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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章 煉獄篇」感想・・・のようなもの その2 [アニメーション]


※ネタバレ全開です! 未見の方はご注意ください。


▼第15話「テレサよ、デスラーのために泣け!」(後編)


■テレザリアムの攻防

一方、古代たちにも援軍が。
永倉「隊長、ご無事で」
斉藤「永倉、おまえ何やってんだ」
永倉「ただの令違反です」

 ホントに永倉さんは美味しいところを持って行くねえ。
 「星巡る方舟」で初登場したときは
 こんなに活躍するキャラに化けるとは思わなかったよ。

ヤマトは島の操艦で戦闘空母と交戦。
近接戦闘でのパルスレーザーは、これも「方舟」を思い出すね。


■キーマン回想

ヤマトから発艦したキーマンの脳裏を、バレル大使の言葉が。

「孤独な道だ。おまえはおまえに関わる
 すべての人間を欺かなければならん」

これは次の16話になると本当の意味がわかる。


■デスラー艦隊vsヤマト  その3

ヤマトに迫るノイ・デウスーラ。なかなか珍しい構図。
PVのときはてっきり併走してるんかと思ったが
実は追走してるんだね。
ノイ・デウスーラがでかすぎて遠近感がわからなかったよ。


■テレザリアム

「貴様たちとの戦(いくさ)は本当に先が読めん」
まあ、先の読まれる戦いをしていたらヤマトはとっくに沈んでますから。

その乱戦の中、古代がデスラーに銃を突きつける

「終わりにしないか、デスラー総統」
「まだ始まってもいないものを、どう終わらすのかね。ヤマトの坊や」

デスラーにとって古代はまだまだ “坊や” なんですかね。

「私はヤマト戦術長、古代進。
 直ちに兵を引きテレザートから退去していただきたい」
「古代、そうかあのときの坊やか」

「2199」第24話での白兵戦。そんなに強い印象があったのか。

「一度死んだ人間を、そんなもので屈服させられるとでも」
「この人形どもは私を撃つことはない。
 が、それは私が生きている間の話だ」
「さあ、引き金を引き給え」
「どうした、古代とやら その勇気がないなら」

動じないデスラー。素直にここはカッコいいと褒めておこう。
人生経験と肝の座り具合では
古代よりデスラーの方が一日の長があるということか。


■キーマン登場

そこへツヴァルケが乱入、永倉と協力してニードルスレイブは全滅。

そしてツヴァルケから降り立つキーマン。

キ「デスラー総統に伺いたい。あなたは何を願ってここに来られたのか」
デ「貴様、誰か?」
キ「我が名はランハルト・デスラー」

 一瞬 “ラインハルト” かと思ってしまったよ(おいおい)。
 さすがに「銀英伝」の主役とかぶるのはマズいよねえ。

ついに明かされるキーマンの本名。


■14年前 デスラー総統22歳

「なぜこうなった。
 アベルト・デスラーという人間には
 母の心を現世につなぎ止めておくほどの重みもなかった。
 そんな私が」

デスラーはマザコンとまでは言わないが
母の愛には恵まれなかったんだね。同情に値するとは思うが。

「叔父が成し遂げたガミラス全土の統一。
 そのすべてを託され、重すぎる秘密を。
 希望を失えば人は心を失う。
 自分たちに未来がないと知ればガミラスは・・・」

ガミラス人の未来を叔父と兄から託されたデスラー。
「あるべき未来とやらのために、自分の人生を生きられなかった」
がここへつながるのだね。

重ねて聞こえてくるのは重臣の言葉か。

「これが最も確実なやり方です。
 バレラスタワーはそのために建造されました。
 もはや後戻りはできません。
 ガミラスが生き残るためにはなんとしてもイスカンダルの・・・」

この台詞の意味は16話で明らかになる。
ガミラスがイスカンダルが持つコスモリバースシステムを
手に入れようとしていた。

 ガミラス人にとってイスカンダルは崇敬の対象ではあるものの、
 常に自分たちの頭の上にいることに
 反撥を覚えることもあったのかも知れない。

デスラー総統は、聴衆を鼓舞する演説をぶち上げる。

 青年らしい若々しい声。さすが山寺さん。

「イスカンダル平和主義のもと、宇宙に版図を広げよ!
 外宇宙にも目を向けよ! 拡大せよ!!」

このへんから「2199」につながってくるのだね。


■デスラーvsキーマン

キ「急激な拡大政策はガミラスに未曾有の富と覇権をもたらした。
  結果、生まれたのが支配者デスラーへの反撥。
  あなたは何度となく暗殺の危機にさらされた」
デ「身内にすら・・・か」

兄の妻だった女すら暗殺者になった。

 彼女を取り押さえたディッツとタラン弟が若い。
 ついでに言うと、周りの重臣たちも若い。
 ぜーリック、タラン兄、ギムレー、ヒス。
 ああ、懐かしい面々だねえ・・・

デスラーは兄嫁を処刑したと見せかけて追放する。
それは、かつて自分の命を救ってくれた兄への
せめてもの恩返しなのか・・・

ここでついにキーマンの素性が明らかになる。
デスラーの兄マティウスの遺児。彼にとっては甥にあたるわけだ。

「大きくなったな」

デスラーが肉親に対する情を見せる珍しいシーン。
というか、こんなのは初めて?

「母は貧しい生活の中で死んだ」
「ガミラス星がじきに滅ぶというのは事実か」
「外宇宙勤務が長くなると肌身でわかる。
 我々生粋のガミラス人は、ガミラス星を離れて長くは生きられない」
「だから母星と同じ環境を持つ星を見つけて、
 あるいは人工的に作り出し、すべてのガミラス人を移住させる。
 半世紀以内に・・・」
「そんな途方もない計画を実現するために、
 あなたは宇宙に覇権を広げた。冷酷な独裁者と罵られながら」

ヤマトのクルーにすれば初めて知る事実ばかり。
しかもそれはガミラスが地球を侵略した理由にも直結するもの。

真「遊星爆弾による環境の改造」
古「本当なのか? ガミラスを救う、そのためにあなたは」
デ「知ってどうする。今更それが何だというのだ」

個人的には、これが15話でいちばん好きなデスラーの台詞だなあ。

遊星爆弾の目的も、“ガミラス人移住のための環境形成” という
 旧作に沿ったものへと改めて位置づけられたことになる。

そして、ここからのデスラーの独白が15話のクライマックスか。

「今の私は、何の力も持たない。
 無力な神に願いをかけるか、ガトランティスに取引を持ちかけるか。
 どちらも分が悪い・・・」

デスラーがここまで自らを卑下した台詞も記憶にない。
ある意味、とても “新鮮” に感じる。

カットバックでデスラー艦隊と交戦するヤマトが描かれ、

「だが、それでも」

ここでのBGM「デスラー・孤独」がまたいい仕事をする。

「それでも、わたしは」

キ「テレサの力を、本当に必要とするのが誰か」
デ「おまえにはわかるはずだ」

キ「母なる星、ガミラス。あなたはそのためにずっと」
デ「ランハルト。ここから先は修羅の道だ。
  私と歩むのなら感情は捨てろ」

自らの重荷を、マティウスの遺児にも預けようとする。
それはかつて、兄がデスラーに対してとった行動の再現か。

 「思いを残せば、私のように間違うぞ」

”間違えた” という意識はあるんですね(笑)。

斉藤「おい、そんなやつの言うことに耳を貸すんじゃねえ」

その斉藤に銃を向けるキーマン。次の瞬間、その先を古代に向け

キ「すまない、古代」

そして・・・銃声


■デスラー再評価

私は以前、旧作の続編群におけるデスラーに対して
否定的な趣旨の記事を書いた。

 実際、「2202」のデスラー再登場も
 「出ないとファンが黙ってないだろうなあ」
 くらいに思っていて、私自身はあんまり期待していなかった。

 実際、私のかみさんはデスラー(というか山ちゃん)が大好きで
 もし出なかったら、「2202」を観る気力の大半を失ってしまいそう(笑)。

しかし、15話のデスラーは文句なしにカッコいい。
後付け感は否めないものの、
「2199」との整合性に配慮して精一杯フォローしつつ、
なおかつ新たなデスラー像の構築に成功していると思う。

 優秀な兄がいて、その死によって
 否応なく代理を務めざるを得なくなった、という点では
 古代とも共通するバックボーンを持つ。
 このあたりは意識的に設定したのかも知れない。

これからヤマトとガトランティスの戦いにどう絡んでくるのか
本当に楽しみになってくる。

 願わくば旧作群みたいに、ヤマト(古代)に対して
 なし崩し的に友好的になったりしないでほしいとは思う。
 あれはやっぱり(私にとっては)違和感の塊だったからねえ・・・


「その3」へ続く

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