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空から見た殺人プラン 天才・龍之介がゆく! [読書・ミステリ]

空から見た殺人プラン 天才・龍之介がゆく! (祥伝社文庫)

空から見た殺人プラン 天才・龍之介がゆく! (祥伝社文庫)

  • 作者: 柄刀 一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/03/11
  • メディア: 文庫



評価:★★★

名探偵・天地龍之介の活躍するシリーズも既刊が12冊になったという。
本書は、その文庫化された8作目(たぶん)。

龍之介は、巨額の遺産を受け継ぎながらもニート暮らしの日々。
彼の夢は、遺産を元手にした "学習プレイランド" の建設。

秋田県に候補地を定め、現在はプレイランドの運営に
賛同・協力してくれるスタッフを探して全国行脚の途中。
その旅の先々で様々な事件に巻き込まれて・・・という展開。


「秋田・仁賀保 誰にも見えない4号室」
 手に掛けた死体を、鳥籠のような "檻" に入れる
 "バード・ケージ" と呼ばれるシリアル・キラーが現れる。
 殺害対象になる人物に共通する "ミッシング・リンク" は
 "4号室に住む者" であるかに思われたが・・・
 終盤で明らかになる "見えない4号室" は、
 いくらなんでもこじつけのように思うんだけど
 でも、殺人鬼に常識は通用しないわけだしなあ・・・

「長野・諏訪 龍神の渡る湖」
 姉夫婦を破滅させた詐欺グループの主犯への
 復讐を目論む雑誌記者・吉田清之(きよの)。
 彼女を止めようとする龍之介たちだったが・・・
 復讐譚でありながらラストは意外にもコン・ゲーム。

「三重・鳥羽 真珠とバロックとあたしの部屋」
 鳥羽で働く桃子は、一年前に恋人・明洋を殺害されていた。
 未だ犯人は捕まっていない事件だったが、
 龍之介たちが訪れたことにより、新たな展開が始まる・・・
 真珠にまつわる蘊蓄が楽しいけれど、
 それがラストの伏線になってるのも流石。

「広島・厳島神社 神域の波打ち際」
 宮島の七不思議と、神事にまつわる秘密を龍之介が解き明かす。
 このシリーズには珍しく、殺人とかの犯罪は登場しない。
 日常の謎ならぬ "非日常の謎" というべきか(笑)。

「山口・秋吉台 空と大地の迷宮」
 文庫で150ページほどの中編。
 秋吉台に雨が降った時にだけ現れる "一時湖"。
 その湖底からダイバー姿の死体が現れる。
 物語の舞台は地底の大鍾乳洞から山の頂上、さらには空へ。
 水平方向にも上下方向にもかなり広範囲なミステリ。
 第一の殺人についてはちょいと偶然が過ぎるような気もするが。
 鍾乳洞が出てくると「八つ墓村」を思い出してしまう私は
 やっぱり古い人間なんだろうなあ・・・


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