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戦都の陰陽師 騒乱ノ奈良編 [読書・ファンタジー]

戦都の陰陽師  騒乱ノ奈良編 (角川ホラー文庫)

戦都の陰陽師  騒乱ノ奈良編 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 武内 涼
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: 文庫



評価:★★★

時に1568年(永禄十一年)、織田信長上洛直前の頃。
古来より京の都に張り巡らされていた守護の結界を打ち破り、
600年ぶりに天魔が侵入を開始しようとしていた。

天魔を倒すことが出来るのは、かつて陰陽師・安倍晴明が鍛えて
出雲の地に封じた霊剣・"速秋津比売(はやあきつひめ)の剣" のみ。

安倍晴明の末裔にして、駆け出しの陰陽師である
土御門光子(ひかりこ)は、疾風ら7人の伊賀忍者とともに
出雲へ向かい、苦闘の末に霊剣の入手に成功する。

光子の振るう霊剣は天魔を圧倒、人の世は守られたが・・

ここまでが前巻。


魔を滅ぼす唯一の力として封印を解かれた霊剣だが、
悪しき心の者が使うと、この世に巨大な破壊と滅亡を
もたらしてしまうという、まさに "諸刃の剣"。

霊剣を再び封印するべく、それにふさわしい場所を求めて
光子たちが旅の途上にあったとき、
京の土御門家に "魔天の四天狗" が現れ、
保管されていた霊剣を奪取、光子の祖父・有春も重傷を負う。


その首謀者は裏蘆屋(あしや)の流れをくむ妖術師・果心居士。
北奈良を支配する戦国の梟雄・松永弾正久秀を操り、
配下の信貴山城を自らの根拠地としていた。

奪われた霊剣が松永弾正の居城・多聞山城にあると
あたりをつけた光子は、再び疾風ら伊賀忍者とともに奈良へと向かう。
ちなみに表紙のイラストが疾風。

というわけで物語が始まるのだけど、その後がねえ・・・


文庫で約500ページなのだけど、
光子たちが京を出発するのが100ページを超えたあたりで、
多聞山城に潜入するのは400ページを超えたあたり。

じゃあその間の300ページには何があるのかというと、
果心居士に操られた半死人たちによる襲撃、
天魔の妖力に対抗すべく準備を進める光子、
多聞山の城下町で潜入のための仕込みに勤しむ疾風たち、
裏切りと謀略に満ちた松永久秀の極悪非道ぶり。

そして、かつての主君・三好長慶の娘でありながら、
略奪同然の身で久秀の正室にさせられた葦姫と
柳生宗厳の息子・新次郎との禁断のロマンスとか、
とにかくいろんなことが入っている。

前巻でも、霊剣を入手したあとの中国山地内の逃避行が長くて、
今回もなかなか霊剣の奪還へと進まない。
これはもう、この人の作風なのかなあ・・・って思ったんだが
どうやら本書は "果心居士編" の前半で、
次巻「迷宮城編」で完結、という構成らしい。

ということは、長々と語られたもろもろも次巻への伏線で、
葦姫と新次郎のカップルもきっと本筋に絡んでくるんでしょう。

そんなわけで、現在「迷宮城編」を読み始めてる。
まだ冒頭80ページくらいなんだけど、
今のところ光子さんはほぼ出ずっぱりで活躍しております。


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