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熱帯夜 [読書・その他]

熱帯夜 (角川ホラー文庫)

熱帯夜 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 曽根 圭介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/10/23
  • メディア: 文庫



評価:★★

中編3つを収めた作品集。
内容もミステリ、SF、ホラーと多彩。
でも、この作者の作品とはやっぱり相性が悪いことを再認識した。

「熱帯夜」
 友人の藤堂夫妻のもとを訪れた "ボク" 。
 そこへ藤堂の借金取り立てに二人組のヤクザが現れる。
 妻・美鈴の親の元へ金策に向かう藤堂だが、
 ヤクザに切られた期限はわずか2時間・・・
 峠道で人をはねてしまった "ワタシ" 。
 ところが重傷を負わせた相手は1000万円という大金を持っていた。
 なんとか事故を隠蔽してしまおうと画策する "ワタシ" だが・・・
 交互に語られる2つのストーリーが、ラストで意外な形でつながる。
 日本推理作家協会賞短編部門の受賞作というのもうなずける、
 構成の妙が光るミステリー、ではあるのだが・・・
 こういう雰囲気の話は苦手だなあ・・・ 

「あげくの果て」
 少子高齢化が極限まで進んでしまった近未来の世界を描いたSF。
 日本はいつ終わるとも知れない対外戦争を遂行中。
 高齢者を排斥し、"民族若化運動" を進める「青い旅団」や、
 "敬老主義" を掲げる「連合銀軍」などの政治団体や過激派が台頭し、
 社会不安が増大する中、70歳を迎えた国民は全員が
 ある "試験" を受けることが義務づけられている。
 上記「熱帯夜」と同じく、3人の主人公の物語が並行して語られる。
 70歳になって、"試験" を受けに来た哲司、
 交通事故の後遺症で経済的に窮している光一、
 プロサッカー選手を夢見る中学生・虎之助。
 この3つのストーリーも、終盤近くになって意外な形で交錯する。
 "試験" の正体も含めて、SFとしても良くできてるんだけど、
 やっぱりこういう雰囲気の話は苦手だ。

「最後の言い訳」
 死者が蘇り、ゾンビ化した者が
 常人と混じって生活する世界を描いたホラー。
 しかしこの "蘇生者" 、実は生者の人肉が大好物だった。
 最初はごく少数だった蘇生者だが、
 物語が進むにつれてどんどん数が増えていき・・・
 うーん、やっぱり私はこういう雰囲気の話は苦手だし、
 ホラーはどうにも好きになれないことを再認識した。


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mojo

makimakiさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-08-13 20:52) 

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