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探偵作家は沈黙する 平井骸惚此中ニ有リ [読書・ミステリ]

探偵作家は沈黙する 平井骸惚此中ニ有リ (角川文庫)

探偵作家は沈黙する 平井骸惚此中ニ有リ (角川文庫)

  • 作者: 田代 裕彦
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/10/24
  • メディア: 文庫



評価:★★★

大正12年、帝大生の河上太一は、
探偵小説家・平井骸惚のもとに押しかけ、無理矢理弟子入りを懇願する。
平井の妻、澄(すみ)の取りなしで、居候として置いてもらうが
娘・涼(すず)とは初めて会った早々から犬猿の仲となってしまう。

そんなある日、平井の知人で探偵小説の評論、翻訳、
さらには創作まで行っていた池谷是人(いけたに・これひと)が
不可解な自殺を遂げてしまう。

池谷は、密室状態だった自宅の書斎を抜け出し、
庭にある樫の木で縊死していたのだ。

太一は、平井に弟子として認めてもらうために
事件の謎を解き、真犯人を見つけ出そうとするが・・・


読んでいて、首を傾げることがいくつか。

例えば密室トリックは、確かに心理的な盲点だとは思うが
警察が気づかないってことがありうるのかな?
まず現代では絶対に通用しないトリックだと思うし。
いくら大正時代とは言っても、そこまで警察がボンクラかなあ。

動機についてもそう。
まあ、本格ミステリにリアルな動機は不要だ、
って論法もありかとは思うが、それでも
読者を納得させるに必要最小限なものは必要かと。
犯人の動機がそれにたり得るものかどうかは
作品の舞台設定とか犯人の人物設定とかによると思うんだけど
本作の場合、ちょっと納得できかねるかなあ・・・
まあこれは読む人によって解釈は異なるかとも思うけど。


本書はもともとライトノベルのレーベルから出版されたものの
新装版とのこと。
そのせいかと思うが、ミステリとしての部分と
太一と涼をメインとしたキャラたちの群像劇が同時並行していく。

探偵役となる骸惚、妻の澄、涼の妹の潑子(はつこ)、
編集者の香月緋音(あかね)嬢、そして警視庁の足立警部補と
サブキャラたちも多彩で個性的。彼らの掛け合いもまた楽しい。
そして何と言ってもヒロイン・涼ちゃんのツンデレぶりがカワイイ。

ミステリとしてなら星2つ、
私の好きな明治~大正~昭和初期の話なので星半分、
そしてキャラ立ちで星半分。
合計して星3つ、ということで。


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mojo

はじドラさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-01-16 00:53) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2017-01-16 00:53) 

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