宇宙戦艦ヤマト2199 第6巻 (コミック) [アニメーション]
宇宙戦艦ヤマト2199 (6) (カドカワコミックス・エース)
- 作者: むらかわ みちお
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/01/23
- メディア: コミック
帯に「星巡る方舟 全国ロードショー公開中!」
ってあるのはご愛敬だね。
本来なら本書は12月発売のはずだったから。
「追憶の航海」のエンディングの画を描いたり
トークショーだかに駆り出されたりと
お忙しい身体でしたからねえ。
※以下の文章はネタバレを含みます。未読の方はご注意を。
内容は、主にTVアニメ版12話・14話がベース。
冒頭はバレラスでのドメル叙勲式からはじまる。
墓地でのエリーサとの再会、そして
シュルツの墓参りに来たヒルデとの邂逅へと続く。
彼女にかけるドメルの言葉が、実に心にしみる。
いやあ、ヒルデ嬢にこんなに泣かされるとは・・・
萌えキャラとして人気が出たけど、コミック版では
しっかりと血肉を備えた人間として描かれている。
そして舞台はヤマトへ移り、ミレーネルによる精神攻撃へと続く。
アニメでは描かれなかったキャラたちの過去も垣間見える。
○相原
音大志望だったというのは驚き。
高校時代はけっこうモテてたんじゃないのかい?
父親を襲った悲劇などPart.1のエピも拾ってる。
○山崎
ここは12話の内容がほぼそのまま描かれている。
芹澤の言うところの「確かな情報」とは
どんなもので、どこから得られたもののか?
気になるところだが、今後それが明かされることはあるのか?
○沖田
"あの写真" を撮影するシーンがある。
"あの写真" に写っているのは沖田の息子ともう一人の女性。
彼女は息子の奥さん。大方の予想通りだね。
息子さんは戦死したことは分かっていたけど
奥さんの方は本編では何も描かれなかった。
たぶん遊星爆弾で亡くなっているのではないか・・・と
私は思っていたし、同じような予想の人も多かったと思う。
だが、コミック版は意外な "真実" を描く。
(あくまでむらかわ氏の解釈だろうが。)
これはかなりショッキングなものだが
TV最終話で写真を見ながら涙する沖田の姿を思い出すと、
これくらいの深い "業" を背負っていても
不思議ではないようにも思う。
あと、火星沖海戦とおぼしき戦いで、古代守が砲雷長らしき役割で
沖田が指揮する艦のブリッジにいるシーンもある。
○伊東
TV版で見せた、屈折した人間不信ぶり。
そしてあの「これだから女は!」の台詞。
彼がそうなった原因の一端を垣間見せてくれる。
○山本
山本の記憶の中に入り込んでいる時、
ミレーネルが涙を流すシーンが。
彼女にも山本と重なるような哀しみがあった、ということか。
○真田&新見&古代守
17話での真田の回想シーンも盛り込んである。
新見さんは真田にも守にも
「自分に正直になったほうがいい」って言われる。
真田さんからは「古代守を愛してる」と思われ、
守からは「真田を愛している」って思われている、
・・・てことなのかな?
ならば彼女の "正直な気持ち" ってのはどこにあるのか?
これも、今後の展開で明らかになるのかな。
しかし、守というのは完璧超人だね。
戦士としても人間としても、進のはるか先にいる。
もし守がヤマトに乗り込んでたら、
沖田はどんなに心強かっただろう。まあ、それだと
かえって病気で寝込むのが早まったかも知れないけど。
(女性陣も守を囲んでハーレム状態になったかもなぁ。
でもそれを延々と描いたらヤマトではなくなってしまうなぁ。)
○古代進&森雪
最後はTV版どおり主役コンビでシメ。
古代の頬にキズがある理由が分からなかったんだけど
最後で明かされる。
で、読み返してみると5巻の段階からちゃんと
伏線が張ってあったんだね。いやあ、たいしたもんです。
今回は戦闘シーンはほとんどなく、
キャラの内面を掘り下げる内容がメイン。
もちろん、ファンがそれぞれのキャラに対して
長年にわたって(笑)持っているイメージというのがあるから、
内容によっては受け入れがたいと感じる人もいるかも知れない。
そのへんはリメイク作品の宿命だろう。
でも、アニメでは描かれなかったキャラの内面描写は、
(たぶん、ほとんどはむらかわ氏のオリジナルだと思うけど)
私には興味深く、かつ、面白く読ませてもらったけど。
アニメは "ひと区切り" ついてしまったから
コミック版は貴重な "ヤマト源" (笑)。
全12巻予定と聞いているので、本作で折り返しのはず。
残り6巻、たぶんあと3年くらいは楽しめるだろう。
期待しています、むらかわさん。
頑張って完走して下さい!
次巻は次元潜航艦とビーメラ星かな?
mojoさん、こんばんは。
先般、ヤマトに関しては暫くお目にかかれないかなと残念に思っていたところに、いきなりヤマト連発でとっても嬉しいです!!
私もむらかわ先生のコミック第6巻は早速買って読んだのですが...
こんなこと述べて大変申し訳ないのですが、「う~ん...6巻にしてこれは...」とちょっぴり残念な感想です。
もちろん、コミカライズとしてキャラのエピソードはかなり膨らませるのは当然だし興味深かったですが、率直に言って「伊東」以外は想定内のエピソードでした。沖田艦長に至っては個人的には「あの写真」に留めて欲しかったのに、アレはちょっとヤリ過ぎだと思います(ところで小説版では息子の嫁でなく沖田の若妻でしたね)。
勝手な意見を連ね、mojoさんにも誠に申し訳ないのですが、むらかわ先生も「2199の大筋は外さない」との制約の下で描かれているような気さえしてしまいます。
と...批判的なことばかり論ってきましたが、真田ー新見ー守の関係や、ユリーシャとミレーネルの邂逅(そなたは...ってサーベラ―かいw)など、ハッとさせられるものも多かったです。
mojoさんが仰る様に、古代守はホント「宇宙無敵」ですよね!
だから物語の進行上、「あまねく宇宙を救済する女王」と結ばせて、早々にご退散願ったのでしょうか(笑)
by めとろん (2015-01-29 23:06)
めとろんさん、こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
>いきなりヤマト連発でとっても嬉しいです!!
たまたま続けて手に入ったのですけどね(^^;)。
>「う~ん...6巻にしてこれは...」とちょっぴり残念な感想です。
>「伊東」以外は想定内のエピソードでした。
>沖田艦長に至っては個人的には・・・ヤリ過ぎだと思います。
「いま語るべき宇宙戦艦ヤマト」の記事でも書きましたけど
"100人のヤマトファンがいれば、評価も100通り存在する"
のですから、めとろんさんにはめとろんさんの評価があって
然るべきかと思います。
>勝手な意見を連ね、mojoさんにも誠に申し訳ないのですが、
いえいえ、そんなことはありません。
めとろんさんの批判も十分理解できます。
このコミック6巻の記事を書いたあと、ネットで本書の感想を
検索してみましたけど、賛否両論あるみたいですね。
めとろんさんと同じような感想を抱いた方も多いのではないでしょうか。
沖田の "写真の女性" エピソードについては
たしかに私にもショッキングではありました。
その当たりが受け入れられない、という意見もわかります。
>むらかわ先生も「2199の大筋は外さない」との制約の下で
>描かれているような気さえしてしまいます。
タイトルに「2199」と銘打ってある以上、
そんなにかけ離れるわけにはいかないのでしょうね。
大人の事情もあるでしょうし(笑)。
その制約の中で「どこまで独自性を出せるか」を
測っているようにも思えるんですけどね。
>真田ー新見ー守の関係や、ユリーシャとミレーネルの邂逅など、
>ハッとさせられるものも多かったです。
真田ー新見ー守の "愛のトライアングル" はいいですね。
このあたりはぜひOVAか何かで映像化してほしいところです。
>古代守はホント「宇宙無敵」ですよね!
>だから物語の進行上、・・・早々にご退散願ったのでしょうか(笑)
古代守を主人公にすると、
それこそヤマトが無敵になってしまいそうですよね(笑)。
でも、ヤマトの副長を務める古代守も見てみたかった気がします。
ヤマト関連の作品に対して、みんなであーだこーだ言えるのは、
そういう作品が商業ベースで発売されているからこそで、
考えたらとても幸せなことですよね。
数年前には考えられなかったことなんですから。
だからといって、出たものを100%礼賛する必要もありません。
公的に発表したものは、批判に晒されるのもまた宿命ですから。
むらかわさんは、たぶん批判されるだろうと知りつつも
あえて "むらかわヤマト" を描いたのでしょう。
"100人のヤマトファンがいれば、評価も100通り存在する"
言い換えれば
"何をどう描いてもヤマトファンすべてに受け入れてもらうことは不可能"
なんですから、
「それならば、"俺ヤマト" を描こう」
って思ったんじゃないですかね。
ひさびさにコメントの返事を書くことができました。
でも、続編製作の発表でもない限り、これからは
ヤマトネタの記事を書くことも少なくなるんでしょうねえ。
とても淋しいんですけどね。
これからも、よろしくお願いします。
by mojo (2015-01-30 00:33)