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降りかかる追憶 南青山骨董通り探偵社III [読書・ミステリ]

降りかかる追憶~南青山骨董通り探偵社III~ (光文社文庫)

降りかかる追憶~南青山骨董通り探偵社III~ (光文社文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/02/26







評価:★★☆

大企業を辞め、駆け出しの探偵となった主人公・井上雅也。
彼が働いている探偵社に現れた依頼人は21歳の女子大生・桂貴子。

貴子は30歳の保険会社営業マン・後藤俊和と交際していたが
彼は独占欲が強く、やがて貴子の行動を束縛するようになってきた。
貴子から別れを切り出すと逆上し、ストーカーとなってしまう。

同僚の玲子とともに、後藤の身辺調査と貴子の警護に乗り出す雅也。
しかし貴子の周囲にストーカーらしき姿は見当たらない。

やがて後藤のことが少しずつ判明し始める。
営業マンというのは偽りで、後ろ暗い仕事に関係しているようだ。

そして後藤の調査の進む中、探偵社社長の金城と玲子の間に
愛と憎しみに満ちた因縁があったことが明らかになっていく・・・

入社したときから憧れの存在だった玲子の、哀しい過去を知る雅也。
これはなかなか凄絶だ。
これでは、金城と玲子が普通の男女の関係になれないのも無理はない。

その一方で雅也と、同僚である真由美との関係も変化していく。
キャバ嬢と探偵を兼業(!)ということで敬遠していたのだけど。

ストーカー事件の裏には、意外な陰謀が隠されていたりして
ミステリ的にもきっちり収まっている。

本書はシリーズ3巻目で、刊行は2015年。
本書以降、続巻は出ていないし、
物語的にも一区切りついているのでこれで完結かな。

「吉祥寺探偵物語」と共通して登場するキャラもいるので
両シリーズは同一世界の話なのだろう。
双方のキャラが総登場する作品も読んでみたい気がするけど
それは作者の胸三寸ですね。


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