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かがみの孤城 [アニメーション]

 2018年に第15回本屋大賞を受賞した作品のアニメーション映画化。
原作小説に関する記事はこちら

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 まずは公式サイトの「STORY」から。


 学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。

 ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。

 さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。

 戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う――――

 果たして鍵は見つかるのか? なぜこの7人が集められたのか?
 それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
 全ての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―


  引用はここまで。


 映画化決定のアナウンスがあった時、嬉しかったのと同時に心配になったのが「原作小説の内容が2時間の枠に収まるのか」ということだった。

 文庫で上下巻というボリュームがあり、さまざまなエピソードを積み重ねながら終盤に向けて盛り上げていく。これが映画で再現できるのかな、ということだった。
 結論から言うとこれは杞憂だった。原作と改変されている部分もあったが、映画の感動を増す方向への改変だと感じた。

 こころが不登校になった原因については尺を取って描かれている。胸が痛くなるシーンだけど、ここは必要だからね。その代わり、他の6人の事情については断片的に描かれることになるけど、個々の状況を全部描いたら冗長になってしまうだろうから、これくらいに刈り込んだ方が映画としては見やすく仕上がってると思う。ここは脚本が上手いのだろう。

 ストーリー進行のペースとしては駆け足になることもなく、落ち着いた雰囲気でじっくりと描かれていく。ダイジェスト感もない。逆に地味すぎて心配になったくらい。
 アニメ映画といえば、派手なアクションやスペクタクルなシーンが観客への訴求力となりがちなものだが、本作はその逆を行ってる。
 でも、だからこそ主人公たちと同世代の中高生たちには等身大の問題として刺さるのだろうし、親の世代である大人たちにも響くものがあると思う。

 実際、映画の終盤で ”オオカミさま” の正体と、場所が ”城” であった理由が明かされる場面では、原作を読んで知っていたはずなのに、涙腺が緩んでスクリーンがにじんでしまったよ。

 上にも書いたけど、原作の感動を上手に映像化した良作だと思う。できるだけ多くの人に観てほしいと思う。
 人気TVアニメや著名な原作マンガからの映像化でないぶん、興業は苦しいのではないかとも思うけど、こういう作品こそこれからも作られるべきだと思う。


 観に行ったのは公開日の12月23日、午後の上映回だった。
 中学・高校は終業式の日なのかな。けっこう若い人が多かった。なかでも高校生くらいの男の子が6人ぐらいグループで観に来てたのが印象的だった。なんとなく女の子の方が多そうに思ってたので(もちろん女の子もいたけどね)。私みたいな高齢者も、ちらほらとだけど、ちゃんといたよ(笑)。


 声優陣について。

 メインキャラたちは、俳優さんがメインで要所を声優さんが固める、って感じかな。

 ヒロインのこころ役は當真あみさん。CMで話題の美少女高校生。声優としての技量は正直言ってあまり高くないかなと思ったけど、ひたむきに一生懸命演じてるのが伝わってきて、それがこころちゃんの素朴なキャラクターに合ってる気がしたので、この配役は正解だと思う。

 リオンは北村匠海さん。「HELLO WORLD」にも出てたね。彼も達者。
 アキ役の吉柳咲良さん、フウカ役の横溝菜帆さんも女優だけど、上手い。
 スバル役の板垣李光人さんだけは、ちょっと違和感を感じたけど、これは好みの問題なのかも知れない。

 ”クセ” がある2人のキャラを演じたの専業の声優さん。
 マサムネ役は高山みなみさん。ベテラン声優さんだけど、あのアドリブは余計だよなぁ(笑)。
 ウレシノ役は梶裕貴さん。イケボなのに、イケてないキャラも上手にこなしてる。流石だ。

 さて、肝心のオオカミさまは芦田愛菜。彼女は能力が高くて何でもこなしてしまうので、声優としても特に問題なく演じてるように思う。
 ただ彼女は最近CMで露出がたいへん多い。だからオオカミさまの台詞を聞くたびに、彼女の顔が頭に浮かんでしまう。これには困った。
 ジブリ映画の時も書いたけど、アニメ映画に有名人を起用する時の弊害だね。芦田愛菜さん自身に罪はないんだけど。


 最後に、入場者特典について

 ビニールの封筒にキャラクターのイラストが2枚(全6種あって、その中からランダムに2枚もらえる)入ってる。テーマは ”映画では描かれなかったシーン” らしい。「映画鑑賞後に開封のこと」「内容はSNS等には挙げないこと」って注意書きが表紙にある。
 確かに、どちらも画像をSNSに挙げたら即ネタバレになる内容だね。

 うーん、でもこれくらいは書いてもいいかな。
 私がもらったうちの1枚には、”主人公たち7人+オオカミさま” が描いてあった。ただし、どういうシチュエーションかはナイショ。
 もう1枚は、もう何も言えないなぁ。物語の根幹に関わるシーンで、何を書いてもネタバレにつながりそう。
 でも、どちらもとても ”素晴らしい光景” を描いていると思う。

 こうなると残り4種が知りたいなぁ。公開が終わった頃に公式サイトあたりに掲載してくれないかなぁ・・・無理だろなぁ(笑)。


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