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宇宙軍士官学校 -攻勢偵察部隊- 2 [読書・SF]


宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊―2 (ハヤカワ文庫JA)

宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊―2 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 文庫
大河ミリタリーSF「宇宙軍士官学校」シリーズ、第二部第2巻。

太陽系防衛戦を経験した ”銀河文明評議会” は
〈粛正者〉との戦いの方針を防御から攻勢へと転換し、
3つの長距離偵察戦闘艦隊を編成する。

その一つ、第2艦隊司令官に任命された恵一は、
〈粛正者〉の戦闘艦に偽装した新型艦に搭乗し、
他の2つの艦隊と共に、敵地であるアンドロメダ銀河へ向かう。

彼らがまず到着したのは、天の川銀河とアンドロメダ銀河の
ほぼ中間にある、矮小不規則銀河。
そこには、惑星の公転軌道サイズの球面で恒星を覆ってしまった
(いわゆる ”ダイソン球” ってやつ)超巨大サイズの戦闘要塞。

”銀河文明評議会” は、両銀河の中間点にこの規模の要塞を多数配置し、
ここで〈粛正者〉の艦隊を呼び込んで殲滅する計画らしい。

恵一たち長距離偵察戦闘艦隊は、この要塞群を越えて
アンドロメダ銀河内のある恒星系へ向かう。
その星系には複数の転移用プラットフォームが存在し、
〈粛正者〉にとっての物流のハブとなっていると思われた。

しかし、長距離偵察戦闘艦隊全体の指揮を任されたザーラ少将は
自らの栄達を優先した作戦を立案する。

 彼が戦功を挙げれば、彼の出身星系民の扱いも良くなるので
 一概に責めることはできないのだけどね・・・

ところが、アンドロメダ銀河内への超長距離転移の影響で
艦隊は戦力の4割を失ってしまう。
悪条件の中、恵一たち偵察艦隊の戦いが始まる・・・


後半は、戦場から脱出した恵一たちが漂着した星系でのエピソード。
ここで〈粛正者〉たちの生態の一端が明らかになる。


本筋には関係ないけど、本書の中で
個人的にいちばん響いた台詞を挙げておこう。

恵一にとって親友であり、有能な副官を務めていたバーツが
太陽系防衛戦で、太陽に対する恒星反応弾の飽和攻撃を
防ぎきれなかったことで自分を責める恵一に向けた言葉だ。

「誰にもできないことを ”やって当たり前だ” と
 無責任に他人を責める奴の言葉なんて聞く必要はない。」

とかく世の中は「結果が全て」という面があるのは否めないのだけど
フィクションの中でも、こういう言葉に接するとなんだか安心する。

ホントは、この台詞の後に続く言葉のほうを紹介したいんだけど
それをやっちゃうといささか長くなるのでここまで。
なかなか聞かせる(読ませる?)熱い名台詞になってる。

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