怪獣文藝 [読書・SF]
評価:★★★
怪獣関係のアンソロジー。
内訳は小説が9作、対談が2つ、評論が1つ。
表紙が、夜の都会を破壊しているゴモラみたいな怪獣の絵なので
そっち系の話が多いかと思うと、さにあらず。
(実は私もそっち系の話を期待してたんだけど・・・)
ウルトラマンや科学特捜隊みたいな、"怪獣退治の専門家" の方々は出てこないので、
どちらかというと「ウルトラQ」「怪奇大作戦」みたいな話がメインだった。
じゃあつまらなかったかというとそうでもなくて、どの作品もけっこう楽しめた。
いちばん面白かったのは、意外にも専業作家ではない、
俳優・佐野史郎の書いた小説、「ナミ」。
星野之宣の「宗像教授シリーズ」を彷彿とさせる伝奇小説になってる。
文才あるんだね、佐野史郎さん。ちょっと羨ましい。
山田正紀の「松井清衛門、推参つかまつる」は幕末を舞台にした
和製ヒロイック・ファンタジーの趣。さすがはベテランの安定感。
雀野日名子「中古獣カラゴラン」は、
ユーモア・ホラー小説(そんなジャンルがあるのかは知らんが)かな。
逆に、「巻頭フルカラー」という
堂々のスポットライトを受けるところに載ってる2作は、
私にとっては、今ひとつだった印象。
これで1,900円はちょい高かったかな・・・とも思ったんだけど
(なにせ装丁が凝ってるのでコストがかかったんだろな~)
第二弾が出たらきっと買っちゃうんだろうな・・・
読んでる途中で知ったんだけど、この本、
怪談専門誌「幽」を出してるメディアファクトリーが編集してるんだね。
「なるほどなー」って思った。
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