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からくり探偵 百栗柿三郎 櫻の中の記憶 [読書・ミステリ]

からくり探偵・百栗柿三郎 櫻の中の記憶 (実業之日本社文庫)

からくり探偵・百栗柿三郎 櫻の中の記憶 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 伽古屋 圭市
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/01/30
  • メディア: 文庫

評価:★★★

発明家の傍ら、探偵業を請け負う百栗柿三郎が、
助手兼女中の千代さんとともに事件を解決していくシリーズ、第2弾。

ストーリー的には各話とも独立しているので
本書から読んでも差し支えないとは言えるけど、
前巻の内容を受けている部分もあるので
できれば第1巻から読んだ方がいいかな、とは思う。

「第一話 殺意に満ちた館」
悪徳高利貸しとして知られる折江久孝(おりえ・ひさたか)が
会社の十周年記念パーティーの夜、何者かに銃殺された。
折江家の弁護士から依頼を受けた柿三郎は、現場に向かう。

「第二話 屋根裏の観測者」
女学生の同性愛を描いた作品で人気小説家・伊豆見芳子。
芳子が関西へ取材旅行中、彼女の学生時代からの友人で、
同居していた吉原しづ子が刺殺され、現場には犯人の告白文が。
”彼” は屋根裏から日夜、芳子の生活を覗き見ていたのだという・・・

「第三話 さる誘拐の話」
百栗庵を江ノ本宝子という少女が訪れる。
同居している丈太郎という7歳の男の子が掠われたのだという。
彼とは血のつながりはないが、姉弟のように育ってきた。
柿三郎は江ノ本邸へ赴くが、犯行時刻に屋敷から人が出入りするのは
不可能だったことが判明、やがて『黄金蟲』を名乗るものから
暗号の記された手紙が届く・・・
いやあこの真相は・・・バカミスの範疇かな。怒り出す人もいそう(笑)。

「第四話 櫻の中の記憶」
飼い犬のハチを連れて散歩していた千代は、雑木林の中で
白骨化した死体を発見してしまう。その頭蓋骨に残された歯の特徴は、
千代の女学校時代の親友、篠宮ふみと一致するものだった。
死体の正体を確かめるため、千代は雑木林に隣接している
製糸工場に潜入するのだが・・・
”大正” という、この時代ならではの作品でもある。

どの作品も下敷きになった有名古典作品があるのだが
もちろんそれをそのままなぞるようなことはない。

柿三郎と千代の将来については、実は第1巻で明かされているのだが
本作ではまだそこまで時代が進行していないので
続編が書ける余地はある。
でも本書の刊行が2016年で、以後5年経っても続巻が出てないので
ここで打ち切りなのかもしれない。
もうちょっと読んでいたいシリーズではあるんだけど。


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