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レアリアⅠ~III [読書・ファンタジー]

レアリアI (新潮文庫nex)

レアリアI (新潮文庫nex)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/08/28
  • メディア: 文庫
レアリアII: 仮面の皇子 (新潮文庫nex)

レアリアII: 仮面の皇子 (新潮文庫nex)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/08/28
  • メディア: 文庫
レアリアIII(前篇): 運命の石 (新潮文庫nex)

レアリアIII(前篇): 運命の石 (新潮文庫nex)

  • 作者: 紗衣, 雪乃
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/12/23
  • メディア: 文庫
レアリアIII(後篇): 運命の石 (新潮文庫nex)

レアリアIII(後篇): 運命の石 (新潮文庫nex)

  • 作者: 紗衣, 雪乃
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/12/23
  • メディア: 文庫

まず、私は勘違いをしていました。
このシリーズはまだ完結していなかったのですね。

私の ”積ん読” の山に埋もれていた本なんだけど
「I」が2014年9月、「II」が2015年9月、
「III(前後編)」が2018年1月の刊行で、
それ以後3年以上音沙汰がなかった。

だから、てっきり完結したものと思い込んで
読み始めたんだけどねぇ・・・

舞台となるのは、帝国と王朝が長い間争い続けている異世界。

帝国には、兄王家・魔女家・法皇家の三大勢力がある。
兄王家は現皇帝を擁し、魔女家は軍事・外交を担当、
法皇家は神事と経済面で帝国を支えていた。

主人公ミレディアは幼い頃に ”魔王の森” で命を落としかけた。
彼女を救ってくれたのは謎の少年アキだったが、彼は姿を消した。

ミレディアは魔女家に保護され、当主オレンディアのもとで養育される。
12歳になったミレディアは、王朝軍との戦いのさなかに
アキと再会するが、彼は法皇の神官ロジェと名を変えていた。

帝国軍の軍師として目覚ましい働きを見せるロジェだったが、
彼の行動には不可解なものがつきまとう。

1年後、要衝グランゼリア城の攻防は激戦を極め、
甚大な被害を被った帝国と王朝は、5年間の停戦協定を結ぶ。

そして4年。停戦終了まで1年となったところで
帝国では次期皇帝を決める会議が始まろうとしていた。

候補の筆頭は、法皇家が推す12歳のラムザ皇子。
しかし法皇家は戦争再開派の筆頭だった。

グランゼリア戦では、名だたる武将がことごとく討ち死にしており、
魔女家当主オレンディアは、再戦したなら帝国の敗北は必定と考えていた。

オレンディアは、再戦派の法皇家を抑えるために、
魔女家が後見する12歳の皇子アリルを皇帝候補として擁立する。
さらに、彼を魔女家が後押ししていることを内外に示すべく、
17歳になっていたミレディアをアリルと結婚させることを決めた。

かくして、ミレディアは帝都に向けて旅立つことに・・・

長々と書いてきたけど、物語は17歳のミレディアを中心に進む。
つまり ”魔女の森” とか、アキとの再会とか、グランゼリア戦とかの
過去のエピソードは本筋の間に挟み込まれて語られるのだけど
とにかく、過去シーンが頻繁に登場するし、しかも長い。

時系列も分かりづらくて、正直読みやすいとはとても言えない。

しかも、本筋の進みも遅い。
文庫4冊、1400ページを超えて、作中時間は3か月くらい?

よく言えばゆったり進んでる。

書類上の夫でしかないアリルと、次第に交流を深めていくくだりや、
ロジェ(アキ)への愛憎半ばする感情を心の奥底に秘めるなど
ミレディアというキャラはなかなか面白いし、応援したくはなる。
しっかりしているようで案外うっかりしているところも微笑ましい。

”ツギハギ部隊” の生き残りレナートや最凶将軍ギィなど、
ミレディアを囲むキャラもユニーク。
彼女の親代わりとなるオレンディアとその義弟ミルゼリス。
現皇帝ユーディアスと黒衣の宰相セシル、法皇フロレンス。

綺羅星のように多彩なキャラが登場してきて、確かに魅力的なんだが
上にも書いたように物語の進みがゆったりしていて・・・

こういう雰囲気が好きな人にはたまらないのかも知れないが。

これも上に書いたが、「III・後編」を読んで驚いたよ。
完結しなかったのもそうだけど、さらにもう一つ。

本編は160ページほどで終わり、そして
その後に200ページほどの「碧落」という章がある。
これは本編の4年前のグランゼリア戦を描いた中編だ。

この構成には首を傾げてしまったよ。

本編中でもさんざん語られてきたグランゼリア戦を
なぜここでまた語るのか。
本編中に語られなかったことも書かれてるが
それはそんなに重要なことなのか。

それとも、ここにそれを置く必然性があるのかな。
次巻となる「レアリア・IV」を語る上で、
この「碧落」のエピソードが必要なのか?

 そんなにグランゼリア戦を語りたかったら、
 3巻くらいをまるごと過去編に費やして
 「レアリア・グランゼリア編」とでもしてまず刊行し、その後に本編を
 「レアリア・選帝侯会議編」として刊行したらいいのでは。
 そんなことを思った。


時系列が頻繁に前後して、ストーリーがなかなか進まない。
これがこの作者の持ち味、作風なのでしょうか。
だとしたら、この人とは波長が合わないなあ・・・

続きが出たらどうするかなぁ。
ミレディアの、そして帝国のその後は気になるんだが
たぶん、買わないような気がするなぁ。


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