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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 [映画]


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 まずはあらすじから。

 前作『黒い魔法使いの誕生』の出来事から数年後の1930年代。

 ちょっと捕捉すると、前作は1927年という設定らしいので、その数年後ならば、本作は1932~33年あたりかと思われる。

 グリンデルバルトの勢力が急速に拡大、ダンブルドアはニュート・スキャマンダーとその仲間たちをドイツに送り込む。

 グリンデルバルトは、自分の信奉者たちを使ってドイツ魔法省を抱き込み、自身への指名手配を取り消させ、国際魔法使い連盟の代表選挙に出馬しようとしていた。
 彼が代表になると人間界との戦争が始まってしまう。選挙には魔法動物・麒麟を利用した不正な方法で勝利することを企て、それに加えて対立候補の暗殺をも実行しようとしていた・・・

 麒麟が次のリーダーを決める、なんて『十二国記』を思い出してしまったよ。


 題名通り、本作ではダンブルドアに関する秘密が明かされるんだけど
 原題は Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore
 Secrets と複数形であることがポイントかな。

 そのせいか、グリンデルバルトとダンブルドアの過去の因縁や対決がメインとなり、ニュートの出番は少なめ。ティナに至ってはほんの数カット。まあ彼女が出てきてニュートと絡んだら尺が足りなくなって収拾がつかなくなってしまうからかな。

 観ていて気になったことをいくつか。

 前半の舞台がドイツで、そこの魔法省がグリンデルバルトに牛耳られていて、画面での表現もナチスドイツを彷彿させるのは、これは意図的にやってるんだろうなと思う。

 人間界との戦争を目論むグリンデルバルトだけど、魔法界には彼を支持する勢力も少なからず存在しているようだし、彼を熱狂的に迎える人たちが画面に現れると、アメリカの前大統領をはじめとして昨今の世界情勢を思い出してしまう。

 ヒトラーだって、最初は民主的な選挙によって登場したはずだよねぇ・・・

 政治的な描写が多いと思ったけど、全5部作の映画(今作は3作目)の最終作のラストは1945年になるらしいので、残り2作では第二次世界大戦と魔法界の関わりが描かれていくのだろう。そのための布石なのかも知れない。


 単体の映画としてみた時に感じたのは、ちょっと冗長かなということ。

 魔法のシーンは迫力満点で目を見張る出来なのだけど、それ以外のシーンはいささか尺が長いんじゃないかなぁ・・・と思うことしばしば。
 2時間20分を超える長さなのだけど、ストーリーを語るだけならば2時間くらいに刈り込んだほうがテンポよく観られるんじゃないかな、と思った。

 でも、その後でこうも思ったんだよね。
 この映画を観る人は、『ハリー・ポッター』シリーズからのファンが大半だろう。ならば、映画で描かれる ”魔法が存在する世界” が大好きで、その世界に没入するために映画館に来てるんじゃないかな、って。

 ならば、その世界をじっくりたっぷり描いてもらった方が彼ら彼女らのニーズに沿うわけだ。

 私自身『ハリー・ポッター』は嫌いじゃないが、そんなにのめり込んでるわけでもない ”普通” の人々とでは、評価の軸が違うんだろうなとも思った。
 まあこれは本作に限らず、シリーズもの作品全般に言えることだろうけど。


 余計なことだけど、ちょっとwikiで見てみたら、本作が1932年の出来事とすると、ニュートは1897年生まれなので35歳(画面では若く見えるが)、ティナは1901年生まれなので31歳。どちらもover30じゃないか(笑)。1945年だと48歳と44歳になってる。
 ならば、次作あたりで2人を結婚させとかないとマズいんじゃない?(笑)。


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