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「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-」感想・・・のようなもの その1 [アニメーション]

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。

■これまでの宇宙戦艦ヤマト(前作までのあらすじ)

本編上映前に流される、10分ほどのあらすじ。
2199から2202までを芹澤虎徹のモノローグで綴るという、
ある意味、驚きのつくり。
初めは「よりによって芹澤かよ」って思ったのだが・・・

「希望を、理想を信じ続けたヤマトの乗員たち。
 何度裏切られても決して諦めることなく
 その傷の深さに身動きできなくなってしまった仲間がいるなら
 自分たちの命をかけてでも救おうとした。
 そうすることが自分を、自分の心を救う唯一の道だと信じて」

「2202」でのヤマトクルーたちのことを語っているのだけど
これはそのまま「2205 前章」に置き換えることもできる。

そして、それに続く言葉。

「愚かな選択とは言うまい。私も確かに救われたのだから」

私は以前、「2202 第七章」のところでこう書いた。

『最終話における古代と雪を救うことで、私もまた救われたと思えました。
 この(考えようによっては)愚かしい選択の先に、
 もう一度、本当の「ヤマト」を取り戻せると信じられましたから』

『さらば宇宙戦艦ヤマト』という作品を ”観てしまった” あの日から
ずっと止まない、心の中の ”軋み”。
そこから、「2202」は解き放ってくれた。

恥ずかしながら、私の涙腺はここで決壊してしまった。
まだ本編を観る前だというのにねぇ・・・

さらに芹澤の言葉は続く。

「現実は厳しい。常に想定以上の最悪を突きつけてくる。
 辛くとも、順応しなくては生き残れない。
 しかし、それだけではないのだ・・・
 忘れずにいたいと切に思う。
 この先、さらに過酷な現実と向き合うことになったとしても、決して」

これは、「2205 後章」へ向けての言葉なのかも知れない。
本編を見た後でじっくり考えてみると、
けっこう深いものがあるようにも思う。

閑話休題。
前置きが長くなってしまった。本題に入ろう。


第一話「銀河系大戦勃発の危機!ヤマト艦隊終結せよ!!」

■デスラーのナレーション

かと思ったら、最初の台詞だった。
「無限に広がる大宇宙」といえばヤマト世界の枕詞だね。

■圧政に苦しむガルマンの民

どこかの礼拝堂か。女神像はマザー・シャルバートでしょうか。
目の部分をくりぬいてあるのは彼らの信仰を抑圧するためか。

■そしてデスラー登場

同時に流れるBGMは「ボラー連邦」。
「2205」で最初に流れるのがこの曲とは想像もしていなかったですな。
これだけで「ああ、ボラーだ」って思える。
つくづく宮川泰は偉大だったと思う。

■デスラー、頭を垂れる

ガルマン星を譲り受けるため、いちおう、筋は通すと言うことか(笑)
このあとに起こったことを見れば、
彼はこのあとの流れを読んでいたということだね。
ボラーの支配体制は「永久管理機構」というらしい。

 かみさん「あそこでデスラーがブツブツ言ってたのは何?」
 私「ガミラス語でカウントダウンしてたんだよ」
 その後、ネットで「ガミラス語一覧」なるページを見つけて
 熱心に読んでましたよ(笑)。

■奮戦!ガミラス艦隊:その1 対ボラー艦隊戦

「デスラー 襲撃」のメロディーと伴に瞬間物質移送機の効果音が。
波動共鳴で動けないボラー艦隊は標的なんだが、
戦闘機の動きがちょっとCGぽくて動きがチャチイかな。
まあこのへんは好みの問題でしょうか。

■お馴染みのガミラス軍人の皆様

まずはバーガー。今作では、常に最前線にあって指揮を執り続ける。
地表では、出撃しようとする艦隊に次元潜航艇艦隊からミサイル攻撃。

お? フラーケンのCVが違う。中田さんはどうしたの?
代わって今回は髙橋右光(あきみつ)さん。後で検索してみたら
「蒼穹のファフナー」の小楯保さんを演じてた人。
いやあ、雰囲気が全然違うんで分かりませんでしたよ。
ちなみにハイニのCVは同じ。相変わらずの様子でなにより。
「哀れボラー、時代は変われり」

■ガルマン解放の日

「兄弟たちよ、長き忍従の時は終わった」何年か後には、
この日がガルマン・ガミラス建国記念日になるのかな。
解放にかかった時間は、わずか数分だったけど(笑)。
ま、ここまで来るには、いろいろ事前の仕込みもあったんでしょうが。

■ガルマンの青い月

これも、のちに「スターシャ」と命名されるのか・・・?

■まさかのキーマン登場

なるほど記録映像の「遺言」とはね。録画したのは最終決戦の直前か。
「マレーネルの花」というのが出てきたけど
「2205 後章」が、ガルマン星の地表で
この花が咲いているシーンで終わったら、感動ものだろうなぁ。
これに続いての古代の登場も上手い。

■ヤマト高次元宇宙より帰還

「2202」からの流用でなく、新規作画なんだね。
「ヤーマートッ!」って歓声は聞いているほうが恥ずかしくなるなぁ。
そしてヤマトを見上げる土門の目のアップ、そしてタイトルロゴ。

■新兵訓練

アスカとヒュウガの横で新人たちの洋上訓練。
監督してる北野の横にマスコミがいるが、カメラが今風なのはなぜ?

■第65護衛隊

古代は正式にヤマト第3代艦長に。
とはいっても、彼以外にヤマトの艦長が務まる、
というかなりたがる人間はいないんじゃないかな。

二度まで地球を救った伝説の戦艦・・・なんて言ったら、
後任の艦長になる人間には想像できないくらいの
プレッシャーがかかるだろうし。

真田と雪を二人を艦長にするのも、うまい手だと思った。
雪は復活篇でも艦長になってたからね。前倒しか。
「三段跳びの人事」というが、古代と雪は地球に置いといても
マスコミの餌食だろうから、そんなら2人まとめて
宇宙へ送り出してしまう方がいいのだろう。

ついでにヤマトの旧クルーもひと艦隊の中にまとめておけば
監視もしやすい(おいおい)。実際、反乱の前科があるんだから。

地球を救った功績を鑑みれば冷遇もできない。
となれば、旧クルーたちを昇進させて
各艦の幹部に据えてしまうというのはよく考えついたと思う。
ヤマトから外しても僚艦にいるというのは距離的にもちょうどいい。

ただ、同じ艦隊を構成する艦長同士が婚約者というのは如何なものか。
普通に考えればそういう人事は行わないだろう。

もしアスカとヒュウガが危機に陥ったら古代はどちらを助けるか・・・
いやあ、古代はそういう私情が挟まった選択はしないことを、
そして雪もまた、そういう選択を拒否することを、
この2人は「2202」で学んだはずだ・・・けどね。

■徳川と板東

太助を揶揄する者たちにキレる板東。
技術科にしてはアツい男なんだねぇ・・・ってのは
技術屋さんに対する偏見かな。

■星名、相原、太田、南部、そして島

ぱっと見られただけで星名に目をつけられるなんて、
土門はよっぽど不穏な雰囲気を醸し出していたのだろう。
星名は今回、土門との関係で旧クルーではいちばん台詞が多いか。
まあ「2202」では出番が少なかったからね。

島はヤマト副長、相原・太田はヒュウガ、南部はアスカ副長。
永倉率いる空間騎兵隊はアスカ、航空隊の篠原はヒュウガ。
もはやベテランの域になってしまった旧クルーを
ヤマトから下ろす(他の艦に乗せる)。
旧作の頃はこれができなかったんだよねぇ。

ちなみにヒュウガの副長は誰か、公式サイトにもパンフにも書いてない。
パンフに載ってる座談会では、シナリオ会議の中で
「太田が副長の艦には誰も乗りたがらない」という発言があったようで
思わず納得してしまった(笑)。

■英雄の丘

「2199」から6年後というのはリメイクならではの時間の取り方。
オリジナルでの2年そこそこと比べると、格段に良くなった。
古代が艦長になるのも違和感がないし。
「2199」→「2202」→「2205」と、
古代の成長をきちんと描いてきたからこその展開だ。

かつてこのブログで「2199での古代というキャラには伸びしろがある」
って書いたのだけど、リメイクシリーズはそれをちゃんと描いてくれた。

かつて「スター・トレック」がTVシリーズから映画シリーズに発展し、
結果としてキャプテン・カークの一代記になったが
このままいったらヤマトも古代進の一代記になるのかな?

三十路や四十路、かつての沖田くらいまでトシを重ねた古代を
見てみたい気もするが、こっちの寿命が持ちそうもない(おいおい)。

■世界一高くついたカップル

高次元宇宙からの帰還以降、古代と雪は
マスコミの格好の標的となったことだろう。
まあ、帰還直後よりは沈静化してるのだろうが・・・

 ワイドショーには「今日の古代・雪」なんてコーナーがあったりして。
 (実際、オウム真理教騒ぎの頃なんて、
  1年間くらいワイドショーはそればっかりやってたよなぁ)

時間断層を放棄させてしまった責任を感じ、
「地球人の運命」を背負おうとする古代
「背負えるんですか」と問う土門。
旧作を知る人ならば、このあとの未来において、
地球を襲う脅威の数々に、彼は常に最前線で
対峙し続けたことを知ってるのだが・・・

■藪くん再登場、銀河も再登場

ガミラス軍ヤーブ技官として地球圏に帰還。いやあ、意外な再登場。
銀河のクルーも再登場。「後章」でも出番があるのでしょうか。
何か貴重な技術を持参してきた模様。
後で出てくる「試作機」ともども、「後章」での活躍が期待大。

■藪の家族

「知ってるか?  どん底の時ってのは、
 素晴らしいことがすぐそこで出番待ちしてるんだぞ。
 父ちゃんも頑張る。だから、お前たちも頑張れ」

今回の藪君の台詞はいちいち身にしみる。
特に人生の年輪を重ねてきた、オールドファンの方々には
刺さる言葉が多いのではないだろうか。

この台詞だって、今まで何十年だかを生きてきて、
程度の差はあれ ”どん底” を一度も経験していない人はいないだろう。
(コロナのせいで、今この時がどん底だ、って人だっているだろう)

私自身を振り返っても、公私ともにいろいろあったよ・・・
自分の不器用さ、能力の無さ、意気地の無さに、落ち込んだことも。

■移民が進行するガミラス

しかし進捗は3割。ヒス総理、そしてヒルデ嬢も再登場。
ヒルデ嬢は今後、出番が増えるのでしょうか?
藪の家族も登場。ヤーブの妻・バルナのCVは園崎未恵さん。
「星巡る方舟」ではネレディアを演じてましたね。
彼女も再登場して欲しいなあ。

■イスカンダル

スターシャ、ユリーシャ、そしてメルダも再登場。
「2199」でお馴染みのキャラが大挙して再登場するのは嬉しい限り。
猊下の「贖おうとするたびに罪は増えていく」とは意味深なお言葉で。

■新クルーの行進

・・・の最中に、明らかになる土門の過去。
星名くん大活躍。ついでに奥方・百合亜も再登場。

■ヤマト登場

そんなこんなで新クルーの前に勇姿を現すヤマト。
そしてそれを睨みつける現す土門、艦長席で仁王立ちの古代。
そして第二話へ。

うーん、第一話だけでこんなに書くとは思わなかった。
やっぱり溜まってたのかなあ(笑)。

「その2」では、第二話と第三話をちゃちゃっと済ませて(えーっ)。


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めとろん

mojoさん、こんにちは。
私も先日2回目を観て参りました。
「感想…のようなもの」の再開、素直に嬉しいです。

私も冒頭の芹澤さんのナレーションには驚きましたが、でも何か芹澤さんが「実は良い人」に思えて来ちゃって…(笑)

ボラー連邦に「デスラー!何をした!」と言われて総統が軽く微笑んで肩を竦めるシーン、一緒に行ったヤマト女子は「神シーン」だと感激しておりました。

星名の声、久しぶりにたくさん聴いたような気がします。2202の「待遇」とは偉い違いかもです(汗)

「太田が副長の艦…」私も乗りたくないです(笑)

「世界一高くついたカップル」…初回観た時はこの台詞が何故か一番ウケてしまいました。が、この先ずっと言われっ放しだとさすがに可哀想ですね。

藪の「どん底…」は私も来るものがありました。どん底ではないですが、還暦直前で第二の職場に出航し、大きな転機の真っ最中なので…(私事ですいません

藪の奥さまの中の人がネレディアだとは知りませんでした。すると後編でもネレディアの出番はないのでしょうか(涙)
mojoさんの奥さまに似ていらしたような面影も…

今後の感想もとても楽しみにしております。寒くなりましたのでお身体にお気をつけください。
by めとろん (2021-11-03 13:06) 

mojo

めとろんさん、こんばんは。

>「感想…のようなもの」の再開、素直に嬉しいです。

ありがとうございます。
拙い文章ですが、暇つぶしの一助にでもなれば幸いです。

>でも何か芹澤さんが「実は良い人」に思えて来ちゃって…(笑)

私たちも、年代的には古代たちより
芹澤たちの側になってしまってますからね。
彼の抱えた苦悩もそれなりに理解できる部分もでてきた、ってことかと。

>一緒に行ったヤマト女子は「神シーン」だと感激しておりました。

やっぱりデスラー総統はカッコよくあってこそ。
ヤマトの作品世界で最大のダーク・ヒーローですからね。
彼なりの信念と美学を以て、大世界の中に確固として君臨する。
それもまた「宇宙戦艦ヤマト」という作品の魅力のひとつ。


>星名の声、久しぶりにたくさん聴いたような気がします。

ストーリー上、必要な役回りでしたからね。
彼以外にも「2202」では出番が少なかったキャラたちにも
スポットが当たるといいですね。

>「太田が副長の艦…」私も乗りたくないです(笑)

私も遠慮したいですが(笑)、
今回の航海で活躍すれば正式に副長になれるかも。

>この先ずっと言われっ放しだとさすがに可哀想ですね。

まあ普通に考えれば、だんだん下火にはなっても、
完全にゼロにはならないでしょう。

逆に、知名度を逆手にとって政界に打って出て
地球連邦大統領かなんかになってしまうというのもアリかと。
でもそれじゃヤマトの物語がつづかないか・・・

>還暦直前で第二の職場に出航し、大きな転機の真っ最中なので…

めとろんさんに限らず、今回の藪の境地に我が身を重ねてみた人は
少なくないと思いますよ。
彼の台詞には、我々の世代に刺さるものが多かったですから。

>すると後編でもネレディアの出番はないのでしょうか(涙)

私も大いに期待してるんですけどね。
彼女もガミラス軍のどこかにはいるはずですから。

>mojoさんの奥さまに似ていらしたような面影も…

ありがたいお言葉なんですが、似てるのはせいぜい髪型くらいかと・・・


ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。

by mojo (2021-11-04 20:21) 

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