布施明コンサート「AKIRA FUSE LIVE TOUR 2023-2024 刹那の夢がたり」 [日々の生活と雑感]
先日9月16日(土)、表題にあるコンサートに行ってきました。場所は川口リリア・メインホール。JR川口駅西口に直結した、とても便利な場所にあります。
このコンサートのことは新聞の広告で知りました。
「布施明がコンサートやるみたい」ってかみさんに云ったら、意外にも食いついてきて「え? どこで?」「川口で」「川口ってどれくらい遠いの?」
かみさんは千葉県出身で、埼玉の地理にはあまり詳しくない。
「うーん、ここからだと1時間ちょっとくらいかなぁ」
「だったら行ってみたいな。チケット取ってよ」
さっそく申し込んだんだけど、もうけっこう売れてたみたいで、取れたのは2階席の後ろの方でした(笑)。ちなみにコンサートの前日に川口リリアへのアクセスを確認しようと公式サイトを見たら、完売してました。
さて当日。川口リリアに参集してきた皆さんの年齢層はやはり高め。私とかみさんは、年齢的にはけっこう下の方だったのではないかと思います。
席が後方だったのであまり期待してなかったのですが、意外とステージ全体がよく見える席でちょっとテンションが上がりました。
そんなこんなで17:00開演。
OPは『マイ・ウェイ』から。続いて『君は薔薇より美しい』。
年齢を感じさせない声量と歌唱力で、流石の貫禄です。
デビューして50年以上なので、持ち歌/ヒット曲も豊富。今回のコンサートで歌われたものだけを挙げても『霧の摩周湖』『愛は不死鳥』『愛の詩を今あなたに』『シクラメンのかほり』『落ち葉が雪に』『カルチェラタンの雪』・・・
でもまあ、有名曲はだいたい、中盤でのメドレー形式での披露。ワンコーラスずつなのでちょっと物足りないかな。
『仮面ライダー響鬼』(2005年)のEDテーマ『少年よ』も歌われました。これは紅白歌合戦でも歌われた曲だったしね。でも個人的には後期OP『始まりの君へ』のほうが好きだったんだけど、そちらの歌唱はありませんでした。残念。
コンサートの主体は そのヒット曲メドレーの前後を挟んで、オリジナル曲をじっくり聞かせるパート。まあ正直に言うとあまり馴染みのない曲が多かったんだけど、それでも、ずば抜けた歌唱力で聞かせる。やっぱり布施明はダテじゃない。
例えば『ピエロ』って曲は、CDでは聴いたことがあったんだけど、そのときはあまり印象に残らなかった。でも、今回ナマの歌唱を聴いたら「こんなにいい曲だったんだ」って評価が変わった。
前半の途中で、ワンコーラスだけマイクを使わずに歌う、ってシーンがあった。2000人以上が入るホールで、人間1人が肉声のみで歌を聴かせる。でも、我々がいるのは2階席の後ろの方だっただけど、声はしっかり届いたよ。
けっこう前に、和田アキ子が同じようなことをしてたのをTVで見た記憶があるんだが、いやあそれと同じものを見るとは。
歌がうまいのはもちろんだが、あの声量はほんとに半端ない。後で聞いたんだけど、かみさんの斜め前の席に座っていた男性が「バケモノだな、あれは」ってつぶやいていたそうだ・・・
布施明という人は、あまりMCに時間をかけない人みたいで、話しは短め、その分、歌を聴かせるというスタンスみたいだ。
その中で印象的だったのは、コロナ禍でショービジネスが打撃を受けて、音楽業界でも離職してしまった人が多かったらしいこと。
あと、この業界にもAIが進出してきて、いつの日か、歌手もミュージシャンも不必要になってしまうんじゃないか、と心配してるとか。
自分のコンサートスタイルも、いかにも ”昭和” な感じだけど、それでもこのままでいきたい、と。
確かに、バックダンサーもいないしステージ上に派手な演出があるわけではないし。ステージ後方のスクリーンに映る背景が、曲ごとに変わっていくんだけど、それもごくシンプルなもの。
あくまで ”布施明の歌唱” を前面に出した構成で、それでも2時間弱、観客を飽きさせずに聞かせるんだからたいしたものだ。
そして「まだこれからも続けるつもり」「なぜなら『やりきっていない』って思うから」御年75歳にしてこの心意気。頭が下がります。
「また聞きに来たい」って思わせる、素晴らしいコンサートでした。
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