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ゴーストハント4 死霊遊戯 [読書・その他]

ゴーストハント4 死霊遊戯 (角川文庫)

ゴーストハント4 死霊遊戯 (角川文庫)

  • 作者: 小野 不由美
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/12/24
  • メディア: 文庫

評価:★★★☆

主人公兼語り手は、16歳の女子高生・谷山麻衣。
彼女がアルバイトをしているのは
心霊現象を専門に調査する「渋谷サイキックリサーチ」(SPR)。

そこの所長である17歳の美少年、通称ナルと
個性的なゴーストバスターたちが繰り広げる
ホラーな冒険を描くシリーズ、第4作。

東京近郊の丘陵地帯に位置する私立緑陵(りょくりょう)高校。
(渋谷から車で3時間とあるので、関東の山に近いどこかだろう)

この高校では、夥しい数の怪異現象が起こっていた。
授業中に、35人の生徒が一斉に「黒い犬に噛まれた」とパニックに陥る。
掃除のたびに照明の蛍光灯が落ちてくる地学教室。
小さな男の子の声が聞こえてくるLL教室、
夕暮れに渡り廊下を歩いていると足音が追ってくる。
倉庫の中で水のしたたる音がする。
焼却炉のふたを開けると老人がうずくまっている。
トイレの鏡がときどき逆さまに映る・・・

生徒たちは、校舎の屋上から飛び降り自殺を遂げた男子生徒が
原因ではないかとみて、体育館で慰霊祭を行おうとするが
学校側の妨害で実行を阻止されてしまう。

しかし怪奇現象は収まらず、食中毒事件やボヤ騒ぎまで起きて
マスコミの報道にも載り始めた。

そんなとき、緑陵高校の校長がSPRを訪れて調査を依頼する。
いったんは断ったナルだったが、生徒会長の安原修の頼みを受け入れ
麻衣&ゴーストバスターズたちを引き連れて現地へ乗り込む。

生活指導担当の教師、松山の威圧的かつ非協力的な態度にもくじけず
調査を開始した一行は、やがて校内で「ヲリキリさま」という
奇妙な占いが大流行していることを知る。

どうやら「ヲリキリさま」はコックリさんの一種らしい。
生徒たちは遊び半分で霊を呼び出していたのかも知れない・・・

毎度のことながら、超常現象にまつわる騒ぎが語られる。
怪異現象自体、バリエーションはそんなに多く無さそうなのに
マンネリ感を感じさせずに400ページを超える文庫本を
退屈させることなく読ませるのは流石だ。

キャラ同士の軽妙な掛け合いも健在で、楽しくページをめくらせる。
ホラーの感想で「楽しい」というのもどうかと思うが
面白いんだから仕方がない(笑)。

本書で登場した安原くんは、以後レギュラーメンバーになるらしい。
ナルくんとは対照的な(笑)、爽やか系男子だ。

今までも書いてきたけど、ヒロインの麻衣さんの個人情報が不明。
家庭環境を含め、家での生活について全くといって描写がない。。
だいたい、平日なのにSPRでアルバイトができるのはどうして?

 ・・・と思ってたんだが、実は今、シリーズの5巻目(つまり次巻)の
 冒頭を読んでるんだけど、そこで彼女の情報がかなり開示される。
 こちらも驚きっていうか、それでいいんかい?

本書のラストでも、麻衣さん自身について
”ある事実” が明かされるんだけど、シリーズ後半に向けて
彼女自身が物語のキーパーソンになっていくのかも知れない。


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