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ゴーストハント6 海からくるもの [読書・その他]

ゴーストハント6 海からくるもの (角川文庫)

ゴーストハント6 海からくるもの (角川文庫)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/06/15
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

 主人公兼語り手は女子高生・谷山麻衣。彼女がアルバイトをしているのは心霊現象を専門に調査する「渋谷サイキックリサーチ」(SPR)。

 そこの所長である美少年、通称ナルと個性的なゴーストバスターたちが繰り広げるホラーな冒険を描くシリーズ、第6作。

 SPRに現れたのは、吉見彰文(よしみ・あきふみ)という青年。
 彼が連れてきたのは姪の葉月。彼女の背中には、湿疹のようなものが現れていて「喘月院落獄童女」の文字が浮き出ていた。

 彰文によると、吉見家は能登で高級老舗料亭を営んでいるのだが、代替わりのたびに多くの死人が出るのだという。

 能登に乗り込んだ一行が到着したのは、日本海に突き出た岬の上にある建物で、周囲は断崖になっていた。
 彰文の祖母によると、32年前の代替わりの時には家族から8人、店の客からも2名の死者が出て、さらには呼んだ霊能者たちも次々に亡くなったという。

 前当主である彰文の祖父が亡くなったばかりで、父が次期当主になるのだが、過去の経緯があって現在店は休業中とのこと。
 その間に、過去の大量死事件の真相と、吉見家に仇なす存在の正体を突き止めようと、SPRの調査が始まるのだが・・・

 前回の洋館とは打って変わって、日本建築の老舗料亭が舞台。近くの断崖には洞窟があって、その中には謎の祠があるなど和風ホラーな雰囲気や道具立てもバッチリだ。

 さて、現在の吉見家一族だけでも13人いて、さらに調査によって過去何回かの代替わりのときにも大量死が起こっていたことが判明していく。
 その過程で多くの人名や地名が登場するのだけど、先祖の誰々が何処其処に住んでいたとか、誰々と誰々が親子だ兄弟だ叔父叔母だ甥姪だ婿養子だ、とかの関係が入り乱れてきて、だんだんついて行けなくなってしまう(笑)。
 まあ私のアタマの容量が小さいのが悪いのだろうけど、人物名一覧と系図を載せてくれると助かるんだがなぁ、てのは一度ならず思った。
 まあ、”館ミステリ” ではないので、一族の詳しい歴史や細かい人間関係まで把握してなくても読み進めるのに支障はないのだけど。

 さて、シリーズ当初からのレギュラーメンバーである松崎綾子さん。口は達者な割にあまり役に立ったシーンがみられなかったのだけど、本作では大活躍。綾子さんファン(実は私もそうだが)は必読だろう。

 終盤に至っては、ナルも自ら怪異に立ち向かう展開となる。まさに ”真打ち登場” である。

 さて、このシリーズは次巻がラストとなる。SPR一行が能登から東京へ帰る途中でまた新たな怪奇に巻き込まれる話で、時間的にも本書と連続している。

 実はこの文章を書いてる段階で最終巻まで読み終わってるのだが、シリーズ中で提示されてきた謎のあれこれが説き明かされて、大団円となる。
 こちらも近々記事にしてアップする予定。


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