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ゴジラ S.P <シンギュラポイント> [アニメーション]

ゴジラのアニメーション作品としては2017~18年に公開された
『GODZILLA』三部作があった。
このブログで記事も書いたけど、あまり褒めてない。
うーん、私は虚淵玄さんとは相性が悪いようです

さて。

今作『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』は、
以前のゴジラシリーズとの直接の関係性はない世界を舞台にした作品。
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公式サイトに載ってる「ストーリー」を引用すると・・・

2030年、千葉県逃尾市。

“何でも屋” な町工場「オオタキファクトリー」の有川ユンは、
誰も住んでいないはずの洋館に気配がするということで調査へ。

空想生物を研究する大学院生の神野銘(かみの・めい)は、
旧嗣野地区管理局 “ミサキオク” で受信された謎の信号の調査へ。

まったく違う調査で、まったく違う場所を訪れた見知らぬ同士の2人は、
それぞれの場所で同じ歌を耳にする。

その歌は2人を繋げ、世界中を巻き込む想像を絶する戦いへと導いていく。

孤高の研究者が残した謎、各国に出現する怪獣たち、紅く染められる世界。
果たして2人は、人類に訪れる抗えない未来<ゴジラ>を覆せるのか―。

引用、終わり。

主役の一人、有川ユンは ”何でも屋” の町工場「オオタキファクトリー」
に勤務するエンジニア兼プログラマー。
高度なAIを開発し、高名な大会で1位を獲った経歴をもつ。
いわゆるオタクなのだが、内向的というわけでもなく
”怪獣” を前にしても怯まず、危機に飛び込んでいく勇敢な面ももつ。

もう一人の主人公、神野メイは存在しない生物を考える学問
「ビオロギア・ファンタスティカ」を専攻する大学院生。
才媛なのだが、行動には抜けたところもあるドジっ娘で、
口にする台詞には ”ぼやき” が多い(笑)。

それぞれに天才的な能力を持つこの2人が、
異なる場所で偶然に同じ曲(信号)を聞いたことから
ゴジラを巡る事件に巻き込まれることになる。

面白いのはこの2人、直接会って話をするシーンが皆無なこと。
スマートホンなどのIT機器とSNSを介してコミュニケーションをとる。
それも、相手の顔を見ることなく、である。

 メイは大滝ファクトリーのサイトでユンの顔写真を見るシーンが
 あるのだけど、ユンはメイの顔を知ってたのかな?

第一話のラストでラドンが登場し、やがて世界各地で怪獣が出現し始める。
アンギラス、マンダ、クモンガとお馴染みの怪獣が装いも新たに登場、
サルンガという新顔も加わり、トリをつとめるのは
 ”真打ち” ゴジラ。海から現れ、お約束通り東京で大暴れとなる。

ユンは日本で現れる怪獣に対処する役回り。
大滝ファクトリーの所長・大滝吾郎が「地球を守るため」に建造した
ロボット・ジェットジャガーを駆って脅威に立ち向かっていく。

とは言っても、ジェットジャガーの大きさはせいぜい4~5m。
『装甲騎兵ボトムズ』のAT並の大きさで、胸のところにある
コクピットに乗り込んで操縦する、ってところも同じだ。

対してメイは、投稿した論文がきっかけで
国際的合弁会社「シヴァ共同事業体」に呼ばれることになり、
ヨーロッパやインドなど世界中を飛び回る。

そして全編を通して不思議な存在感を示すのが
謎の科学者・葦原道幸(あしはら・みちゆき)。
50年前の時点で既に「世界の破局」を予想しており、
「特異点」と呼ばれるものを発見していた。本作のタイトルにある
〈シンギュラ・ポイント〉とは「特異点」のことだ。

この作品について書きたいことはたくさんあるのだけど
これ以上書くとネタバレになりそうなので、この辺で。

でもこれだけは書きたい。

本作に登場するジェットジャガーというロボット、
オリジナルでは1973年の『ゴジラ対メガロ』で初登場なのだけど
この頃の私は既に興味の対象がアニメに移っていてしまって
TVで放映されていてもろくに観なかった覚えがある。

だから今作でジェットジャガーが登場すると聞いても
「ふーん」くらいしか思わなかった。
(熱心なゴジラファンの人には喜ばれたらしいけど)

だけど本作を観て驚いた。大活躍じゃないか!

登場時には、イベントでのアトラクションでしかなかった存在が、
回を重ねるにつれて改造・パワーアップされていく。
ユンの開発したAIを搭載して、操縦型から自律型となり、
ラドンと戦い、アンギラスと戦い、クモンガと戦い、
東京に居座るゴジラのもとへも乗り込んでいく。
もうほとんど主役級、八面六臂の大奮闘だ。

ただまあ、最終回での大活躍が予想の斜め上過ぎるので
評価に戸惑う人もいるだろう。
わたしもアタマの中を「?」でいっぱいにしながらも
「面白いから、まぁいいか」って感じでした。

シリーズ構成・脚本はSF作家・円城塔さん。
正直言って、この人の小説は受けつけないんだよねぇ。
読んでても何一つ頭に入ってこないことが多くて・・・
相性が悪いんでしょうなぁ。

でも、アニメになったらあら不思議、けっこう大丈夫。
文字と映像の違いも大きいのだろうし、
”一般向け” に言い回しもかみ砕いているのだろう。
理解に苦しむ台詞も少なくないにもかかわらず、すんなり見ていられる。

 まあ、この作品については「考えるな、感じろ」という
 鑑賞態度が正しいのではないかと(おいおい)。

また、漫画家・加藤和恵さんによるキャラデザインも大きいと思う。
みんなマンガ的にデフォルメされていて、親しみが持てる。
メイなんかアラレちゃんみたいでカワイイよ(笑)。
キャラだけ見たらギャグマンガかと思うくらい。

最終回のエピローグは、いかにも続編がありそうな終わり方。
”あれ” を見せられて終わったら蛇の生殺しだよねぇ。
「シーズン2」熱烈希望。

いま第一回から見直してるところ。理解しがたいところも多々あるが
それでも「ここがつながってたのか」って発見もあるので楽しいよ。


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