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謎解きはディナーのあとで2 [読書・ミステリ]

謎解きはディナーのあとで 2 (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで 2 (小学館文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: 文庫



評価:★★★

富豪令嬢にして刑事の宝生麗子、
麗子付きの執事・影山、
金持ちでぼんぼんの上司・風祭警部。

3人のレギュラーメンバーが活躍する連作短編集第2弾。
この後出た「3」も含めると累計380万部突破だそうな。
いやあ売れてますねえ。

内容も安定度抜群の本格ミステリ集になってる。

「アリバイをご所望でございますか」
 タイトル通り、犯人のアリバイ工作を影山が見破るのだけど
 そこは単純な構成に終わらせないのは流石。
 ミステリ的には本書中で一番かな。

「殺しの際は防止をお忘れなく」
 犯行現場から、被害者が持っていた帽子がごっそり消える。
 犯人が帽子を持ち去るに至った理由付けがよく考えられてる。

「殺意のパーティにようこそ」
 影山って宝石に関する知識も豊富だけど、
 驚くべきは卓越した人間観察力だねぇ。

「聖なる夜に密室はいかが」
 "足跡のない殺人" なんだけど、
 そんなことよりも、クリスマスの夜に予定が入って
 外泊するっていう影山に心穏やかでない麗子がかわいい。
 ラストで、影山の事情が判明した後の麗子の行動もナイス。

「髪は殺人犯の命でございます」
 被害者は、自慢だった長い黒髪を短く切られていた。
 その理由が意表を突くもので、
 それによって事件の様相を変えてしまう。
 いやあホントに上手い。

「完全な密室などございません」
 密室トリックはちょっとアレだが、
 麗子が影山に抱く感情が明らかになるシーンは
 ファンが大喜びするところだろう。
 そのわりに影山の反応が薄いのは、やっぱり
 "分を弁えている" から?
 ラブコメとしても、よくできてる一編だと思う。


人気作家になって、おそらく執筆量も増えているだろうに
ミステリとしてのレベルが(本書に関しては)
全く落ちてないのはたいしたもの。

願わくば、がんばって本格ミステリを書き続けて欲しいなあ。
間違っても「月刊作家」にはならないでください。お願い。


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コメント 3

mojo

makimakiさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-08-10 22:31) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-08-12 00:35) 

mojo

コースケさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-08-12 00:36) 

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