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怪盗グリフィン、絶体絶命 [読書・ミステリ]

怪盗グリフィン、絶体絶命 (講談社文庫)

怪盗グリフィン、絶体絶命 (講談社文庫)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: 文庫



評価:★★★

「講談社ミステリーランド」シリーズの一冊として刊行された
ジュブナイル・ミステリ・・・なんだろうなあ。

怪盗グリフィンのもとへ、奇妙な依頼が舞い込む。
「ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されている
 ゴッホの自画像は贋作なので、ホンモノとすり替えてほしい」

"あるべきものを、あるべき場所に" が信条のグリフィンは
依頼を受けるが、これはCIAが仕掛けた巧妙な罠だった。
友人夫妻を人質に取られたグリフィンは、
<フェニックス作戦>の実行を強要される。

かくして、グリフィンは合衆国の機密を秘めた "あるもの" を盗むべく、
CIAの美人エージェント・アグネスとともに
カリブ海のボコノン共和国へ潜入することになる・・・


まず目次を見て驚く。
本編は文庫で270ページほどだが、83も "章" がある。
一章が3~4ページと短い。なんでそんなに章が多いのかは
「訳者あとがき」に記されている。
でも、これほど頻繁にあると読んでいてもなんだか落ち着かない。
(この「訳者あとがき」自体、人を食ったお遊びなんだけど。)

前半部分を読んでいて気になったのは、贋作についての蘊蓄とか
ボコノン共和国の建国から革命への歴史とかが
けっこうボリュームがあること。
最後まで読んでみると、必要性があったことは分かるんだけど
ストーリーが本格的に展開する前で、しかも
キャラたちにもまだ馴染めていない段階で
こういう横道が長いと少々疲れるなあ・・・。

現地入りしてからの展開はスピーディで楽しく読めるんだけど。

 もともとは、小学校高学年~中学生くらいを対象に
 書かれたんじゃないかと思うんだけど、
 小学生でわかるかなあ・・・
 まあでも本が好きな子供って、大人の予想以上に読むんだろうなあ。
 多少分からないところがあってもどんどん進んでいってしまいそう。

上記の「訳者あとがき」にもあるんだが
大人(というか本好きな人)だからこそわかる "仕込み" も多い。
そういう意味では、大人でも楽しめる作品でもある。

作戦中、グリフィンと "新婚夫婦" を演じることになる
相棒のアグネス嬢が魅力的で可愛い。
有能すぎる現地の工作員・エミリオもいい味出してる。

適度にアクション、適度にドタバタ、適度にラブコメ。
作中ではあまり "怪盗" らしくないグリフィンだったけど
ラストはしっかりミステリ。

またグリフィンとアグネスの活躍が読みたいなあ。
続編って出ないんでしょうか?


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mojo

makimakiさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-09-24 21:52) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2014-09-24 21:52) 

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