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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章」感想・・・のようなもの その4 [アニメーション]


※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

▼第12話「驚異の白色彗星帝国・ヤマト強行突破!」(後編)

■滅びの方舟

ここからBGM「滅びの方舟」が。

透子は、キーマンに護ってもらっていたことを知る。
そしてサーベラーは、透子を介してキーマンの体温を感じているのか。

透「なにをしているの  殺すつもりだったくせに  なんでこんな」
キ「まったくだ  ばか げて る」

例え敵であっても、とっさの時には
身を挺して女性を庇ってしまうのだから
基本的にキーマンはいい奴なんだろうなあ、って思ってしまう。
胡散臭さ120%にも関わらず、憎めないんだよなあ。

透「この感覚  遠い昔に あの人と」
サ「あの人と私を苦しめた  永遠に逃れられぬ でも 温かい  苦しみ」

二人だけで共鳴を始めたサーベラー&透子。

ズォーダーは叫ぶ。「出て行け・・・全員ここから出て行け!」

感情を否定しているはずのガトランティス。
その根幹にいるはずのズォーダーがいちばん感情的になってる。

■彗星のコアの中で

そしてBGM「大帝ズォーダー」が始まり、
ここが12話のクライマックス。

透「これは  なに」
サ「これが 愛  私とあの人を ズォーダーを苦しめてきたもの」
ズ「なぜ繰り返す」

ヤマトの背後に浮かび上がる彗星のコア。

「大帝・・・ズォーダー」
「おまえは白銀の巫女だ」
「私はシファル・サーベラー」
「愛こそが人間を間違わせると知る者だ」
「そう   私は愛を知っている  あなたも」
「違う!」

コアのデータが判明。直径約6800km、火星とほぼ同じ大きさ。
「彗星の中に惑星が」「もしや これが ガトランティスの」

「もうやめましょう  前にも言ったはずです  ここはあなたの心の中」
「やめろ」
「アナタが壊そうとしているのは  この宇宙ではなく」
「やめろ」
「あなた自身・・・」

 このあたり、BGMのせいもあるのだろうが、
 なんとなく「999」を彷彿とさせる雰囲気を感じたよ。

サーベラーの絶命時の衝撃が襲ったのか、
このとき透子も死んだかと思ったが失神しただけだったね。

ここで重力波が消え、ヤマトはワープで脱出。

「ガイレーン 新しい巫女を」
「これで何人目か。記憶のコピーは制限してあるのに
 なぜ、何度でもオリジナルの記憶を取り戻してしまうのか」

サーベラーにオリジナルの記憶が甦ってしまうというのは、
クローン技術にもともと不備があるのか。
案外、これも古代アケーリアス人の "仕込み" だったりして。

■土方の決断

「地球司令部に状況は伝えた。我々は前進を続けるべきだろう。
 あれほどの規模を持つガトランティスがなお欲しがる力、
 テレザートを開放するために」

■それぞれの "愛"

この12話は、9話と対になってるように思う。
古代と雪、ズォーダーとサーベラー。それぞれの "愛" が描かれる。

愛する者のためには自らの命さえ省みない古代と雪、
意のままにならない相手を手にかけてしまうズォーダー。

「愛故に人は奪い、憎み、殺し合う」
9話で古代に対して放った台詞が
巨大なブーメランになってズォーダーに帰ってくる。
感情を否定しているはずのガトランティス人自身が、
実はどっぷりと感情にはまっている。

そもそも古代アケーリアス人がガトランティスを創造したとき、
彼らに感情はあったのか、なかったのか?

当初からあったがそれを押さえつけてきたのか、
それとも、当初は感情を持たなかったが、
次第に取り戻していったのか?

もしそうなら、それは何かのバグなのか、
古代アケーリアス人の仕込んだ "時限爆弾" なのか?

■滅ぼす側の論理

地球の歴史でも、ある文明が他の文明を滅ぼし、
そこにいた人間を虐殺するなんてのは数え切れないほどあっただろう。
滅ぼし、虐殺する側はおそらく自らが悪だなどとは思っていない。
それどころか、当時の価値観では
正しいことだと認識していたかも知れない。

ガトランティスも、自らが邪悪な存在とは毛ほども思ってないだろう。
自分たちに与えられた崇高な使命を実行しているだけ。
そう認識しているのだろう。

そして、自分たちはそれが許される特別な存在なのだという
"根拠" というか "理屈づけ" のために
感情云々が用いられているのかも知れない。

 9話でズォーダーが古代に語ったとおり、
 自分はおまえたちとは違う存在なのだと。
 だからおまえたちは我々にひれ伏すべきで、
 それを拒むなら滅びる定めだのだと。
 徹底的に相手を見下す理由がこれだったからね。

しかし、自分たちもまた感情を持っていると認めることは
今まで滅ぼしてきた相手と自分たちが
同じ存在だと認めること。

今までさんざん見下してきた相手と
実は同等だったという事実は
絶対に受け入れられないことなのだろう。

■白色彗星&サーベラー

今回の話で分かったことは
サーベラーはクローニングで代を重ねる。
サーベラーは生殖能力を有している。
サーベラーは彗星帝国の制御メカ(?)を操ることができる唯一の存在
サーベラーは "人間を裁くことのできる(最後の)人間" である

ガトランティスは、古代アケーリアス人が作り出したもの。
その存在理由は、古代アケーリアス人が播種した種(ヒューマノイド)が
悪しき進化を遂げたとき、それを "刈り取る" こと

そして白色彗星は、"滅びを司る方舟"。

古代アケーリアス人は安全装置としてのガトランティスを創造し
それを実行するための力として
白色彗星(コントロール装置としてサーベラー込みで)を用意した、
ということか。

いつから白色彗星が稼働しているのかは分からないが
13話で語られるように、ゴーランドが20代目というのを考えると
1代平均30年(戦闘の最前線に立つ期間として)とすると600年ほどか。

 まあ、ゴーランドという存在自体がガトランティス誕生時から居たとは
 限らないので、もっと古いのだろう。
 個人的には最低でも1000年くらいは経ってそうに思うんだが。

■ガトランティスの目覚め

目覚めたきっかけがイスカンダルの覇権主義国家化だという説が
ネットでは散見される。
波動砲で大マゼラン雲を血に染めたイスカンダルが
ガトランティスに滅ぼされ、かろうじて生き残った一握りの人々が
サレザー恒星系の双子惑星に移住、相方の星にいた蛮族(ガミラス)に
文明を与えて導き、いつしか神格化された存在となる。
イスカンダル人自体は過去の過ちから、あらゆる星間文明に
救済を与えることを国是として細々と生き残ってきた。
もちろん自らに破滅をもたらした波動砲の使用は禁忌として・・・
なんて考えると、たしかに「2199」にも綺麗につながるんだが、
さてどうだろう。

■暴走ガトランティス

ズォーダー自ら「おまえに従っている」と語るくらいだから
どの星(文明)を滅ぼすかは、サーベラーが決めているのだろうか?
なにせ "裁定者" だからね。

でも、ガトランティスが暴走しているのなら、
ガトランティスそのものこそ "刈り取られる" べき存在に
なってしまってないか?

 古代アケーリアス人の方々(笑)がご存命だったら、
 真っ先に粛正されてそうな気がするんだが。

案外、このへんが「2202」のラストに関わってきそうな気もしてる。

詳しくは13話の感想で書こうと思うんだけど
今回のガトランティスの物量は半端ではない。
彼らを単純に武力で凌駕するのはおそらく不可能。

旧作の「さらば」「ヤマト2」は、いずれも
テレサの介入によってガトランティスは倒される。
いわば「女神様に救ってもらった」わけだ。

しかし今回のテレサはどうか。
先のことだが、第14話での彼女の台詞を聞く限り
"現世" のことに介入する意思はなさそうなのだが・・・

旧作通り、ヤマトの奮戦にほだされて介入してくるのか。
でも、同じ結末を繰り返すのならリメイクした意味はないと思う。
「さらば」でも「2」でもない、第三の結末が見たいものだが。

とは言っても、テレサの介入なしに
ガトランティスを "止める" なんて、果たして可能なのか。

私は第三章9話と第四章12話は、
ラストの決着に向けての伏線だと思ってる。

そう考えると、ガトランティス自身が、
自らが暴走していること("悪しき存在" であること)を
受け入れて、自らを刈り取る("自壊" していく)、
なあんて結末を迎える可能性もありそうな気がしているんだが・・・

■こんな都市帝国はイヤだ

今回明らかになった都市帝国の直径は6800km。
でも、超巨大戦艦も全長が6800kmあるとは考えづらい。
たしか旧作では全長12kmくらいだったっけか。

実は、あの火星サイズの中に12kmくらいの超巨大戦艦が
無数に詰め込んであったりして(笑)。

 地球近傍まで来たら、彗星のコアがパカッと割れて
 中から真っ黒い超巨大戦艦が数万隻単位で
 わらわらと湧いて出てくるとか・・・(爆)
 うーん、想像しただけで夢見が悪そうだ。
 そんなカエルやカマキリの卵みたいな都市帝国はイヤだなあ・・・

でも、レギオネル・カノーネでの250万隻という途轍もない数字を
聞いてしまったからねえ。もう何があってもおかしくない気もする。

■第12話まとめ

サブタイトルに「強行突破」とあるけど、
実際は命からがら逃げ出したという方が近いね。

そして、まさかまさかのサーベラーのヒロイン回。

旧作、とくに「ヤマト2」では
大帝に酒を注ぐか、デスラーをいじめてる(笑)か、
くらいのイメージしかなかったが
今作ではガトランティスの "出自" に絡み、
都市帝国のコントロールを一手に握るという超重要キャラに。

しかもタランに続く "複数化" (笑)。
しっかり白サーベラーさんと黒サーベラー(透子)さんの二本立て。
しかも二人にしたことによって物語が広がる。
第12話では、透子のスパイ疑惑からはじまって
ここまで話が一気に膨らむとは誰が予想しただろう。

白サーベラーさんはガトランティスの太陽系侵攻、
そして最終決戦において重要な役回りを果たしそうだ。

透子さんは・・・彼女も生き残れれば、
面白い立ち位置になりそうな気がする。
案外、ガトランティスを "止める" 切り札になったりして。


(つづく)

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めとろん

mojoさん、こんばんは。

サーベラ―、仰る様にこんなに重要なキャラになるとは予想もしておりませんでした。ましてや「複数化」したり、白色彗星を「操縦」したり(笑)

先日、朝の通勤電車内で「白...黒...サーベラ―...」とか聞こえてきたので、いよいよ幻聴か(笑)と思ったら、男子高校生3人組が楽しそうにヤマトの話をしていました。会話に入りたい衝動を必死に堪えましたが...

2202は2199をリスペクトしつつも、今のところいい流れで来てる様に思います。
願わくば2でもさらばでもない結末になることを期待しています。

イスカンダルとガトランティスの関係、とても興味深いですね。
スターシャ猊下も、約束を破ったヤマトを単に「お仕置き」してオシマイって訳にもいかなそうですw

連日の感想、とても嬉しく思いますがインフル等体調にくれぐれもご自愛ください。
by めとろん (2018-02-22 21:57) 

mojo

めとろんさん、こんばんは。

>朝の通勤電車内で「白...黒...サーベラ―...」とか聞こえてきた

若い人たちに受け入れられているとしたら、とても嬉しいことですね。
映画館へ行っても、明らかに若い人が増えてると思います。
思い出せば6年前、2199の第一章を観に行ったときは
ほとんど "同窓会状態" でしたからねえ・・・(笑)

>2202は2199をリスペクトしつつも、今のところいい流れで来てる

そうですね。
とはいっても、監督とシリーズ構成・脚本という中枢部が
交代していますから、自ずと作品のカラーも変わってきてます。
ネットでは「2199にはあった○○が2202にはない」等の
否定的な感想もありますが、もともと違う人が作ってるんですから
無くなったものをあげつらうより、新しく加わった要素を評価するように
頭を切り替えて観ていこうと思ってます。
ガトランティスの出自やサーベラーの設定などは
(今のところは)興味深く感じられ、楽しく観ることができてます。

>願わくば2でもさらばでもない結末になることを期待しています。

記事の中でも散々書いてますが、"「さらば」否定派" である私をも
納得させてくれるような結末を見せて欲しいですね。

>イスカンダルとガトランティスの関係、とても興味深いですね。

もしイスカンダルの過去にもガトランティスが絡んでいて
すべての根幹に古代アケーリアス人の存在が関わっているとしたら。
(仮定の話ですが)もしリメイクの第3シリーズを作るとしたら
もう相手は古代アケーリアス人しかないのでは。
まさに "神との戦い"。
「サイボーグ009」の「天使編」みたいですね。
まあ、その前に「2202」が完走できることが大前提ですが。

どんな結末を迎えるにしろ、リメイクヤマトは
「2202」で終わるべきだと思ってはいるんですが
でも、「2202」でそれなりに利益が出たとしたら、
当然ながら続編の企画は持ちあがるでしょうねえ・・・

>スターシャ猊下も、約束を破ったヤマトを単に「お仕置き」して

彼女はどう思ってるんでしょうね。
でも、波動砲解禁の罪をヤマトや地球だけにおっ被せるのも
どうかと思います。裏にはガミラスの思惑だってあったんですからね。
「み~んなまとめてお仕置きよ!」ってなるんでしょうかね(笑)。
でも彼女は今頃、子育てに忙しくてそれどころではないのでは(爆)。

>連日の感想、(中略)インフル等体調にくれぐれもご自愛ください。

前回の第三章、全12回でしたが、
実は予め12回分の原稿をほぼ完成させてからアップしてたんですよ。
我ながらなんて勤勉な(笑)。
でも今回は、毎日自転車操業です。
今の段階で次の「その5」の下書きすら完成してません。
もし途中で「休み」が入ったら、力尽きたものと思ってください(笑)

ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。

by mojo (2018-02-23 01:06) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-02-23 20:10) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-02-23 20:10) 

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