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隠蔽人類 [読書・ミステリ]

隠蔽人類 (光文社文庫)

隠蔽人類 (光文社文庫)

  • 作者: 鳥飼否宇
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/10/08
  • メディア: 文庫
評価:★★★★

形質人類学者・日谷隆一(ひたに・りゅういち)が率いる調査チームは
アマゾン川の奥地で未知の民族・キズキ族を発見する。

彼らは文明と隔絶した世界で暮らしてきた未接触民族で
身体的特徴も生活様式も、近隣の他の先住民とは大きく異なっていた。

どの民族と近縁なのかを調べるために彼らのDNAを調べたところ、
なんと現生人類であるヒト(ホモ・サピエンス)とは
3.8%の差異があることが判明する。

 ヒトの場合、遺伝的に一番離れた民族・人種間でも
 その差異は1%未満だという。

キズキ族はヒトとは異なる別種の人類、”隠蔽種” だった。
大発見に驚く調査チームだったが、その直後
チームのメンバーの一人が頭部を切断した死体で発見される・・・

これが第一話「隠蔽人類の発見と殺人」。
ラストで真犯人が明らかになるのだが、
その直後、物語は ”衝撃のラスト” を迎えてしまう。

そしてこの後、”隠蔽種” を巡る物語は
「隠蔽人類の衝撃と失踪」
「隠蔽人類の絶滅と混乱」
「隠蔽人類の発掘と真実」
「隠蔽人類の絶望と希望」
と続くのだが、なんとどの話も ”衝撃のラスト” を迎え、
その結末を受ける形で次の話が始まる。

つまり第二話以降の内容を説明するのが難しい。
というかネタバレなしには不可能なつくりになっている。

ネタバレしない範囲で書くなら、
”隠蔽種” にまつわる意外な真実が次々と明かされていき、
最終話「隠蔽人類の絶望と希望」では
予想外に壮大なスケールの物語へと変貌していく・・・くらいかな。

私は途方もないホラ話として楽しんだけど、
究極のバカミスだといって怒り出す人もいるかも知れない。
さて、あなたはどちらだろう。


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