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宇宙軍士官学校 -攻勢偵察部隊- 3 [読書・SF]


宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊― 3 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊― 3 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: 文庫
大河スペースオペラ・シリーズの第2部第3巻。

前巻で、〈粛正者〉の支配宙域であるアンドロメダ銀河への
初の長距離偵察作戦を敢行した、有坂恵一たち第1次偵察艦隊。

恵一の指揮する第2艦隊は、撤退時には最後まで戦闘宙域に留まって
見方の脱出を援護し、さらには〈粛正者〉が支配する惑星についての
貴重なデータまで持ち帰ってきた。

しかし、帰還した恵一を待っていたのは強制休暇命令。
彼に抗命行為があったという申し立てが、偵察作戦を指揮していた
ザーラ少将からあったため、これから査問会が開かれるのだ。

思わぬ休暇を得た恵一は太陽系へ戻り、地球の復興を見学したり
バーツやリーなどと旧交を温めることになる。

 外伝『幕間』で登場した、復興局の生物回収員の
 平泉乃愛さんも顔を見せてくれる。私、この子好きなんだよねぇ。

士官学校では、恵一は教務主任ウィリアム率いる訓練生たちと
艦隊戦のシミュレーションを行うことになる。
訓練生たちは善戦するものの、しょせん恵一の敵ではない。

 うーん、ますます ”不敗の名将” っぽくなってきたね。

一方、アンドロメダ銀河への第2次偵察作戦が実施される。
動員されたのは、第1次作戦の100倍近い3万5000隻の大艦隊。
しかし〈粛正者〉側からの予想外の猛反撃を受け、
5000名あまりの将兵がアンドロメダ銀河内に孤立してしまう。

この非常事態で休暇が取り消された恵一は、
査問会のためにケイローンの母星シュリシュクに戻るが、
そこでは ”特殊長距離戦闘救援艦隊” の編成が進んでいた。
目的は〈粛正者〉の勢力圏の奥深くまで侵攻し、遭難者を救出すること。

査問会では「有坂少将の行為は抗命に非ず」との裁定が下るが、
その舌の根も乾かぬうちに救援艦隊の指揮を命じられることになる。

 まあ、お約束の展開と言えばその通りなんだけど、
 能力のある者は徹底的に使い倒されるというのは
 何処も同じですか。

新たに ”上級少将” に任ぜられた恵一が率いる救援艦隊は
直ちにアンドロメダ銀河へ転移、
戦闘救援行動(コンバット・レスキュー)に入ったところで次巻へ。


このシリーズ全般に言えることだけど、
「定石通り」や「お約束の展開」があちこちに見える。
だけどそれが陳腐に見えなくて、「そうだよねぇ、そうこなくちゃ」
って思わせるあたり、やっぱり作者は上手いと思う。

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