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死香探偵 尊き死たちは気高く香る [読書・ミステリ]


死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る (中公文庫)

死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る (中公文庫)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2018/01/23
  • メディア: 文庫
評価:★★★

主人公・桜庭潤平は特殊清掃員として働いている。
特殊清掃とは、孤独死した住人の部屋を、
腐乱した遺体を含めてきれいに ”清掃” すること。

しかし潤平は、仕事を続けているうちに
遺体の放つ屍臭を「いやな臭い」ではなく「食べ物の香り」に
感じるような特殊体質になってしまったのだ。

しかしある日、清掃現場に現れたのは
東京科学大学の薬学部准教授・風間由人(よしひと)。
彼の研究テーマ「犯罪捜査に用いる分析技術の研究」のための
データ収集にやってきた彼は潤平の特殊能力に気づき、
半ば無理矢理に、助手にしてしまう。

殺人事件の現場に連れ出された潤平が感じた”香り”から、
風間は事件の真相に迫っていく。
本書には、二人の活躍する4編が収録されている。


「第一話 交じり合う死は、高貴な和の香り」
「第二話 君に捧げる死は、甘い菓子の香り」
「第三話 毒に冒された死は、黙して香らず」
「第四話 裁きがもたらす死は、芳(こう)ばしき香り」


作家さんというのは、途方もないことを考えつくものだと
いつも感心しているのだけど、これもまた驚きの発想だ。

ただまあ、モノが屍臭なのには、ちょっと引いてしまうなぁ。
ここ10年ほどの間に、かみさんの両親や
自分の父親を見送った身からするとねぇ・・・


さて、潤平君には困った副作用がある。
たとえば、ある遺体の屍臭を ”炊き上がったご飯の香り” って
感じたとして、遺体の処置は済んで時間が経ってくると
今度は本物の ”炊き上がったご飯の香り” が
耐えられない悪臭に感じられるようになって、
ご飯を食べられなくなってしまうのだ。

つまり、彼が遺体に接すれば接するほど、
食べられるものがどんどん減っていってしまうという
悲しい運命が・・・

本書の中では、いまのところ彼の副作用は解消していない。
物語はさらに続くので、次巻以降で解決されることを祈りましょう。
だって解決されなかったら、
いつの日か潤平君は餓死してしまうからねえ・・・

nice!(4)  コメント(4) 
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コメント 4

mojo

31さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-29 23:18) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-29 23:19) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-29 23:19) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2019-07-29 23:19) 

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