小説版「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Ⅱ 《殺戮帝国》」 [アニメーション]
新年第一弾の記事は、やっぱりこれですかね。
同名のアニメーション作品のノベライズ、第2巻である。
堂々の500ページという厚さは前巻と同じで、"読みで" はたっぷり。
収録内容は アニメ6話~9話+10話の一部 である。
6・7話は第十一番惑星の攻防と波動砲の使用を巡るエピソード、
8・9話は惑星シュトラバーゼにおける、古代vsズォーダーの対決、
そして10話のうち、ガトランティス側のエピソード。
6・7話は第十一番惑星の攻防と波動砲の使用を巡るエピソード、
8・9話は惑星シュトラバーゼにおける、古代vsズォーダーの対決、
そして10話のうち、ガトランティス側のエピソード。
2巻で9話分ということは、全26話は全6巻構成になりそう?
前巻では、起こったイベントを
時系列的に入れ替えて記述している部分が多かったが
本書にはそういうところはほとんどなく(全くないわけではないが)
ほぼアニメの流れに沿った展開である。
時系列的に入れ替えて記述している部分が多かったが
本書にはそういうところはほとんどなく(全くないわけではないが)
ほぼアニメの流れに沿った展開である。
本編を見ていると、尺の都合や演出の問題で、
ややもすると舌足らずとも思える部分が多かったが
上記のようにこちらは500ページというボリュームがある。
本編で描かれなかった細部や、触れられなかった設定等が
ふんだんに盛り込まれている、と言える。
ややもすると舌足らずとも思える部分が多かったが
上記のようにこちらは500ページというボリュームがある。
本編で描かれなかった細部や、触れられなかった設定等が
ふんだんに盛り込まれている、と言える。
例えば、ファンをやきもきさせた6話のラストだが、
本書ではその前後の経緯がしっかり書き込まれているので
すんなりと7話冒頭のヤマトの置かれた状態へとつながる。
本書ではその前後の経緯がしっかり書き込まれているので
すんなりと7話冒頭のヤマトの置かれた状態へとつながる。
惑星シュトラバーゼの設定もかなり詳述されている。
古代アケーリアス人がなんらかの "実験" を行っていたと思われること。
その特異な形状や内部構造、そして質量に関する設定。
地表をマグマが覆っているにも関わらず気温が低い理由。
惑星間弾道弾によって引き起こされた "惑星の崩壊" が
どういうものであったのか、とか。
古代アケーリアス人がなんらかの "実験" を行っていたと思われること。
その特異な形状や内部構造、そして質量に関する設定。
地表をマグマが覆っているにも関わらず気温が低い理由。
惑星間弾道弾によって引き起こされた "惑星の崩壊" が
どういうものであったのか、とか。
アニメ版9話では、古代とズォーダーの対決とヤマトの戦闘シーンが
交互に細かく切り替えて描かれたが、小説ではかなりまとめられている。
小説としてはその方が読みやすいだろう。
このあたりは映像と活字の表現方法の違いからくるのだろう。
交互に細かく切り替えて描かれたが、小説ではかなりまとめられている。
小説としてはその方が読みやすいだろう。
このあたりは映像と活字の表現方法の違いからくるのだろう。
そして、この第2巻のクライマックスはやはり "悪魔の選択" だ。
このあたりアニメ版では、過去の記事にも書いたけど
ズォーダーと古代と雪に絞って他の描写は削りに削っている。
ノベライズ版では、その削られてしまった部分について
かなり補完されていると言っていいだろう。
このあたりアニメ版では、過去の記事にも書いたけど
ズォーダーと古代と雪に絞って他の描写は削りに削っている。
ノベライズ版では、その削られてしまった部分について
かなり補完されていると言っていいだろう。
本編だけを見ていたときには、「たぶん、こういうことなんだろう」って
推測するしかなかったことも、(完全ではないが)説明が与えられる。
推測するしかなかったことも、(完全ではないが)説明が与えられる。
さらに、映像に描かれた部分以外の情報が
追加の文字情報として得られるのもノベライズの醍醐味だろう。
まず挙げられるのは、シュトラバーゼにおける
土方の活躍の描写が厚くなっていることか。
真田からの指揮権移譲もきちんと描かれるし、
その後の戦闘指揮も、さすがに古参の武将はひと味違うと思わせる。
土方ファンなら必読だろう。
土方の活躍の描写が厚くなっていることか。
真田からの指揮権移譲もきちんと描かれるし、
その後の戦闘指揮も、さすがに古参の武将はひと味違うと思わせる。
土方ファンなら必読だろう。
避難民がガミラス艦に移乗するシーンで、
桂木透子がイリィを抱きしめたときに感じた "感覚" が
どんなものであったのかも、映像よりも一歩踏み込んで描かれてる。
ガトランティスの設定のみならず、
サーベラーの過去そのものがさらに気になってくる。
桂木透子がイリィを抱きしめたときに感じた "感覚" が
どんなものであったのかも、映像よりも一歩踏み込んで描かれてる。
ガトランティスの設定のみならず、
サーベラーの過去そのものがさらに気になってくる。
「2199」や「星巡る方舟」の内容にも触れているのも嬉しいところ。
空間騎兵隊前隊長の桐生悟郎の死をその娘・美影が知った経緯、
そして未だ本編で描かれていない美影と斉藤始との関係なども。
空間騎兵隊前隊長の桐生悟郎の死をその娘・美影が知った経緯、
そして未だ本編で描かれていない美影と斉藤始との関係なども。
驚いたのは、ズォーダーと古代の対決シーン。
アニメ版にはない台詞がある。
第9話を観ていて、「さらば」のラストを連想した人は
少なからずいたと思うが、ノベライズではそこがさらに強調されている。
アニメ版にはない台詞がある。
第9話を観ていて、「さらば」のラストを連想した人は
少なからずいたと思うが、ノベライズではそこがさらに強調されている。
この台詞、もとの脚本にはあったがアニメ化時点で削除されたのか、
はじめから無くて、ノベライズ時に追加されたのかは分からないが。
どちらにせよ、この部分を読むと「2202」のラストが
「さらば」をそのままなぞるようにはならない可能性が
かなり高まったように思うのだがどうだろう。
もっとも、古代と雪の運命までは分からないが(^^;)。
はじめから無くて、ノベライズ時に追加されたのかは分からないが。
どちらにせよ、この部分を読むと「2202」のラストが
「さらば」をそのままなぞるようにはならない可能性が
かなり高まったように思うのだがどうだろう。
もっとも、古代と雪の運命までは分からないが(^^;)。
さて、アニメ本編ではこのあと、
古代は100式のコクピットから雪に呼びかける。
そして、それに応えた雪がどう行動したかは
この本を読むような方なら先刻ご承知だろう。
このあたりはアニメの展開通りだ。
映画館で観ていたときも、私は古代が呼びかけるシーンで
涙腺が崩壊してしまったが、ノベライズでも同じことが起こった。
涙腺が崩壊してしまったが、ノベライズでも同じことが起こった。
古代が、愛する人へ呼びかける。
それは告白であり、謝罪であり、覚悟であり、そして願いだ。
私は活字を追いながら、再び涙があふれるのを止められなかった。
それは告白であり、謝罪であり、覚悟であり、そして願いだ。
私は活字を追いながら、再び涙があふれるのを止められなかった。
さて、そうはいっても物語は未だ道半ばである。
リメイクにはつきものとは言え、「2202」に対しても賛否両論がある。
私にしても、今までのところは肯定的に評価しているが
最終章の最終話までたどり着いたときにも、そう思えるかどうかは
未だ予断を許さない。
最終章の最終話までたどり着いたときにも、そう思えるかどうかは
未だ予断を許さない。
過度の楽観はしないが、かといって過度の悲観もせず、
淡々と次章を、そして次巻を待とうと思う。
淡々と次章を、そして次巻を待とうと思う。
最後に、どうでもいいことをちょっと書いて終わる。
このノベライズの中で、古代はズォーダーに対してこんな独白をしている。
シュトラバーゼの遺跡を脱出して雪の乗るガミラス艦に向かう途中でだ。
「これは貴様のゲームだ。 ・・・(中略)・・・
何を選んでも、貴様の勝ちだ。そうなるように、貴様は決めている」
シュトラバーゼの遺跡を脱出して雪の乗るガミラス艦に向かう途中でだ。
「これは貴様のゲームだ。 ・・・(中略)・・・
何を選んでも、貴様の勝ちだ。そうなるように、貴様は決めている」
確かにみんな普通の男たちだった。
普通であるが故に、何をどうがんばっても
事態を逆転させることはできなかった。
そういうふうにストーリーができているのだから。
普通であるが故に、何をどうがんばっても
事態を逆転させることはできなかった。
そういうふうにストーリーができているのだから。
"何をどうやっても勝てない" という状況を設定している、という点では
「さらば」のラストと「2202」第9話は同じなのだなあ、と。
「さらば」のラストと「2202」第9話は同じなのだなあ、と。
鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2018-01-02 21:03)
@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2018-01-02 21:03)
mojoさん、あけましておめでとう
ございます。
今年、最初の記事はヤマトですか、今月は
第四章公開も控えています(早く感じます)。
この本は、現在読んでるところです。
映像で足りないところを補完してくれるのは
ノベライズのいいところですよね、
ただ、「ここは映像化してくれよ」という
欲求がでできますよね。
三章冒頭の波動防壁の展開状況とか、映像
だけだとちょっと、わかりづらかったと
思います。
Ⅰ、Ⅱ(途中ですが)を読んで、丁寧に書かれて
いて好感が持てます、ぜひ最後まで頑張って
欲しいと思います。
それでは、今年もよろしくお願いします。
by はねゆき (2018-01-02 22:31)
はねゆきさん、あけましておめでとうございます。
そうですねえ、第四章までもう4週間を切りましたねえ。
いままでのパターンだと、1月中旬には先行上映会があって
同じ頃にPV第2弾が出るんじゃないですかね。
本編で映像化されていない部分については、
演出効果として故意に描いていない場合もあるのでしょうが、
全体的に単純に尺が足りない場合の方が多そうではあります。
ただまあ、これも記事に書きましたが
一から十まで映像化したらかえって冗長な気もしますが・・・
その辺の兼ね合いも難しそうですけどね。
ノベライズについては、はねゆきさんの書かれたことと同じく
私も高評価しています。
ぜひこのまま最後まで順調に刊行されることを願ってます。
ありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします。
by mojo (2018-01-03 02:21)