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あまねく神竜住まう国 [読書・ファンタジー]

あまねく神竜住まう国 (徳間文庫)

あまねく神竜住まう国 (徳間文庫)

  • 作者: 規子, 荻原
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア: 文庫
評価:★★★☆

源頼朝という武将がいる。征夷大将軍となり、鎌倉幕府を開いたあの人だ。
ただ、私が頼朝に抱くイメージはあまり良くなかった。

平家打倒に大功のあった義経や範頼を排除したことが大きいかな。
義経の側にも落ち度はあったろうし、
自らの政権固めには必要なことだったのだろうが。

当時の感覚として、それは異常なことではなく、
むしろ当然のことだったのだろうけど。

閑話休題。

本書には、同じ作者の長編『風神秘抄』の主役であった
笛の名手・草十郎(そうじゅうろう)と舞姫・糸世(いとせ)が登場する。

 この『風神秘抄』、10年くらい前に
 ノベルス版で読んでるはずなんだけど
 さっぱり覚えていないんだよねえ。
 辛うじて主役2人の名前だけは記憶に残ってるけど、
 どんな話だったっけ・・・巻末の解説を読んで
 そういえばそんな話だったっけ・・・(おいおい)。

同作で、2人は京の都で源頼朝の助命に関わっているので
その後日談でもあるのだが、本書ではその源頼朝が主人公となる。

父・義朝が平治の乱で破れ、一族郎党をことごとく喪い、
自らも処刑されるところを辛うじて助命されて伊豆に流されてきた。
そんな過酷な運命を経てきた14歳の少年として物語に登場する。

流罪人となった頼朝の監視を命じられたのは伊豆の豪族・伊東祐次。
監視とはいっても、機会を見て頼朝を殺害することが役目だ。
しかしその祐次が急病で亡くなってしまう。

頼朝の監視役は北条時政が引き受けることになり、
狩野川の中州にある蛭ヶ小島に小屋を建てて住むことになった。
時政が手を下さなくても、洪水が起これば流されてしまう場所だ。

頼朝は、かつて京で会った笛の名手の少年・草十郎と再会し、
彼と共に蛭ヶ小島で生活することになる。

伊東祐次の甥・河津祐親は、自ら頼朝の命を絶とうと刺客を差し向ける。
頼朝は草十郎に守られながら、サバイバル生活を送ることになる。

頼朝が暮らす伊豆には、大蛇が住む洞窟あり、
龍が土地神として祀られる地があり、
やがて頼朝は自らの中にも ”二匹の龍” が眠っていることを知る・・・

頼朝の少年時代をファンタジーとして描くという趣向の作品。
途中からは糸世も合流、なんと草十郎とは夫婦になっているのだと。
とはいっても、あまり夫婦っぽく描かれてはいないのだが(笑)。

ファンタジーの主役としての少年・頼朝はなかなか魅力的。
できればこのラインで、頼朝のその後も描いてみたら面白いかも。


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コメント 4

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2021-05-27 10:18) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2021-05-27 10:18) 

mojo

サイトーさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2021-05-27 10:18) 

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2021-05-27 10:18) 

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