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カーリーⅡ 二十一発の祝砲とプリンセスの休日 [読書・その他]


カーリー <2.二十一発の祝砲とプリンセスの休日> (講談社文庫)

カーリー <2.二十一発の祝砲とプリンセスの休日> (講談社文庫)

  • 作者: 高殿 円
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/03/15
  • メディア: 文庫
評価:★★★

1939年。第二次世界大戦勃発の直前に
父の赴任先であるインドへ渡り、
花嫁学校であるオルガ女学院へ転入した少女・シャーロット。

前巻に引き続き、彼女が学院の内外で過ごす日々が綴られる。
心を許せる友となったミチル、ヘンリエッタ、
そしてルームメイトのカーリーと
学園での日々を過ごすシャーロットたち。

しかし開戦後間もない1940年、オルガ女学院に転入生がやってくる。
満艦飾の輿を載せた象で現れたのは
インド有数の藩王国バローダの第一王女・パドマバディ(パティ)。

オルガ女学院というのは、生徒の出身/出自によって
校内での序列が決まってしまうというトンデモナイところなので、
パティはあっという間に学院最高位に収まってしまう。

それによって今まで ”女王様” として君臨していたヴェロニカは
寄宿舎の「特別室」を追い出されてしまう。
さらにパティはルームメイトとしてカーリーを指名する。
一人になってしまったシャーロットは、よりによって
犬猿の仲であるヴェロニカと同室になることに。

学園内に大騒ぎを引き起こしたパティだが、
彼女の転入にはある目的があった・・・


前回もそうだったが、今回の物語の背景にも、
当時のインドの国情が大きく関わっている。

当時のインドではガンジーたちによる独立運動が起こっており、
それを押さえようとするイギリスがあり、
そして両者の間で既得権益を守ろうとする藩王国があるという
混沌のさなかにあった。
さらには先端を開いたナチス・ドイツと英仏の対立もまた
インドに持ち込まれ、列強諸国によるスパイが暗躍する地でもあった。

前作では、インドで消息を絶った母親の
手がかりを得ようとするシャーロットが、
スパイ同士の対立に巻き込まれていく様子が語られたが、
今回はインド有数の藩王国の王女であるパティを巡る陰謀が描かれる。

そして、シャーロットたちが学ぶオルガ女学院にも、
激化する戦争が影を落とし始める。


学園ものであり、歴史小説でもあり、
最後にはミステリっぽい謎解きも披露される。
誰が探偵役になるかはヒミツだが。

連続ものの第二巻と言うことで、現段階での評価は難しいけど
ヒロインのシャーロットをはじめとして、
関西なまりの英語(?)を駆使するミチル、
マッドサイエンティストへの道をまっしぐら(笑)のヘンリエッタ、
パティを通してシャーロットとの関係を変化させていくヴェロニカ、
そして新規加入のパティも含めて、キャラ立ちは申し分ない。

そしていよいよカーリーの抱えた ”秘密 ”が
シャーロットの知るところとなって・・・ってところで「つづく」。


次巻「Ⅲ」では、一気に時間が飛んで4年後が舞台となる。
今回のラストで主要キャラたちのほとんどがインドを離れ、
散り散りになってしまうのだが
ある ”イベント” (これがまた意表を突く設定)のために
再びインドへ集まってくる。

こちらも読了しているので近々記事に書く予定。

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コメント 5

mojo

はじドラさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-09-25 20:56) 

mojo

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-09-25 20:56) 

mojo

@ミックさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-09-25 20:56) 

mojo

鉄腕原子さん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-09-25 20:57) 

mojo

はっこうさん、こんばんは。
nice! ありがとうございます。

by mojo (2018-09-25 20:57) 

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