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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第二章 感想・・・のようなもの その3 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

第4話「未知への発進!」(前編)


■艦長代理就任

旧シリーズ第1作での古代は、
後半のバラン星戦以降、健康状態の悪化した沖田によって
"艦長代理" に任命され、以後実質的な指揮を執った。

リメイク作である「2199」においては、
古代はついに艦長代理にはならなかった。

それは主体となるキャラの変更によるものだと思っている。
私の解釈では、「2199」の主人公は沖田、裏主人公は古代守。
そして古代進は脇役筆頭だったから。

「2199」が完結し新作映画製作のアナウンスがあった後、
私はブログにこんなことを書いている。

「(2199での活躍が少なかったことによって)古代というキャラには
 まだまだ "余白" がたくさん残されているとも言える。
 指揮官・古代としての成長はこれから、のはずなのだ。」
『"古代進" と "キャプテン・カーク" と「ヤマト新作」』(2014-01-26)

これは新作映画(「星巡る方舟」)に向けて書いた記事なんだけど
実際、「方舟」では颯爽とヤマトの指揮を執る
カッコいい古代進が描かれた。
イスカンダルへの大航海の物語としては「2199」で完結し、
古代が将来的にヤマト艦長になる(であろう)成長物語としても
「方舟」でその方向が示されここで完結となった。

これで終わっても良かったと思うのだけど
さらなる続編として「2202」が製作された。

そして現在までのところ、古代は「ゆうなぎ」の艦長として、
そしてヤマトの "艦長代理" として果敢な指揮ぶりを見せている。


「2199」→「方舟」→「2202」における古代(およびクルーたち)を
見ていて思ったのは、イスカンダルへの旅は古代たちにとって
大いなる「訓練航海」だったんじゃないか、ということ。

あるいは「学校」と言い換えてもいい。
一年間、沖田という「教官」のもとでみっちり修行し、
「方舟」は卒業試験だったのではないか。

古代たちは、沖田と波動砲抜きで
見事にガトランティスを撃退し、合格した。
しかも、戦うしかなかった沖田・ドメルの世代と違って、
新世代・バーガーとの共闘まで実現して。

「方舟」があったればこそ、「2202」第1話での
地球・ガミラス混成艦隊もすんなり受け入れられたし。

 そう考えると、「2199」で古代が艦長代理に就任しなかったのは
 古代というキャラの成長を描く、ってことを考えたら
 むしろ良かったことなのかも知れない。
 まあ結果論かも知れないが。


ならば、「2202」は学生時代を終えて
"社会人" となった古代たちの物語なのだろう。

「学校」というのは「正論」が通じる世界、
言い換えれば「理想論」が通る世界。

 もちろん100%通るわけでもないだろうが、
 世間と比べれば遙かに高い率で通るのではないか。
 (というか、「通らなければいけない場所」だろう。)

「異星人とも分かり合える」
「波動砲は禁断の兵器なので使ってはいけない」
そんな「正論」が通じる(通じた)世界で純粋培養された古代たちが、
地球に帰ってきたら理不尽さ満載、横車押し放題の
俗世間に放り込まれたわけだ。
そりゃあ挫折もするだろう・・・

シリーズ構成の福井晴敏氏がインタビューで
「2202は脱サラした男たちがベンチャー企業を立ち上げるような物語」
(細かいニュアンスは違っているかも知れないが)
って語っていた記憶がある。

 まさに、気心の知れた学生時代の友人たちと
 "一旗揚げる" 物語と思えなくもない。


■沖田の亡霊?

波動砲口に立って自問する古代。波動砲をどう扱うべきか。
その時聞こえる沖田の声。「覚悟を示せ」
振り返るとその姿まで。

うーん、このときの沖田は一体どんな存在なんだろう。
第1話ではテレサのコスモウェーブが見せた幻影、って説明があったが
ここではそんな怪電波(笑)は飛んでないよね。

コスモリバースシステムに記録された "古代守だったもの" は
雪蘇生のために起動した後、量子の海へ消えた。
ならば、古代守に代わってコスモリバースを動かし、
地球を救ったであろう "沖田だったもの" もまた、
量子の大海に拡散してしまったはず。

テレサのコスモウェーブを受信した古代には、脳内に
量子の海と交信できる "アンテナ" でも形成されたのか(笑)。

それとも、コスモリバースが起動した "場" であるヤマトの艦内には
その "痕跡" が残っているのか?

 「さらば」ファンの方々からすれば、単純に
 「沖田の魂がヤマトに宿っている」っていう
 感激できる描写なのかも知れないが・・・

これは私にとっては大きな問題だ。
"沖田の亡霊" は、「さらば」の終盤に於いて古代の前に現れ
彼のその後の行動を決定づけるという重要な役回りを果たす。

そしてそのシーンは、「さらば」という作品に対して
私が感じていた「違和感」の極致だった。
ここで「さらば」という作品に対する
私の評価が決定したと言っていい。

「2202」がどのような終局を迎えるのかは分からないが
旧作のように "沖田の亡霊" が現れるのか?

第3話を見る限り、"沖田の亡霊" が現れるのは
ほぼ確定のような気がするのだが、どうだろう。
そして現れるのならば、そこでどんな言葉を発するのか。
それは結末を決める重要な要素になるはずだ。

 


■艦長の資質

「波動砲の使用をためらうことでクルーの命が失われたら・・・」
悩む古代を見ていて、ふと思いだしたことがある。

私と同世代、あるいは私より少し上の世代の方なら
ご存じの人も多いだろう往年の名作マンガ「サブマリン707」。
この中のあるシーンが頭に浮かんだのだが
ちょっと長くなりそうなので、"番外編" として
別記事に書くことにする。

「707」には、アンドロメダ級3番艦アポロノームの名前の
元ネタとなった艦船も登場するのでその辺も含めて書く予定。

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