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日本SF傑作選1 筒井康隆 [読書・SF]


日本SF傑作選1 筒井康隆 マグロマル/トラブル (ハヤカワ文庫JA)

日本SF傑作選1 筒井康隆 マグロマル/トラブル (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/08/08
  • メディア: 文庫
評価:★★★

私が本格的にSFを読み始めたのが大学生の頃だから
1970年代も終わりのほうだろうと思う。

その頃、よく読んでいた日本のSF作家を思いつくままに挙げてみると
眉村卓、光瀬龍、小松左京、豊田有恒、そして筒井康隆。

 なぜか星新一は数冊しか読まなかったし、
 平井和正も2~3冊くらいしか目を通さなかったんだよねえ・・・
 半村良を読み始めたのは大学卒業後だったかな。
  山田正紀とか田中光二はもう少しあとの時期だったよねぇ。

さて、早川書房から「日本SF傑作選」と銘打ち、
いわゆる”第一世代作家”6人の作品集が刊行された。
本書はその第1弾で、1960~70年代の初期作品25編を収録してる。
なんと文庫で700ページ超という特大版だ。

「お紺昇天」「東海道戦争」「マグロマル」「カメロイド文部省」
「トラブル」「火星のツァラトゥストラ」「最高級有機質肥料」
「ベトナム観光公社」「アルファルファ作戦」「近所迷惑」
「腸はどこへいった」「人口九千九百億」「わが良き狼(ウルフ)」
「フル・ネルソン」「たぬきの方程式」「ビタミン」「郵性省」
「おれに関する噂」「デマ」「佇むひと」「バブリング創世記」「蟹甲癬」
「こぶ天才」「顔面崩壊」「最悪の接触」

ざっと見て8割方の作品は、昔読んだことがあるように思う。
ただタイトルだけ憶えていたものや、内容が記憶と違うものとかあって
40年近い年月を否が応にも感じてしまう。

あらためてこの25編を読んでみて思ったが
初期作だけあって、中にはかなり実験的な作風のものもあるけれど
全体的に(私のイメージする)筒井康隆の作品としては
”おとなしめ” なものが多いように感じた。

やっぱり不条理性とブラック・ユーモアに満ち満ちて
抱腹絶倒なストーリーを異様な疾走感で語る、ってのが
筒井康隆じゃないのか・・・って思うのだが
たぶんそれは本書に収録した作品よりもあとの時代のものだのだろうな。

80~90年代の中期作や、それ以後の後期の作品とか
時代別に出してくれないかなぁ・・・なんて思ってしまった。

とはいえ、本書を読んでいる間、
私の心はこれらの作品を読んでた若き日に戻ってしまったよ。

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