ブンデスの星、ふたたび ホペイロ坂上の事件簿 J1編 [読書・ミステリ]
ブンデスの星、ふたたび (ホペイロ坂上の事件簿 J1篇 ) (創元推理文庫)
- 作者: 井上 尚登
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: 文庫
評価:★★★
プロサッカーチーム・ビッグカイト相模原。
前作ラストで昇格を果たしたものの、
今シーズンは降格圏ぎりぎりをウロウロ。
ホペイロ(用具係)兼雑用係として働く坂上くんの仕事量も増えるばかり。
そんな彼がチーム内で出会う奇妙な事件を描く第三作。
今回もさまざまな事態に巻き込まれる坂上くん。
交通事故で記憶を失った女性の過去を辿るお手伝いとか
初めて持ったアシスタントの不手際のフォローとか
元ブンデスリーガ選手の家庭内のいざこざとか
バックヤード・ツアー中に現れた子供の幽霊騒ぎとか。
最初の頃と比べるとかなりミステリ色が薄まり、
ほのぼの系ヒューマン・ドラマ的な話が多くなってきた。
最終話では、チーム内で起こった携帯電話の盗難騒ぎがきっかけで
"恋のハットトリック" が成立するという、なんともおめでたい話で
これでいちおうの大団円。
坂上くんとも、ひとまずのお別れである。
洗濯係の光恵さんとか広報の撫子さんとか
元気くんとか森くんとか奈々子さんとか
レギュラーメンバーもすっかりなじみになったんだけど
もう彼らの話が読めないと思うと、ちょい寂しさもある。
ガチガチのミステリを期待すると当てが外れるけど、
肩の凝らない "ちょっといい話" が読みたい人にはオススメかな。
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