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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Ⅲ 《総統帰還》 [アニメーション]


小説 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち (3)

小説 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち (3)

  • 作者: 皆川 ゆか
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: コミック
同題のアニメーションのノベライズ、第3巻。

サブタイトル通り、表紙にはデスラー総統が堂々と。


内容としては第10話の宇宙ホタルのエピソードから
第13話のテレザート上陸作戦までを描いている。

基本的にはアニメ版に則っているのだけど
そこはそれ今回も500ページ超えのボリューム。
映像版では描かれなかったエピソードや明かされた設定も多い。

追加エピソードとしては、空間騎兵隊関連が多いかな。

ヤマトの女子乗組員たちが、空間騎兵隊を怖がって
遠巻きに眺めているのを見て、餅つきを思いつく永倉とか。

 餅つき自体は旧作Part1のネタだけどね。
 「餅」というものを初めて見たキーマンのリアクションも抱腹もの。

あと、山本が機動甲冑に乗り込むに至った経緯とか
そもそも機動甲冑というものがいつ開発され、
いつヤマトの中に出現したのかも、ちゃんと時系列に沿って描いてる。

 このへん、アニメ版では登場が唐突だったからねえ。

斉藤が永倉を副隊長に任じた理由も案外深い。


これ以外にも興味深いエピソードの追加が。

例えば古代が遊星爆弾で両親が亡くなった日を回想するシーンとかも。
古代の叔父夫婦も登場するので「2199」第14話を思い出したり。

なんといってもテレサのメッセージが現れた後の徳川のセリフがいい。
「わしらは試されたのかな」から始まって
「あれから3年もの月日が経っておる。
 昔の〈ヤマト〉はクルーの価値観が一つだったが・・・」
続けて、いまのヤマトクルーの現状を的確に言い当て、それでも
「最善の結果を模索せねばならんのだ」にいたる一連の流れ。
さすが年の功。このセリフは徳川だからこそ言えるものだろう。
山崎さんがこういう台詞を言うには、もう10年くらいかかるかな(笑)。

 全部を引用するのは、さすがにはばかられるので、
 興味がある方はせひ本書を購入して確かめていただきたい(笑)

デスラーの襲撃~ワープ~チクワ侵入~脱出に至る流れも
アニメ版のような唐突な展開ではなく、
それなりに説得力のあるものになっていると思う。
ただまあ、小説版のような流れがをそのまま映像化してしまうと
リズムやらテンポなりの問題が出そうな気はするが・・・

そして鶴見たちを送り出したあと、
テレザートの岩盤前面にいる艦隊と交戦するヤマト。
ここでの土方のセリフが超絶にかっこいい。
いやぁ、なんでこれアニメで採用しなかったのかなぁ。

 たぶんこの辺はシナリオにあったけど
 尺の問題で・・・ってやつかなあ。

アニメ版ではサッパリ活躍シーンがなかったが、
テレザート上陸作戦でもしっかり航空隊の出番はあったりする。
まあ尺の問題ですね。はい。

そしてクライマックスはゴーランド艦隊への波動砲発射シーン。
ここは第4章のクライマックスだし、
全26話の物語の、前半を締める(ここは13話)シーンでもあるからね。
ここでは機動甲冑のみならず、発艦していた航空隊まで参加して
ヤマトを支える。

 さすがにここまで描くとテンポが悪くなりそうなので
 映像ではカットされたのかな。


これ以外にも、興味深い記述がいろいろと。

白色彗星内部に引き込まれたヤマトが
彗星中心部のデータを得るシーンがあったけど、
小説版では、アニメ版よりも情報量が多めに語られている。
これはもちろん第5章の公開に合わせたものだろう。

このとき彗星帝国のガス体内に遊弋していた艦隊が
アナライザーの計算では推定1000万隻以上、とか
ノイ・デウスーラは複数の波動機関を装備しているので
ワープ明け直後にデスラー砲を打つことが可能だった、とか。


ラスト30ページは鶴見が主役。
負傷した鶴見の回想シーンなのだけど
ここは雑誌に掲載された外伝部分らしい。
第5章で彼がたどる運命を知って読むとなおさら・・・

まずは、航空隊と空間騎兵隊が協力して
テレザート上陸に成功したことがきっちり書き込んであって。

鶴見に姉がいたこと、
同い年の優秀な従兄がいたこと。
彼と比べて、いかにも自分が凡庸であることに
コンプレックスをいだいていたこと・・・。

 このあたり、身につまされる。
 私自身、自分の能力のなさに悩む日々を送ってるし、
 他人と比較してのコンプレックスと
 一切無縁の人なんていないだろう。

でも、この後の加藤のセリフに救われる。
「〈ヤマト〉に特別な人間なんていやしないんだ」
から始まる一連のセリフはもう感涙ものだ。

かつて私が書いた記事と同じことが書かれていたことも思い出したよ。
「ヤマト2199」に関する駄文雑文集(3) ~「さらば」私的考察~

 そう、〈ヤマト〉とは、そういうフネなんだよ。
 そして、「普通の男たちの物語」なんだ。


著者は映像の補完のために書いてるつもりはないだろうけど
この情報量はとてもありがたいし、
本編の裏で展開していた物語を想像する助けになる。

このノベライズ・シリーズは、
”ノベライズ” というものの最適解の一つだと思う。

おしらく完結まであと3巻。楽しみに待ちたいと思う。


さて、肝心の「ヤマト2202 第五章 煉獄篇」の
“感想・・・のようなもの” ですが
今月は公私ともいろいろあって、まだ一行も書いてません(^_^;)

これから書き始めるつもりなんですが
まあ、焦らずにいきます。

 考えたら、「ヤマト」の “感想を書く” なんてことも
 この第五章を含めても、あと3回しかないかも知れないわけで・・・

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mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-06-20 00:34) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-06-20 00:34) 

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