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リボルバー・リリー [映画]




 いささか時期はずれになってしまったが、この夏から現在まで何本か映画を見たので、これから簡単に記事にしていこうと思う。


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 舞台は大正時代末。
 秩父に住む細見慎太の家を陸軍が襲い、一家が惨殺されてしまう。辛うじて逃れた慎太は、襲撃の直前に父から託された書類を持って逃亡する。それは陸軍の秘密資金に関するものだった。
 彼を救ったのは小曽根百合。特務機関で訓練を受け、3年間に50人以上の殺害に関わった、冷酷非情にして美貌の諜報員。人呼んで「リボルバー・リリー」。
 百合と慎太は陸軍部隊の追撃を逃れ、列車・トラック・舟と乗り継ぎつつ、東京を目指していく・・・


 原作は文庫で630ページもあるので、映画化が決まった時に心配したのは上映時間。まともに作ったら3時間超えになりそうだなぁ・・・。

 完成した映画は2時間19分。でも今度はどこをカットしたのかが気になった。序盤の秩父のシーンなんてバッサリ切られるかと思ったら、案外残ってた。その代わり、東京へ行くまでがちょっと端折られたかな。
 全体として印象的なシーンは結構残ってたし、アクションにも尺は割いてたのでダイジェスト感はない出来。そういう点では上手くまとめたかなと思う。

 でも興行的には振るわなかったみたい。ちょっと残念ではある。人気マンガの実写化とかTVドラマシリーズの延長としての映画化とかが幅をきかせている昨今なので、なおさらこういう作品には存在価値があると思うんだけどねぇ・・・。

 でも主演の綾瀬はるかはよかった。小曽根百合役に彼女をキャスティングしたのは大正解だ。大正ファッションに身を包み、それでいて大の男をねじ伏せるアクションの華麗さ、リボルバーをぶっ放せば百発百中。
 まさに ”綾瀬はるかを観る” ための映画になってると思う。

 原作とは異なる設定もあちこちに。まあ2時間の枠に収めて映画なりの決着をつけるための変更かとも思うのでそこはいいと思う。
 ただ、ところどころ反戦的なメッセージを含む台詞が出てくるのはちょっと違和感が。別に反戦が悪いというのではなく、この作品にはそぐわないような気がしたので。

 聞くところによると、制作中にウクライナ侵攻が起こり、その最中にこういう ”人がバンバン死んでいく映画” を作るのは如何なものか・・・的な葛藤があったとか、なかったとか・・・

 あと、他のキャストについてちょっと書いて終わりにしよう。

 弁護士・岩見良明は長谷川博己。けっこう原作のイメージに合ってると思うんだけど、不入りの原因みたいに書いてあるネット記事があったのは残念。
 細見慎太少年は羽村仁成(Go!Go!kids)。原作よりも年齢が上になってるけど、足の不自由な役を熱演してると思う。
 百合の仲間を演じたシシド・カフカと古川琴音もいい味出してる。
 不気味な男・南始は清水尋也。こういう雰囲気も出せる俳優さんなのですね。
 陸軍士官・津山ヨーゼフ清親はジェシー(SixTONES)。バラエティでのおちゃらけキャラは封印して、笑顔皆無での熱演。
 山本五十六が阿部サダヲってのはいまひとつ納得がいかないんだが(笑)。
 慎太の父・細見欣也は豊川悦司。うーん、こういう設定にしたんですね。映画としてはこのほうが納まりがいいのかもしれないけど。
 吹越満、橋爪功、石橋蓮司は流石の重厚さ。でも佐藤二朗と板尾創路という配役は、シリアスなのかコメディなのか判断に困る(笑)。


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