爆撃聖徳太子 [読書・歴史/時代小説]
タイトルからしてぶっ飛んでるんだけど、内容もぶっ飛んでる。
とは言っても、聖徳太子がB29に乗って
どこかに爆弾を落としに行くとかいう話ではない(当たり前だ)。
とは言っても、聖徳太子がB29に乗って
どこかに爆弾を落としに行くとかいう話ではない(当たり前だ)。
いちおう飛鳥時代を舞台にした古代史小説・・・なんだろうなぁ。
タイトルこそ「聖徳太子」となっているのだが、
視点人物は小野妹子(おののいもこ)である。
西暦590年、若き小野妹子は北九州の地で、
大陸からの難民が押し寄せているのを見る。
中国大陸に起こった帝国・随が周囲の隣国を次々に従え、
それに追われた人々が海を越えて倭国(日本)にやってきていたのだ。
随の次なる征服目標は朝鮮半島、そして琉球。
大陸からの難民が押し寄せているのを見る。
中国大陸に起こった帝国・随が周囲の隣国を次々に従え、
それに追われた人々が海を越えて倭国(日本)にやってきていたのだ。
随の次なる征服目標は朝鮮半島、そして琉球。
既に琉球には随の皇帝から服属を促す使者がやってきていた。
琉球の長たちからの援軍要請を受けた厩戸皇子は、
朝廷に無断で琉球に渡ってしまう。
どうやら、勝手に随と戦いを始めてしまうつもりらしい。
琉球の長たちからの援軍要請を受けた厩戸皇子は、
朝廷に無断で琉球に渡ってしまう。
どうやら、勝手に随と戦いを始めてしまうつもりらしい。
慌てた朝廷は皇子を連れ戻すために
小野妹子と蘇我蝦夷(そがのえみし)を遣わすのだが・・・
小野妹子と蘇我蝦夷(そがのえみし)を遣わすのだが・・・
上に書いた文章で出てきた皇子の行動からも分かると思うが
本書に登場する聖徳太子は、とんでもないキャラクターである。
「うるさああああい」と叫びながら
あたりかまわず走り回ったりするなど
とにかく突拍子もない行動をとり、蘇我蝦夷からは
「気の触れた奴」とか「たわけ野郎」とか呼ばれている。
あたりかまわず走り回ったりするなど
とにかく突拍子もない行動をとり、蘇我蝦夷からは
「気の触れた奴」とか「たわけ野郎」とか呼ばれている。
なぜかキリストの生誕のエピソードは知っているらしく、
時折自分のことをキリストになぞらえることもあったりする。
時折自分のことをキリストになぞらえることもあったりする。
しかし、そんな皇子の奇矯な行動は、彼に備わった一種の ”超能力” に
由来するものだということが次第に明かされていく。
由来するものだということが次第に明かされていく。
同時に、未来を見通す目を持っており、
近い将来、隋が朝鮮半島と琉球を手に入れたら次の目標は倭国になる。
彼が琉球防衛に暴走するのもそれが理由だった。
近い将来、隋が朝鮮半島と琉球を手に入れたら次の目標は倭国になる。
彼が琉球防衛に暴走するのもそれが理由だった。
その後、遣隋使となった小野妹子だが、皇子の ”悪縁” は途切れず、
(というか、皇子に無理矢理引き込まれて)
いよいよ半島への侵攻を始めた隋の大群に対して、
徹底抗戦する高句麗軍に加わり、各地を転戦する羽目になる。
終盤のクライマックスは、遼東城に立てこもる高句麗軍と、
その周囲を固めた隋の大軍との壮絶な籠城戦。
その周囲を固めた隋の大軍との壮絶な籠城戦。
ここが落ちれば半島は隋の支配下となり、隋軍の矛先は倭国へ向かう。
まさに背水の陣で臨む高句麗軍&小野妹子に対して隋軍は、
あるときは物量にものを言わせて、あるときは奇手奇策を用いて
着実に高句麗軍の戦力を削り取っていく。
まさに背水の陣で臨む高句麗軍&小野妹子に対して隋軍は、
あるときは物量にものを言わせて、あるときは奇手奇策を用いて
着実に高句麗軍の戦力を削り取っていく。
絶望的なまでの彼我兵力の差に、
妹子の命運も尽きたかと思われるが・・・
ここの攻防戦だけでも本書を読む価値があると思う。
妹子の命運も尽きたかと思われるが・・・
ここの攻防戦だけでも本書を読む価値があると思う。
聖徳太子のイメージといえば、コミック『日出処の天子』(山岸凉子)が
まず頭に浮かんでしまうんだが(それも如何なものかと思うが)
本書の聖徳太子もまたユニークで、”人知を超えた存在” という意味では
案外共通しているのかも知れない。
鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-31 02:06)
@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-31 02:06)
xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。
by mojo (2019-07-31 02:06)