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キャプテン・フューチャー最初の事件 [読書・SF]

キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)

キャプテン・フューチャー最初の事件 (新キャプテン・フューチャー) (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2020/04/30
  • メディア: 文庫
評価:★★★★☆

『キャプテン・フューチャー』といえば、
今は亡き野田昌宏氏の翻訳でハヤカワ文庫から出ていた
スペース・オペラ・シリーズ。
とは言っても、一冊も読んでないんだが(笑)。

私にとっては、アニメ版のほうが馴染みがある。
『未来少年コナン』の後番組として
1978年から1年間、NHKで放送されたほう。
こっちはたぶん全話観てる。
ヒデ夕樹の歌う主題歌「夢の船乗り」もよく覚えてる。

配役を見ると懐かしい名前が並ぶ。
キャプテン・フューチャーは広川太一郎、ジョーンは増山江威子、
グラッグは緒方賢一、オットーは野田圭一
そしてサイモン・ライト教授は川久保潔。

 広川さんと川久保さん、そしてヒデさんは既に鬼籍に・・・(T_T)。

さて本書は、往年の人気作『キャプテン・フューチャー』シリーズを
現代的に ”リブート” しようという試みだ。

 2009年に始まった『スター・トレック』と同じだね。
 もっともあちらは映画3作で終わってしまいそうな成り行きだが(涙)。

物語は、主人公カーティス・ニュートンが20歳を迎えた頃に始まる。

生後間もなく両親を失ったカーティスは、月面のチコ・クレーターの
地下につくられた ”家” で、仲間とともに暮らしている。

かつて高名な科学者だったサイモンは、
今は脳だけの存在になって生き続けており、
オットーは人造細胞から生まれた合成人間、
グラッグは怪力無双のロボットで、
カーティスは彼ら ”三人” を家族として成長してきた。

月面で発見された異星人の遺跡を保護・保存することが決まり、
その記念式典が挙行される。
その式典に潜り込んだカーティスは、演題に立って演説する
月共和国選出の議員ヴィクター・コルボの姿を目にする。

彼こそ、20年前にカーティスの両親を殺した張本人だった。
それを知ったカーティスは、コルボへの復讐を誓う。

式典警護に当たっていた惑星警察機構のジョオン・ランドールは、
式典での不審な行動からカーティスのことをマークする。

一方、太陽系連合主席ジェイムズ・カシューは月を訪れ、
コルボとアームストロング・クレーターで会うことになる。
ジョオンを含め、惑星警察機構が護衛するその会見場を、
カーティスは襲撃しようとしていた・・・

孤児であったカーティス・ニュートンが
「キャプテン・フューチャー」となり、彼の仲間たちが
「フューチャーメン」と呼ばれるようになるまでの物語で、
いわば ”エピソード0”。
諸々の設定も21世紀の現代にふさわしく見直され、
あるいはリニューアルされていて、古くさい感じは全くない。

サイモンが脳だけの存在になった経緯も、
オットーが創られた目的も、
グラッグの出自もまた新たに ”語り直され” ていく。

カーティスの幼年期~少年期の成長のエピソードに絡めて
「キャプテン・フューチャー」というネーミングの由来も明かされる。
カーティス本人が、その呼称を嫌がっていたという設定も面白い。
そうそう、彼らの乗艦がなぜ「コメット号」となったのかも。

おそらく往年のファンからすると、「かゆいところに手が届く」
ような描写が多いのだろうと推測する。

メインヒロインとなるジョオンもいい。
凜とした振る舞いに有能さを窺わせる。
カーティスよりもやや年上に設定されているようだが
物語の展開上、これもうまく効いていると思う。
二人の仲の進展も楽しみだ。

ちなみにジョオンは、本書では黒髪のおかっぱに描かれている。
(表紙イラストの中央で銃を構えているのが彼女)
原典ではどうだか知らないがアニメ版ではもっと長めで金髪だった。
未来世界のことだから、髪の色なんか
いつでも自由に変えられるのだろうが、
私はこちらの方が好みなので大歓迎(笑)。

ストーリーは月から始まるが、やがて外惑星へと広がっていく。
カーティスたちやジョオンには危機また危機が訪れるが
それをひとつひとつ打ち破っていく冒険活劇だ。

もっとも、こういうリメイク/リブートものの常で、
何をどう創っても文句を言う人は一定数いるだろうから
本書もそれなりに批判されてるんだろうなあとは思うが
私は原典に対してほとんど思い入れがないので、
とても楽しく読ませてもらった。

本国では既に続編が書かれているそうだが、
そちらも読みたくなってきた。早く翻訳してほしいなあ。

ちなみに、原典の方も一冊くらい読んでみようかと思って
ネットで検索してみた。20世紀のハヤカワ文庫版に替わり
2004年から2007年にかけて
創元SF文庫から全作が刊行されてるのだが・・・

どうやらみんな絶版状態(T_T)のよう。
やっぱ、本は見かけたときに買っておかないと
手に入らないものなのだね。

電子書籍なら入手可能かも知れないが、
もうちょっと紙の本で頑張りたいなあ私は。

それにしても、やっぱりスペース・オペラは面白い。

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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-09-15 02:21) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-09-15 02:21) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-09-15 02:21) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2020-09-15 02:22) 

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