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Shadow 闇に潜む真実 ミステリー傑作選 [読書・ミステリ]

ここのところ、プチ放置状態だったんだけど、
何せ9/29から昨日(10/10)まで12日間、
休み無しで働いていたもんで。

今日になって、やっとまる一日の休みがとれた。
さあ、本読むぞーって意気込んでたんだが
午後になってちょいと昼寝するつもりで横になったら
3時間くらい爆睡してしまった。

そんなわけで、なかなか進まない読書の予定だが
それでも何冊か読み終わった本が溜まったので
ちまちまと書いていこうと思う。


 


Shadow 闇に潜む真実 ミステリー傑作選 (講談社文庫)

Shadow 闇に潜む真実 ミステリー傑作選 (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/11/14
  • メディア: 文庫



評価:★★★

2010年に発表されたミステリ短編から選ばれた12編を
2分冊で文庫化した、その後半分。


「人間の尊厳と八〇〇メートル」(深水黎一郎)
 短編集で既読。
 バーで飲んでいた主人公の前に現れた謎の男が
 「人間の尊厳のために私と800m競争をしよう」と言い出す。
 「なぜ走らなければならないのか」あれこれ理由を挙げ、
 あげくの果てには量子力学(笑)まで持ち出して説得にかかる。
 ここの "屁理屈" がまた面白いんだが
 男の正体と目的が明らかになったあとにさらにもう一段驚かせる。
 いやあよくできてる。
 第64回(平成23年度)日本推理作家協会賞短編部門受賞も納得。

「本部から来た男」(塔山郁)
 コーヒーチェーンの本部社員・春山は、支店の社員から呼び出される。
 アルバイトの女の子が無断欠勤しているので、
 彼女のアパートまで一緒に行ってほしいと・・・
 単純な話かと思っていたら、二転三転して意外な結末へ。

「原始人ランナウェイ」(相沢沙呼)
 謎の少女・マツリカを探偵役とするシリーズの第一作とのこと。
 学校近くの廃ビルでマツリカと知り合った高校生・柴山は
 高校に古くからある伝説の "全裸で走る原始人" を探す羽目になる。
 "原始人"という突拍子もない存在から、意外な過去が導き出される。
 なかなか面白そうなシリーズだけど、マツリカさんはドSだねえ。
 続編を読めば彼女の生い立ちなんかも明らかになるのでしょうか。

「義憤」(曽根圭介)
 子持ちの若い母親ばかりを狙うシリアルキラーに襲われた堀田智恵。
 彼女は難を逃れたものの、幼い息子は殺されてしまう。
 事件を追う刑事の"僕"と、相棒の結城麗子。
 麗子自身も、障害を持つ8歳の息子がらみの "黒い噂" をもっていた。
 うーん、ミステリ的には良く出来ているんだろうけど
 あまりにも悪意に満ち満ちていて、この手の話は苦手です。

「殷帝之宝剣」(秋梨惟喬)
 短編集で既読。
 武者修行中の許静は、旅で知り合った主従・半房と蔡を伴い
 山中の修行場・紫雲観へ赴くが、そこには
 天下に名を知られた武人たちが集っていた。
 しかし、その中の一人、破剣道人が首を切られて殺される。
 紫雲観は山奥深く隔絶した場所で、
 外部からの出入りはありえなかった・・・
 いわゆるひとつのチェスタトンですかね。

「橘の寺」(道尾秀介)
 短編集で既読。
 リサイクルショップ・カササギ店長・華沙々木(かささぎ)くんと、
 店員の "僕" こと日暮(ひぐらし)くん。そして中学生・菜美ちゃん。
 この3人が出会う事件を綴った連作短編集の最終編。
 黄豊寺の住職に誘われ、ミカン狩りに来た3人だが
 突如降り出した豪雪によって寺に一泊する羽目に。
 しかしその夜、寺に泥棒が入って・・・
 強欲さばかりが目立っていた住職の意外な一面が明らかになる一編。
 初読の時もそうだったが、今回もラスト5ページで
 涙腺が崩壊してしまった。いやあ、反則だよあれは。


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