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いとみち [読書・青春小説]

自慢じゃないが "メイド喫茶" って入ったことがない。
(ホントに自慢にならないね。)
半世紀以上生きてるオジサンには敷居が高そうで。

実は8月のお盆の頃に秋葉原に立ち寄った。
買い物に行ったんじゃなくて、昼飯を食べるためだったんだけど。
道ばたに可愛いフリフリのユニフォーム着たお姉さんが立って
なにやら黄色い声で宣伝してるんで、
「ああ、メイド喫茶ってまだあるんだなぁ」とは思ってたが。
セーラー服のお姉さんもいたけど、
年齢的にかなり苦しそうな方もいてちょっと "痛い" ことも。
あ、入ったのはケンタッキー。チキンが食べたかったもんだから。
フィレサンドのセットを食べて帰ってきました。
なぜか店内には外国の方が多かったなあ・・・

閑話休題。


読んだのは文庫版だったんだけど、単行本の表紙も貼っておく。
文庫の表紙も味があるけど、
やっぱ単行本のイラストのほうが可愛いんだもん(爆)。


いとみち (新潮文庫)

いとみち (新潮文庫)

  • 作者: 越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/10/28
  • メディア: 文庫




いとみち

いとみち

  • 作者: 越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 単行本



評価:★★★☆

ヒロインの相馬いとは青森県在住の16歳。
弘前市内の高校へ入学したのを機に、極端な人見知りを直そうと
思い切って<津軽メイド珈琲店>でアルバイトを始める。
ちなみにこの店は "本州最北端のメイドカフェ" らしい。

しかしいとちゃんの前途は多難だ。
背は低いし、スタイルだってお世辞にも "抜群" とは言えないし、
それに加えて、やることなすこと失敗ばかりのドジっ娘体質のようだ。
何よりも、濃厚な津軽訛りのせいでお約束のご挨拶が言えない。

「おかえりなさいませ、ご主人様」のはずが
「おがえりなさいませ、ごスずん様」になってしまうのだから・・・

真面目な店長、シングルマザーの先輩メイド・幸子さん、
もう一人の先輩・智美さんは漫画家志望。
いとちゃんに、何かと目をかけてくれるオーナー。

そんな周囲の人々に鍛えられ、あるいは支えられ、
成長していくいとちゃんの姿が描かれていく。


いとの母・沙織は11年前に他界していた。
そのため、いとちゃんは父・耕一と祖母・ハツヱに育てられた。

このハツヱさんが超濃厚な津軽訛りの持ち主で、
つまりいとちゃんの訛りはハツヱさんが原因。
(あんまり発音が独特すぎてひらがな表記が出来ない。
 じゃあどんな風に表記されているか?は読んでのお楽しみ。)
津軽三味線の名手でもあり、じょんがら節はもちろん、
ヴァン・ヘイレンまで弾きこなしてしまうという
ロックンロールなグランドマザーだったりする。
本書中、ある意味もっとも強烈なキャラだ。

いとちゃんもまた津軽三味線の技量を祖母から受け継いでいる。
中学2年のときには名の通ったコンクールで
審査員特別賞を受賞したほどの腕前だったが、ささいなことから
いとちゃんは三味線から遠ざかってしまっていた。

そして、いとちゃんが高校生活最初の夏休みを迎え、
バイトにもちょっとずつ慣れてきて、
常連のお客さんとも顔なじみになってきたある日。
お店の存亡に関わる大事件が勃発する・・・


なにより、ヒロインのいとちゃんが可愛い。これに尽きる。
何事にもひたむきで一所懸命でとことん頑張る。
背は小っちゃいけど美人、ドジっ娘だけど楽器の名手。
物語の終盤近くで智美さんが言うとおり "萌え要素満載" だ。

ラスト近くで明かされる両親の馴れそめ話も素敵だし、
<津軽メイド珈琲店>にすべての関係者が集まるクライマックスでは
いとちゃんの奮戦ぶりに、感動で目がうるうるしてしまった。
ホント最近涙もろくて困る。
でもオジサンはこういうのに弱いんだよなあ。


本書は三部作のうちの一作目だとのこと。
三作でいとちゃんの高校三年間を描くらしい。
二作目以降はまだ文庫化されていないけど、楽しみに待ちたい。


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