッタバッタとなぎ倒す
勧善懲悪のアクション映画と割り切って見るのが正解でしょう。

細かいことは気にせずに、
アタマの中を空っぽにして見ることをオススメします。
私は、あまり期待せずに観にいったせいか、けっこう楽しめました。


終盤では、州長官の ”上司” である枢機卿が登場。
どうもフィクションの世界で「枢機卿」って言葉を聞くと
”黒幕” とか ”ラスボス” って単語が連想されてしまうんだが
そのあたりも期待を裏切りません(笑)。

本編の悪役である州長官は、ロビンに退治されてしまうんだけど
ラストでは新たな悪役も登場したりして「続編」を匂わせる終わり方。

物語的には一区切り着いているので
続いても続かなくても支障ないのですが、
私としてはもう1本くらい観てみたいかな。

ネットを見てみると、日本での評価はそこそこ良さそうなんだけど
海外ではあまり良くないみたい。
うーん、続編は無理かな?

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