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お隣さんが殺し屋さん [読書・ミステリ]


お隣さんが殺し屋さん (角川文庫)

お隣さんが殺し屋さん (角川文庫)

  • 作者: 藤崎 翔
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

ヒロイン美菜(みな)は、俳優養成の専門学校に
入学するために上京してきた。

入居したアパートの隣室に住む青年・雄也(ゆうや)のもとへ
引っ越しの挨拶に出向くが、190cmを超える身長、
映画スターのようなイケメン、そして低音の美声に
すっかり魅せられてしまう。

一方、雄也は挨拶に訪れた美菜に ”ある物” を見られてしまう。
それは床に落ちていた1発の銃弾だった。
幸い美菜は口紅と勘違いしてくれたが・・・

物語は、専門学校に通う美菜の日常と、
雄也の ”仕事” と過去を描くパートが交互に綴られていく。

雄也にときめく美菜は、けっこう大胆にアプローチしていき、
そんな美菜の行動にドギマギしながら煩悶する雄也が可笑しい。

同じ女優を目指す友人たちもでき、コンビニでバイトも始めて
充実した日々を過ごす美菜。

過去に請け負った ”殺しの仕事” の回想にふける雄也にも
新たな「依頼」が来るが、今度のターゲットは
なんと美菜の通う専門学校の中にいるらしい・・・


こう書いてくると、サスペンス仕立てのラブコメなのかなと
思わせるんだけど、何せ作者は
「神様の裏の顔」で横溝正史賞を受賞した人。
これもけっこう驚きの結末を見せてくれた作品だった。

たぶん、この作品を読む人はみんな
オチをあれこれ想像しながら読むんだろうし、
私も「ああだろう」「こうだろう」と
眉に唾をつけながら読んでいったのだけど・・・

いやあ、見事にうっちゃられてしまいました。
たいしたものです。

「いくらなんでもそれはないだろう」的な結末なのだけど
読みやすく分かりやすい語り口なので、どんどんページをめくらせる。
その勢いのまま、驚きの結末まですんなり読ませてしまう。

「スゴいなあ」というより「上手いなあ」と思わせる作品。

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