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ゴジラvsコング [映画]

生まれて初めて、大人の付き添いなしで見に行った映画が
「キングコング対ゴジラ」(1962年)だった。もっとも、
私が観たのは70年の「東宝チャンピオンまつり」で上映された短縮版。

ストーリーはあんまり覚えてないんだけど、高島忠夫が出てたことと、
ラストでゴジラとキングコングが組み合ったまま海に転落して、
その後キングコングだけが浮かび上がって、
南の島へ向かって泳ぎ出す・・・てところは覚えてる。

そして51年後。ハリウッドで「ゴジラvsコング」という映画が
作られるなんて、当時の私には想像もつかなかったよ。

いやあ、長生きはするものだ(笑)。

閑話休題。

ちなみに、観たのは日本語吹替版です。
godzilla_kong.jpg
時系列としては前作「キング・オブ・モンスターズ」の5年後らしい。

ゴジラがフロリダにあるハイテク企業エイペックス社を
襲撃するという事件が起こる。

エイペックス社CEOのウォルター・シモンズはゴジラの脅威を訴える。
モナーク(怪獣調査を行う国際機関)とエイペックス社は
怪獣が地球内部の大空洞から来たと考え、調査隊派遣を決定する。

ネイサン・リンド博士やアイリーン・アンドリュース博士を中心とした
調査隊は、コングを髑髏島<スカルアイランド>から連れ出し、
大空洞への入り口がある南極へ向かうが、
その海上輸送途中をゴジラが襲う・・・

一方、前作で12歳の少女だったマディソンは高校生となっていた。
エイペックス社に技師として勤務するバーニーは、
会社が陰謀を企んでいるのではないかという内容をSNSで発信していた。
それを聞いたマディソンとその友人ジョシュは、
バーニーとともにエイペックス社に潜入するが・・・

人間ドラマの部分は、あくまでゴジラvsコングのバトルシーンを
盛り上げるために存在していて、そのへんの割り切りは潔いかな。

中盤あたりで、あっと驚く ”隠し球” が飛び出してくる。
往年のゴジラ映画ファンなら、感涙にむせんでしまう(?)かも知れない。
日本の某ゴジラ映画をオマージュしたようなシーンもあって
少なくとも私は、ものすごくワクワクしたよ。

怪獣のシーンはもちろん、怪獣以外のSFXシーンも
金がかかっていそうで、さすがハリウッド。
1秒あたりの費用で比べたら日本の数十倍かかってるんじゃないかな。
当然ながら、息を呑むような迫力満点のシーンが連続する。
怪獣バトル映画としてみたら、最高級の出来だろう。

文句をつけるとしたら、小栗旬の使い方かなぁ。
「エイペックス社の研究員で、前作に登場した芹沢博士(渡辺謙)の息子」
という設定なのだけど、見終わってみて思った。

その設定(芹沢の息子)って必要だったの?

そういう設定があるのなら、少なくとも彼が父親のことを
どう思っているか、少しくらいは描写があるべきだろう。
しかしそれは全くない。

父の遺志を継ごうとしているのか、父のしたことを否定しているのか。
映画として登場する「父と息子」なら、
たいていどっちかだと思うのだけどそのへんは窺えない。
ただ、エイペックス社の社長の命ずるままに行動していて
彼には自由意志があるのか? とすら思ってしまう。

台詞も少ないし、感情もほとんど顔に出ない。
唯一記憶に残っているのは ”白目をむいた表情” だけ(おいおい)。

なんだか、観ていて可哀想になってしまったよ。
ハリウッドは、俳優としての彼に全く期待してないんじゃないか?・・・

私は小栗旬という俳優さんのファンでも何でもないんだが
「ルパン三世」とか「テラフォーマーズ」とか「銀魂」とか
並の俳優だったら尻込みしてしまいそうなサブカル映画に
積極的に出演してくれる貴重な人だと思っている。

だから、今作での扱いはもったいないなぁ。
”小栗旬の無駄遣い” をしていることが、
ハリウッドの偉い人にはわからないのだろう。
せいぜい、日本市場向けの人寄せパンダとしか思ってないんではないか。

小栗旬からすれば、どんな端役でもハリウッド進出のとっかかりに
したいんだろうけど、今作での出番を見る限り、厳しそうな気が。

長くなってしまったので、吹替陣について書いて終わりにする。

ネイサン&アイリーンの主役コンビは、
津田健次郎&坂本真綾という、人気実力兼ね備えた盤石の布陣。

ストーリーのもう一方を担う女子高生マディソンは
前作に続いて芦田愛菜。予想以上に上手で、充分に及第点。
友人のジョシュは田中裕二。中の人は50代なのにまさかの高校生役。
でも「モンスターズ・インク」で見せた実力は健在で違和感ない。
バーニーは尾上松也。下手ではない。ところどころ櫻井孝宏に似ている。

エイペックス社CEO、ウォルター・シモンズは大ベテラン山路和広。
あまりにもぴったり過ぎて、思わず笑ってしまう。
その娘・マイアは田中みな実。
まあ出番も台詞も少ないので気にならないレベル(笑)。
マディソンの父親マーク・ラッセルは田中圭。
まあ出番も台詞も少ないので気にならないレベル(おいおい)。

 田中圭さん、声優としてどうしようもなく下手とは思わないんだけど
 マーク役のカイル・チャンドラーの顔とでは、声が合わない感じ。

さて、二大モンスター激突で、決着がつくかと言えば
ついてしまったらシリーズが終わってしまうので、
勝負の行方については、お察し・・・というところ。

さて、でも次はどんな内容で作るんでしょうねぇ・・・
他人事ながらちょっと心配になってしまったり(笑)。


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