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天空の防疫要塞 [読書・SF]


天空の防疫要塞 (ハヤカワ文庫JA)

天空の防疫要塞 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 銅 大
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/04/26
評価:★★★★

 時代は、人類が銀河の広範囲に移民を果たした遠い未来。
 多くの植民星が繁栄をしていたが、そこに銀河中心核から〈空食い〉(コスモファージ)が侵攻してきた。太古の異星人文明が遺した、単純な思考AIをもつ戦闘機械群だ。
 人類はそれに対抗すべく、防衛戦の拠点となる ”防疫要塞” を建造して〈空食い〉との戦いを続けていた・・・


 全体は二部構成になっている。

 第一部は、辺境惑星〈プリル〉が舞台。
 宇宙での技術者を目指す2人の少年、マックスとエランは順調に訓練をこなしていた。しかし〈空食い〉が〈プリル〉星系への侵攻を開始したことによって義勇防疫団へ入隊、防疫要塞〈パストゥール〉を中心とした、激しい戦いの場へと身を投じていく。
 この第一部は、植民星における未来の人類社会の描写も含めて、なかなかよくできたスペースオペラになっている。

 第二部では、その300年後の時代が舞台。
 この300年間、新たな〈空食い〉の侵攻はなく、義勇防疫団も縮小の一途、割かれる予算も削られて、防疫要塞〈パストゥール〉もその装備や武器のほとんどが ”凍結” 状態に追いやられていた。
 星間情勢も大きく変化した。星系のみならず、宗教団体や企業までが武力を持って睨み合うという、群雄割拠の状態になっていた。
 そんな時代に、冷凍睡眠から目覚めたマックスとエランは放り込まれる。
 2人は、硬直した人類社会を打破し、活力に満ちた時代の創出を目指して行動を開始していく。


 とても面白いのだけど、ラストまで来てもマックスとエランの行程は道半ばの印象。この先は読者の想像に任せるのかも知れないが、できたら続編を期待したいなぁ。
 300年前の〈空食い〉の侵攻はなんとか食い止めたものの、いつだって再襲来はあり得る。そのときまでに、2人は人類社会を変革できるのか。うーん、やっぱり続きが読みたいな。



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